某TV放送局の「趣味講座」に、四国巡礼の作法を学ぶ講座が開講した。
時代も変わったものである。
ついに、お寺参りが、趣味になったのである。
しかし、その講座を拝見して、
いかに自分のお参りの仕方が、我流になっていたか、思い知らされた。
大変有益で、参考になった。
まだ、始まったばかりなので、最後まで勉強し、これからは、正しい作法を励行しようと思っている。
四国八十八箇所は、一番から八十八番までの番号がついている。
高野山には、特に番号があるとは聞かないが、最後にお礼参りに行くと聞いている。
原則的には、番号順にお参りすべきであるが、広大無辺の弘法大師のことである。
お参りする人の都合の良い順番で、お参りすることも差し支えないのだそうである。
ある人から、ゼロ番札所があると聞いた。
調べてみると、
ゼロ番札所とは、中国西安市にある「青竜寺」との事だった。
ここで、インターネットから、引用する。
「空海の時代、青竜寺は、恵果阿闍梨が別当で、
当時の密教の重要な道場の一つとして最盛を極めた。
密教を求める僧侶が国内外から訪れた。
日本からは[入唐八家]のなかの六家(空海、円行、円仁、恵運、円珍、宗睿)が前後にして青竜寺で密教を学んだ。」
と記載してあった。
弘法大師の言葉で、印象的なのは次のものである。
生まれ生まれ 生まれ生まれて 生のはじめに暗く
死に死に 死に死んで 死の終わりに冥し
大師は、遣唐使船で上海の南方に漂着し、半年かけて西安にたどり着いた。
翌年「阿闍梨(最高位 大日如来の位)」に選ばれ、
第八代の密教継承者となり、「遍照金剛」の称号を授けられ、
最後の遣唐使船で辛うじて帰国、今日の仏教の隆盛をもたらした、
またご承知の通り、書・教育・土木工事など数々の業績を残された奇跡の天才である。
今回の旅では、オプショナルコースに追加してもらい、同行の4名のお方にも無理をさせたが、
「ゼロ番札所」にお参りがかない、胸の痞えがとれた。
作家「夢枕獏」氏は、小説『陰陽師』が映画化され、
主役の安倍晴明を狂言師野村萬斎が演じ、大ヒットしたことで、読者はよくご存知であろう。
彼の作品の一つに、
「沙門空海 唐の国にて鬼と宴す」
と題するものがある。
天才空海を、人間味豊かに描いた秀作と思う。
読み出したら止まらず、
一気に読破してしまうこと請負である。
お勧めの一冊である。