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東京タウンウォッチング情報 & 経営コラム 「経営コンサルタント・安岡裕二」の情報とヒント

ホットな街、店の現場から“時代”が見えるタウンウォッチング。経営に関連するヒントを独善的に“切る”短文のコメント。

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タウンウォッチング 東京ミッドタウン「ボタニカ」ひらまつの戦略

2007-09-25 22:50:10 | ミニ経営戦略・戦術論
タウンウォッチング東京ミッドタウン「ボタニカ」ひらまつの戦略についての一考察

  広尾に本社のある絵画レストランで名高い、フレンチの「ひらまつ」が、東京ミッドタウンにコンランレストランの「ボタニカ」、国立新美術館に「ブラッスリー・ボギューズ・ミュゼ」を相次いで出店した。話題のひらまつの戦略について考えてみた。
 
  ひらまつは、高級フレンチレストランとレストランウェディングを柱に成長してきた。売上高は2003年辺りから急成長路線を辿ったが、経常利益、純利益では増減を繰り返してきたという状態にあった。今、飲食業界はコスト高、競争激化という厳しい環境にある。そこで打ち出したのが、「ブランドポートフォリオの再構築」という戦略。社内の蓄積、伝統技術を生かした高・中級価格帯の「ひらまつ」、「ASO」と外部ブランドとの提携による6業態のカジュアル戦略加速である。更に付け加えれば、「大人のウェディングパーティ」をコンセプトとしたウェディング部門の新戦略もある。因みに、ひらまつのいう高級価格ラインとは、ディナー客単価2万円以上、カジュアルラインとは1~1.5万円の客単価。
 東京ミッドタウンの「ボタニカ」は、外部ブランドのコンランレストランと提携したモダン・ヨーロピアン料理という。コンランは、英国人デザイナーで(卿=サー)と呼ばれる高い評価を与えられており、レストランも大きなビジネスになっている。日本では、丸ビルにインテリアの大型ショップとカフェ(監修)を展開しており、レストランではひらまつとの提携戦略を主軸としている。
 国立新美術館の「ボギューズ」と合わせ、計画を上回る成績で推移しているとのこと。ボタニカ店長によると、GWは勿論、過ぎてからも予約で満杯状態が続いているとの事でした(*直近の状況は不明)。更に低価格帯戦略として、東京ミッドタウンに「コンラン」ブランドのテイクアウト中心のヌードル専門店「ヌードルワークショップ」のテスト的出店が絶好調の様だ。
 以上、見てきたように、ひらまつは成長戦略として、ブランドポートフォリオの新構築で中価格帯客層の拡大から低価格帯業態(イートイン付きテイクアウト)の客層開発、更に中高年の新ウェディングスタイル開発へと舵を切ったと言える。
 個人株主が98%という構成から、株主懇談会に力を入れており、国立新美術館内で「グルメ懇親会」を開くなど、文化的イベントに力を入れていることも、ブランドイメージupに繋がっていよう。
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