「平成」を終ふ音々除夜の鐘 へいせいをしまふおとおとじょやのかね
平成の終る三十日や注連飾 へいせいのをはるみそかやしめかざり
数へ日の行き場所居場所無き老ら かぞへびのゆきばしょいばしょなきおいら
霜踏むや吾が生き様の前と後 しもふむやわがいきざまのまえとあと
数へ日の縁起縄綯ふ木槌の音 かぞえびのえんぎなわなうきづちのね
実万両剪枝梯子の置き処 みまんりょうせんしばしごのおきどころ
繰り言の便秘頻尿冬木立 くりごとのべんぴひんにょうふゆこだち
三歳後は米寿で五輪日記買ふ みとせごはべいじゅでごりんにっきかふ
遺されし妹の歌集や帰り花 のこされしいものかしゅうやかえりばな
妹の魂宿せシリウス冬至の日 いものこんやどせしりうすとうじのひ