近ごろ本を買うことは少なくなっているのですが、珍しく三冊買ってしまいました。
右「俳句再考」筆者は「林誠司」、当方も毎日チェックしている「俳句オデッセイ」というブログをつくっている方です。
もちろん俳人でもあり、句集出版事業、各地の句会指導、カルチャーセンターでの「芭蕉講座」など、芭蕉に傾倒研究している人です。
中央「超訳 芭蕉百句」嵐山光三郎著。芭蕉についての著書数冊、ざっくばらん、大胆なことを見てきたように書いてあります。
芭蕉の実生活を想像できる本です。
また、深沢七郎という作家の弟子だったようですが、何年か後には破門無視されてしまう経緯を書いた「桃仙人」という著書があります。
嵐山光三郎、とてもおもしろい人です。
左「ふつうの未来」越智友亮俳句集です。
作者は1991年、平成3年生まれの若い俳人です。日常語で俳句をつくるという信条らしいですね。
若くても多くの俳人は「古語旧仮名づかい」で俳句を詠んでいます。
思い出せば思い出多し春の風邪 越智友亮
当方も若い時は、思い出も鮮烈なものでした。
しかし、今は、その思い出も現実にあったような、なかったような、夢だったわけはないのですが、見た夢を思い出しているような気分でいるのであります。
ボケの始まりか、ではないと思っていますが。(念のため)
風鈴や昭和のことについて聞く 越智友亮
暇だから宿題をする蝉しぐれ 越智友亮
幸せな恵まれた少年時代を過ごしたようです。
帰宅即テレビを点けて牡丹雪 越智友亮
牡丹雪は春の雪ですから、雪の中を家に帰ってテレビで情報を得ようとしたのでしょうか。
「牡丹雪」当方のイメージは「ぼた雪」、暗い空から「ぼたぼた」落ちてくる雪なのあります。
春を暮らす固定電話のなき家に
生まれ育った家を出て、大学生生活、一人暮らしを始めたのでしょうか。
イチモンジセセリ、愛嬌のある雰囲気の蝶。この蝶も当方に居ついているようです。
一般的な蝶のようにひらひらとは飛びません。直線的な飛び方です。
城跡に市役所近し孔雀草 越智友亮
城、城跡と県庁、市役所などは全国的に付き物ですね。
当方も、城跡、市役所にヒントを得て、一句詠んでみました。
城跡のさくら静かに楽器店 今日水
当方の友人、ヤス君の「グルービン楽器店」は八戸市庁(市役所ではなく、なぜか市庁を名乗っています。)に隣接する城跡の三八城(みやぎ)公園直近にあります。八戸に行くと特に用がなくても、市庁前広場、三八城公園、グルービン楽器店などに行ってみるのです。
桜は満開でしたが、人の姿はほとんどありませんでした。
枇杷の花ふつうの未来だといいな 越智友亮
句集の最後に掲載されている句です。