次の日曜日と月曜日、所用で休刊します。
定休日ですが、またまた臨時掲載します。
TVで、「江戸川 乱歩」の小説を紹介していた。
「押絵と旅する男」という題。
「押絵」のイメージは、羽子板を飾っているものが一般的である。
押絵を「写真」に置き換えて、この小説の荒筋を、
簡単に再現してみる。
ある男が、「憧れの美人」の写真を
「大切に・大切に」していた。
怪奇な力で、男は美人に寄り添うように、
「生きたまま」写真の世界に入ってしまった。
男の弟が見ていると、時が過ぎるにつれて、
「男は老人」になってしまった。
しかし、憧れの美人は、
以前の「若いまま」であった。
この現象は、小説だけでなく、
身近に散見される。
若くしてご主人を亡くした方、あるいはその逆。
秋である、
時の流れの無常を感じさせる、一作であった。