しょぼいけど、胡蝶蘭です。去年もらったものを、花がなくなってから鉢に植え替えておいたものです。
観葉植物と考えればいいかなと思っていたところ、二輪だけ花がつきました。
近頃お気に入りの一句
千人が手を欄干や橋すゞみ 其角
町すぢは祭に似たり夕すゞみ 去来
梳(くしけず)る人もありけり門すゞみ 白雄
此(この)松にかへす風あり庭すゞみ 其角
江戸の「夕涼み」、浮世絵のような句です。
今年の関東はなかなか梅雨が明けず、「涼む」という感じではありませんが。
梅雨が明けたとしても、近年の夏の高温で、現代人にとっては「涼む」イコール「クーラー」になってしまいました。
裏がえる紫蘇一枚や雨の打つ 岡田一実
街行くや西日にパンを齧りつつ 坂西敦子
洒落た街並み、このパンは高級フランスパン?
コロッケでは?と言ったら怒られるか。駅前商店街になってしまう。
「西日」は晴れていれば、一年中差しますが、季語としては「夏」。
もう少しで「夕日」なんだが、まだまだ暑いし、眩しいという感じでしょうか。
参考の一句
白扇をひらけば星野立子の句 黒田杏子
白扇や高尾九段の揮毫受く 今日水
白扇に棋士筆ペンを走らせる
白扇を広げて押して揮毫かな
白扇をひらいて棋士の揮毫かな
筆ペンなので、揮毫という感じではありませんでしたが。
画像が小さくて見にくいと思いますが、「石を身と為す」「十段」「高尾紳路」と書いてあるのです。
囲碁タイトル戦に「十段戦」があり、高尾紳路九段が当時のタイトル保持者だったのです。
「石を身と為す」高尾九段は碁打ちなので、調べもせず、この石は碁石のことかと思っていました。
「囲碁(石)を身につけよ(為)」ぐらいかなと「勝手読み」をしていました。
「勝手読み」、囲碁で使う言葉です。「自分がこう打つ、すると、相手がこうくる、そこで自分がこう打つ、どうだ!」と自分に都合よく手を読むことです。
しかし、ちょい待ちモーメント、高尾九段は師匠の藤沢秀行の指示で書家の柳田泰山氏に書を習っていたはず。
うむ、改めて調べてみました。
「石を身と為す」
「中国春秋時代の斉国の宰相 晏嬰(あんえい)の言葉で、「志を堅固に持ち何事にも動揺しない」という意味。
晏嬰は、斉の国を建て直したといわれる名宰相で「晏子春秋」という書物にその教えが残されている。」とありました。
昔から、書家がよく書く言葉のようです。
最近テレビのワイドショーに登場する将棋連盟は千駄ヶ谷にありますが、日本棋院は市ヶ谷にあります。
例年8月初めに行われている日本棋院主催「少年少女囲碁大会」も今年はコロナ禍の中、取り止めになりました。
十二、三年前、縁あって、その「少年少女囲碁大会」の全国大会に東京代表五校中の一校として引率参加しました。
その時の昼休み、館内アナウンスで高尾紳路九段の来場が告げられて、たちまち行列。
サインをもらうためです。
白扇はプロのサイン用に棋院の売店で売っているのです。十二、三年前で1500円でした。