臥す夫を置き逝く妹や虎落笛 ふすつまをおきゆくつまやもがりぶえ
冬麗や一億民のシャンシャン日 とうれいやいちおくたみのシャンシャンび
遠浅間迫る北窓塞ぎけり とおあさませまるきたまどふさぎけり
寒夕焼宅配便の印待たず かんゆうやけたくはいびんのいんまたず
黄落や横隊を組む通学生 こうらくやおうたいをくむつうがくせい
塩鮭来目玉が語る子らの幸 しおざけくめだまがかたるこらのさち
枯野菊焚くや吐き出す巳の定め かれのぎくたくやはきだすみのさだめ
年用意窓の内外俄か手話 としよういまどのうちそとにわかしゅわ
木漏れ日を瑠璃に弾かせ竜の玉 こもれびをるりにはじかせりゅうのたま