S35年(1960)は安保闘争、S36年は「所得倍増計画」が始まった年であった。
池田隼人総理の下で、下村治という人により立案された経済政策であった。
経済成長に邁進する時代の幕開け。
海外から革新技術を導入し、魅力的な新製品を供給し、新たな需要を喚起しようという政策であった。
そして紆余曲折はあったが、見事7年後には目標を達成しGNPは倍増し、国民の九割は、中流意識を持つに至ったのであった。
大気汚染・公害問題・農業後継者不足など幾つかの成長のひずみも顕在化し始めた。
S40年は、戦後初の赤字国債発行の年でもあった。
昭和40年代、自動車(Car)、クーラー(Cooler)、カラーテレビ(Color TV)のいわゆる3Cが、「新三種の神器」と呼ばれていた。
あれから、約40年である、あっという間に過ぎた。
時代は変わり、平成の今、
キッチンの三種の神器「IHクッキングヒーター」、「食器洗い乾燥機」、「生ごみ処理機」の3商品。
下流社会の三種の神器 2005年(平成17年)三浦展による著書『下流社会』で紹介された、所得の低い層がのめりこむという家電製品。
パソコン(Personal Computer)、携帯電話、プレイステーションの3種類で、英語の頭文字がみなPであることから、3Pと呼ばれた。
小泉首相の新三種の神器 2003年1月の施政方針演説で小泉純一郎首相は、
食器洗い乾燥機・薄型テレビ・カメラ付携帯電話を「新三種の神器」と命名した。
現在は、低成長の時代であると言われている。
下村氏は、江戸時代のような文化・教養に力を入れるべき時代だと、言い残している。
文学・歴史・書画・演芸・演劇・歌謡・音楽・・・を楽しむのも、それであろうが、
三種の神器が、物の充実・充足だったとしたら、教養・文化の三種の神器はいったい何なのだろうか。
教養・文化における三種の神器となると判らないのである。