第三章に入ります。
この章には7日分を集録されています。(送り仮名などはそのままに書いています)
『都見物日記』(三)‥‥ ①
四・二五 今日より西京見物。今日も七時には目覚め 茶飲みなどいたし、味噌乃しゆる百合二切れ、皿は いかと漬物、平(ヒラ)が 百合と三ツ葉ゼリ、きのこ花子、巻玉子、漬物。
今日は天気よくして 西京乃博覧会 見に行き、中途 清願寺に行き 千手観音など拝見いたし候、五条の跡に博覧会あり、いろいろの織物 又は掛物 或は何に限らず珍らしき品々、見事なること限りなし。 アラヨアラヨ、ンダモー これはこれは、ウーンウーンの声、いわぬ筈なれど ツイ人の居らぬ所では声つづき也。。嗚呼嗚呼おかし。
おかあ様とかわりがわりの声つづきにて 相国寺、金閣寺、平野の社、北野の天神などにも参詣し、右 行掛(イキガケ)に西陣の織物を織る所に鳥渡(チョット)立寄り候処、上通りの帯地 織かたあり、外には途中にていろいろの獣物(ケダモノ)、ねこの三本足、いぬの六本足 其ほか品々、それから博覧会見ると腹へりて それ故鮓(スシ)三人にてたべ、又右の処 見申候
暮々に宿屋へ帰り付、直(スグ)と夜食たべ 風呂に入り程なくやすみ、今晩早々ゆるゆる也。
「西京の博覧会」って、織物とか、昔おぼろげに「見世物小屋」なんてものがあったような、、そんな感じなんでしょうか??
「アラヨアラヨ」「ンダモー」は鹿児島弁です。
驚いたり感心したり呆れたりした時に「アラヨ〜!」とか「ンダモシタ〜ン!」とか、割と年配の方が使います。
「アラヨ〜ォ!」は「あらまぁ!」とか「オヤまぁ‥‥」など、
「ンダモー」は「ンダモシタン」の短縮系?「おやおや‥‥」と言った感じにも使います。
鹿児島弁なので言わないつもりでも、人のいない所ではつい口にしてしまって大笑い、というわけですね(笑)