月下樹のおと

樹月けい、オタク母のブログ。アニメ・漫画。お絵かき展示等。義母の介護終わり、義父のご飯お手伝い中。

1/29 みんなのアーティスト・ コーディネーター養成講座 第4回 「コーディネーターってなんだ?」

2022-02-02 17:06:49 | 参加★舞台 映画 WS等
みんなのアーティスト・
コーディネーター養成講座
第4回
「コーディネーターってなんだ?」


講師:吉野さつき さん
   (愛知大学文学部教授)

日時:1月29日(土)10:00-15:00
場所:マルタス
  (丸亀市市民交流活動センター)
………………………………

コーディネーターと
呼ばれる仕事は色々あるけれど、
文化芸術と社会課題解決など、
違う領域同士を結びつけるコーディネーター。

どうやって結びつけるのか、
なぜ結びつけると良いのか。
そもそも、
違うもの同士だから難しい。
だからこれまで少なかったけれど、
行き詰まる世の中にこそ
必要な要素がたくさんあると
思える内容だった。

*******

10:00〜12:00 前半

◉まずは自己紹介から ( 約1分間 )

名前
朝食べたもの
最近の個人的重大ニュース

名前をきっちり覚えるというより
その人の雰囲気や背景を
何となく感じられた。
勿論、文化芸術推進サポーターなど
知っているメンバーも多いけれど、
まだ深く知らない人もいるから
良かったと思う。
(個人的には、朝食、皆様々だと驚き)

◉ワークショップするとしたら?
付箋に書いて前のボードに貼る

ワークショップをするとしたら
どういう人たちと関わりたい?
1人2枚 ( 2種類 )
ホワイトボードに貼る

次に、
それを実現するために
難しいことは何か。
やっているけど難しいことなど。
先に貼ったものに続けて貼る。
……………

それぞれの仕事や活動の中で
気になっていること、
また、
直接ではないけれど
想像や妄想し気になることから
色々な人、活動の課題など
あがっていた。

例えば…

子育て中( 未就学児 )の親子
高校生( 若者 )、小学生など児童
40代以上( いわゆる中高年?)
現役世代( 仕事で忙しい人 )
高齢の人
成人の子と親
退職後の人

普段体を動かすことが少ない人
文化芸術活動をしている人
文化芸術に親しみのある人
文化芸術から遠い分野の人
ネガティブorポジティブな人
外国人
進路に悩む若者
演劇を志す人
環境問題を考える人
孤立しがちな人   など

財源の問題
現場で何を大切にするのか
必要としているところに届けるには?
親しみやすいものを
入口にすると良い
違う分野でも、
結びつけられるものがあるかもしれない
他人の力も借りると良い
新規開拓、アプローチの仕方は?
どう人を集めるか?
など。

それぞれの悩みを見ていきながら、
それをどう捉えるか
どんな対応ができるか
吉野さんの考えも交えて。

たっぷり午前中いっぱい
それぞれの話を聞いていった。

対象と考えている人は色々。
しかし現実に
活動を阻む様々な問題がある。
様々だけど
似ている部分もある。
より深く聞いてみたいこともある。

というところでお昼休憩。
それぞれ昼食後に
聞いてみたいことを考えつつ。

…………………

12:00〜15:00 後半

◉話を聞いてみたい人たちとグループに

午前に挙がった内容から
更に話を聞きたい人同士集まり
3グループ(6人ずつくらい)で話す。

新しく活動を始めようと
プレゼンしてもなかなか
受け入れてもらえない悩み多数。

自分の目指してるものと
相手の求めるもの
どうすり合わすかという話に。
その例など。

…………

■ 吉野さんの講演
パワーポイントや映像を使ってのお話

◉コーディネーターとは何か?

繋がりをつくる?調整する?
話を聞いて繋がりを持てるような
きっかけを作る存在。

一人ではできない。
この人に話を聞いてみたら?
直接関係はないけど知り合いにいる
きっかけのタネをまく存在。

困った時、課題があるときに必要。

うまくいかないこともある。
何故うまくいかない?
問いをたてる。

◉芸術文化とそれ以外の領域をつなぐ

 障害者による芸術活動の例
 ほの国とよはし芸術劇場プラット
 「障がいのある人と共に創る演劇のワークショップ」2018年
 『テンペスト』をもとにした舞台

グレイアイ・シアター・カンパニー

ジェニー・シーレイ
(2012年ロンドン・パラリンピック開会式の共同ディレクターを努めた)
彼女の言葉より
「アクセシビリティ」の本質的な意味
一般的には
アクセスのしやすさだけど…
物理的なことだけでなく
例えば深く知ること、
私たちの姿勢。

違いがあっても演劇はできる。
共同することで関係性が変わる。
同じ場で一緒につくることで
生まれるものがある。
「障害」への視点も変わっていく。

◉福祉か芸術か?

それぞれ考えの違いから
問題にぶつかる。
接点を見つけて折り合いをつける。

アーティスト側、受け入れ側、
両者が話し合い納得することが
必要。

最初から全部受け入れられる
わけではない。
お互いにそれを知ってからの
話し合い。


◉ポイント!

たくさん聞く、調べる、話す
ことが大事

どの領域でも同じ

聞く……相手との信頼関係
調べる……現状、課題、実績、大事にしてること
話す……見つけた接点をもとに提案するだけでなく、目的を共有する
両方の側のそれらを知ることが大事

◉異なる領域を繋ぐ

異なる視点に気づくことは
表現の可能性が広がり
自分の活動へのフィードバックにもなる

◉映像

課題はあってもできることはある
その例として…

●「老人ホームRemix」
ドキュメンタリー・オペラ “復興タンゴ”
[ 資料リスト 6 より]
コントロールではなく
そうじゃないもなのを
見直さなくては。

違うジャンルの人が一緒につくる
野村誠 ( 音楽家/ピアニスト )
砂連尾 理 ( ダンサー/振付家 )
上田謙太郎 ( 映像作家 )
杉本 文 ( 写真家 )

それぞれ違う発見→刺激になる

●「門限ズ」クロスジャンルバンド
[資料リスト 7 より]
野村誠 ( ミュージシャン )
遠田誠 ( ダンサー )
倉品淳子 ( 俳優 )
吉野さつき ( アーツマネージャー )

普段は横の繋がりがない分野
一緒に何かすることで繋がりができた

◉板挟みになる

違うジャンル同士を繋げるためには
それぞれの間で板挟みになることがある。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
社会には色々な境界がある。
そこを越える必要がある。
多様性、社会包摂は簡単じゃない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

境界を【可視化】→越えていく

◉動画を見る

「RECONNECT 」

(❣️ブラウザで開くと日本語表示可)
[資料リスト 11より]

RECONNECT、
繋ぎなおすという意味。
コロナ禍を受けて動画が作られた。
見た人が、
見ながら参加できる要素がある。
イントロダクションの動画があり、
そこから様々な動画がある。
そこから更に対面へと繋がるように。

「Arts on Call」
(❣️ブラウザで開くと日本語表示可)
[資料リスト 12 より]

訪問型の面白い演劇
老人ホームの外で演じ、
窓越しに見てもらうもの。

◉最後に

出会った人たちと
ネットワークを作り
新しい在り方を考えていく。

「こうでなくてはいけない」よりも
「こんなこともあっていいんじゃない?」

その上で、
参加者の心身の安全、
色々な物事の折り合い
誰のための、
何のためを共有しながら

色々な境界を越えていく。

*******

◉質疑応答より いくつか

対話は言葉だけでなく
クリエイティブな
想像的なコミュケーションでの
対話も

一人で抱えこまない
ぐちを言える相手を持つ

うまくいかなくて当たり前
接点を見つける作業を面白く思うこと

段階を踏む

ムリにやらない
現場でそんな状況になった場合

そうできるように
やる前に相談しておく

何のためにしようとしているのかを
共有しておく
そうすれば
現場でどうすればよいか対応できる

答えはひとつではない

助成金など財源の問題がある
公助が必要

他の分野との融合も必要

共同していく人として
何ができるか投げていく

それぞれの言葉で語れるように

お金の問題は
すぐには進まないかもしれない

提言を作って上げてもいいのでは?
そこに向かって少しずつ進む

**********

◉別紙 資料リスト

いただいた紙のリストを書いてみた。上の内容に当てはまるものがあるので通し番号をふってみた。

(❣️英語のサイトも、ブラウザで開くと日本語表示できます)

○書籍

1.『生きるための試行 エイブル・アートの実験』
2.『舞台上の障害者 境界から生まれる表現』
長津結一郎 九州大学出版会
3.『アートマネジメントと社会包摂』
九州大学ソーシャルアートラボ 水曜社

○報告書等

4.「障がい者による舞台芸術に関するケーススタディ報告書」
 日本パラリンピックサポートセンター/東京藝術大学 2017年


5.ほの国とよはし芸術劇場プラット
ファシリテーター養成講座報告書
「だれもとりこぼされない場が成り立つためにファシリテーターに求められる在り方・関わり方は、ワークショップだけじゃなく、まちでの暮らしにもプラスのようだった。」


○webサイト、動画など
[ 6 ]「老人ホーム Remix」


[ 7 ]「門限ズ」

8.「鳥取銀河鉄道祭」
 9.「ゲキジョウ実験!!!銀河鉄道の夜→」



参考例

10. 訪問型公演「ファミリーシアター」



[11] ジェーン・ベントリーとスコティッシュ・チェンバー・オーケストラ
ジェーンのHP 
「RECONNECT」


[12] ヒュー・ナンキヴェルの活動から

「Arts on Call」

▼自分の追加メモ
「Arts on Call」を行っている
Dance in Devon の
Facebookアカウント

*********

◉感想

違うもの同士を繋ぐのは難しい。
時に、板挟みになる。
けれど繋ぐことに意味はあって、
それぞれの接点を見つけるための
手がかりは何かと考えさせられた。

身近なことを想像していた。
コーディネーターの仕事以外にも
板挟みになる人はいそうだと。

例えば家庭の主婦。

最近ラインで主婦の人と
やり取りしたことを思い出した。

たった一人の声だけど、
その人一人だけの問題
とも思えなかった。

何と何の間で
板挟みになっているのか。

生活の中で生まれる
ありとあらゆる細々とした用事。
そして、子どもをはじめとして
家族それぞれの補助を一手に担う。
その数の多さゆえ
両立が難しいものもあり、
それらの間で板挟みになる。
また、
自分の個人的用事があるとして
その間での板挟みもある。
ひとつのことに
没頭することはほとんどなく、
常に同時進行の複数掛け持ち。
常にそんな思考状態のため
気分が晴れないことも多い。

要はそんなことで、
お互いの話の共通点だった。

考えてみると、
大なり小なりそんな人は
結構いるのではないかと思った。
超絶器用な人か、
我関せずな人以外は。

どんなに理不尽だ!と
現状に怒ってみても
違う領域にいる人にとっては
ピンとこないのかもしれない。

相手の求めるものを
探ることが必要。
それは決して全面的に
相手側を優先することではない。
接点を見つけ、折り合う点を
見つけるために必要な作業。

ひいては自分のためでもある。
そこそこウィンウィンでなければ
ずっと続けていられない。

そのためのスキル。
今回の講座の内容、
家庭生活にも
十分役立つ内容ではないか!
と思った。

もともとデキる人なら必要ない。
デキない自分だからこそ
必要なのだ。

お金を稼ぐことに
直結しないかもしれないが、
長い目でみれば
何らかの利益になるはず。

お金は稼いでいないけど
一介の主婦でも胸はって
講座などに出向いて学んで
いいじゃないか!

そんなこんなを含めて
彼女に返事しようと
思った次第である。

やろうと思うことを阻むものは
色々な場所にある。
誰の目にもとまらない場所で
じっと潜んでいる人の浅い息遣いが
いつか外での
深呼吸に変わるように。

自分も含めて
出来ることを探したいと思った。

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