丹沢秘密倶楽部

日々の記録、思いついたこと、昔話など。最近は、俳句のこと。
俳句は読み中心で、なかなか詠めない。

都鳥

2020-10-07 06:08:10 | 俳句

道沿いの花野

 

近頃お気に入りの一句

 

都鳥空は昔の隅田川             福田寥汀

 

「都鳥」・・・名にし負はばいざ言問はむ都鳥・・・伊勢物語の世界ですね。

「隅田川」、当方のイメージは、昭和の名曲「すみだ川」です。なくなりましたが、日本一の大歌手、島倉千代子唄。

銀杏返しに黒繻子かけて・・・すみだ川

・・・観音様の 秋の日暮れの鐘の声・・・都鳥さえ一羽じゃ飛ばぬ・・・

ちと古すぎか・・・?

 

樋口一葉「たけくらべ」と

花の雲鐘は上野か浅草か           芭蕉

が入っているのかと改めて思いましたね。

俳句ブログ的ではないかも、ですが。

 

この地に生まれた、とある芸能人は「隅田川」と言わず「大川」とテレビで言ってました。

 

 

正面に月を据えたる秋の酒          一龍斎貞鳳

 

月見の作法を調えて、月の出を待つ。銘酒の一升瓶も用意した。

現代人にはない、昔の人の妙な気合のような雰囲気もありますが、それもまたよし、ということで。

自宅でひとり楽しむのか、

または、どこかの名園のお座敷なのか。当方ならば、山小屋の前のテーブルで数人の月見ですね。

作者は、講談師、テレビタレントにして、タレント議員のはしり、俳句も熱心だったようです。

 

 

夕立が信号機消し秋雨へ           Y.S

「夕立が信号機消し」

「夕立」と「秋雨」、初め、「ん、」と思いましたが、

うむ、そうか、車を運転して移動していると読めば、なるほど、ですね。

 

大粒の激しい夕立にワイパーも動いているだけましという状態でしょう。

激しく次々と打ちつける大粒の雨、こうなると雨水ですね。ワイパーが雨水を平らにしても前がぼやけて信号機も見えない。

しかし、夕立なので、なんとかそこを抜けると静かな秋雨のようになった。

という感じでしょうか。

 

父とわかりて子の呼べる秋の暮れ       鷹羽狩行

 

朝の茶の粽を解きて旅をはる         水原秋櫻子

自宅にもどり、翌朝のお茶と土産に買ってきた粽、何日かの旅だったのでしょう。

 

参考の一句

肖像の並ぶ廊下や秋湿り           片山由美子

賞状を見上ぐる廊下夏休み          今日水

 

から駕籠の近道戻る花野かな              正岡子規

庭先に鉢ならび居て花野かな         今日水

主のなき鉢ならびいる花野かな        今日水

手入れのされない、鉢植えの列、本来の花野ではありませんが。

 

近詠

スルスルと糸おり来たり家の蜘蛛       今日水

家蜘蛛の我をうかがう夜寒かな        今日水

 

どんな家なんだ、こんな家なのです。

飼っているわけではありませんが、ときどき現れます。直径数センチぐらい、大きな家蜘蛛です。

ここまで成長するには大変だったろうなと思い、ほっときますが。

名は「アシダカグモ」というようです。

 

シュルシュルシュルと動き回るので、ちょっと脅すとじっと様子をうかがうように静止します。

現われ頻度、記録しているわけではないが、年に3、4回。

二週間ぐらい滞在して、いなくなります。

コメント
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