日光山参詣から帰った翌日の日記です。
『都見物日記』(六)‥‥ ③
五・一三 今日雨少しふる。六時おき茶のみ、轟殿は電信の事に付(ツイ)て八時ころよりいで 外にも用事ありたる事。御母様、私 留守にてお風呂入りに行き、それより十二時比(ゴロ)に昼飯には両人連れにてそば食べに行き、帰りがけ陶器少し御母様と買い 内へかえり、久々にて今日はゆるゆると有之候。ぜんぜんと雨強くせわしき事也。
御母様と談しするには、鹿児島へ帰りには船に何かコンダ(今度は)食べ物をちんと持ちて行きますがなあ、はりはりしそうな物が好(ヨ)う御座りましょうな、此節帰りには決して酔いはしませんとな、など両人にて談にて候
昼頃に轟殿かえり、今日は有川様へゆきて昼飯は松田料理屋にてたべたとの事。それより三人とも昼寝して五時迄ね、今皆々起きおる処に有川氏 此方(コッチ)へお出にて、今晩は夕めし御相手お願申上度との事にて、私迄も同道いたし 鰻にて飯、酒など御馳走の事にて候。八時頃には帰り 内にてゆるゆるとやすみ候。夕方より雨もやみ候。
有川様は、5月4日に初登場しています。銀行にお勤めの方のようで、
「西田の有川さんと申 銀行へ出る方」と書かれています。 → 「5月4日 京橋の涯 松田屋と申所へ」
おととい、昨日と日光山参詣で遠出をされたので、この日はゆっくりと過ごされたようですね