稲妻の高窓走る繰糸場
いなずまのたかまどはしるそうしじょう
世界遺産の富岡製糸場のバスツアーに参加した。印象に残ったのはフランス文化の数数と中でも３百人取りの繰糸器現場だった。
白薔薇や痴呆症妻看取る夫
しろばらやちほうしょうつまみとるつま
長寿時代の病は多岐である。癌での早世、痴呆症患者等など。２日前に俳優Ｔさんは国民的声優Ｏ・Ｎの痴呆症看護を公開した。”いとおしい””幼い娘。。”感動した。
麦秋や畑道駈ける救急車
ばくしゅうやはたみちかけるきゅうきゅうしゃ
水張りの終わった田圃と麦刈りを待つ畑が視界を広げている。月末週には所属する３つのＧゴルフＣのコンペがある。月曜日は６位・昨日は１位（７４）・今日も１位（７３）だった。
水仙翁卿に病みゐる八十路妹
（すいせんのうごうにやみいるやそじいも）
数十年前に田舎の妹の庭からもらって来た水仙翁が今盛りである。手抜き放題の我が小庭にはこれ以外のも時期が来ると勝手に咲いてくれる。
風鈴や見えなき風を鳴りつくす
「徹子の部屋１万回記念放送」に拍手喝采。体力・気力・知力・話術の賜物であろう。”あと１０年続けたい”のご希望を真夏日で無風の戸外で愛用の風鈴が予見している。
瑠璃超しに人恋ふ紅や
薔薇の雨
近頃家の内外で蚊に刺される。下戸で痩せの私は餌食。上戸で食事制限中の妻は平気である。厨の外壁を這う垣根薔薇が曇りガラスの開け閉め毎に紅色の様を変えている。
風青し童顔受くる大関位
夏場所は照ノ富士が初優勝。直後の理事会で大関昇進が決まった。三役二場所、２３才で”平成生れで初の優勝者”となった。童顔が演じた夏の夕べの一幕だった。
天地の恵み余さじ茄子の花
７０年前の今日東京山の手で空襲にあった語り部である妻。ＮＰＴ（核不拡散条約）会議決裂の新聞。戦のにきな臭い国際情勢が気になる。花が咲きだした茄子に支柱した。
顧みし甲斐の山並み新樹光
久し振りでたった１晩の故郷だったが郷愁は後を引く。帰宅した２１日から２の里は１の里より１．２度の気温高の酷暑続きだ。１１年目に入ったブログ。更に手抜きして続けよう。
明易し昨夜（ゆうべ）果てたるクラス会
視界山の甲斐の国も明けは早い。夜来の雨に四方の稜線が鋭く現われる。裏富士の見える湯の町での６０余年続いたクラス会は参加者６０名から９人に減ってしまった。８３歳。嗚呼！