夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

ちょっと浮気して業務用カメラIkegami ITC-735A

2019-10-02 18:52:59 | Weblog
放送用カメラHL-79D,Eの方がなかなか進まないので同じ3管のITC-735Aの調子を見たらこちらは大丈夫だったのでひと通り動作確認をしました。
ITC-735Aはサチコン3管の業務用で主にブライダルで使われたカメラです。実は私が初めて手に入れたプロ用カメラは姉妹機のITC-735Pで、撮像管はプランビコンです。壊して捨てちゃいましたがもったいない事をしたものです。

当時の業務用カメラはいわゆる2ピースで、カメラとVTRをケーブルで結んで使うのが主流でした。
私の手元にITC-735AとVTRを繋ぐケーブルがあります。

カメラ側はIkegami独自の30pin、VTR側は一般的な14pinです。放送用のHL-79系はカメラ側が19pinです。

他にサンドレックオリジナルの30pin/Sケーブルも持っています。

このケーブルはもう一台所有している業務用カメラITC-870とminiDVのGV-D900を繋いで使っていた物です。その件は書き出すと長くなるので省略。

確認中にマイクコードが見当たらなくて先日79D用に作ったコードをリメイクしました。

79D(E)はカメラ側のマイクコネクタがオスですが735Aはメス。マイク側は通常オスなのでコードはメス/オスコネクタにしました。
79D(E)のメス/メスコードは昔作ったのが出てきました。ややこしいですね。

ITC-735Aにマイクとコードを装着。

コードは長かったので後で短くしました。大勢に影響は無いけどコードをループさせるのは良くないぞ。

カメラに電源を繋ぎ、30pin/Sケーブルも入れて


ワークステーションのボードに映像信号を入れます。S出力はしっかり出ていました。

前にいじった時はS出力が不調だった覚えがありますがあれはこれ以前に持っていて壊した735A(いったい今まで何台買った!)だったようです。あのカメラは温まらないと絵が寝惚けていたりうっかりスイッチOFFで太陽に向けて管が焼きついたりで手を焼きました。

まずカラーバー。


次にレジチャートを撮ってフランジバック調整。

レジずれがあったのでそこそこまで調整しました。このカメラはオートセンタリングという機能があってワンタッチで合わせることが出来るんですが経験上マニュアルで調整した方が決まります。

ついでにベクトルスコープも確認。田の字にぴったりとはいきませんがまあいいや。


毎度の狐面です。これは調整前。なんとなく黒が浮いている感じです。


ペデスタルを調整して黒を締めました。この写真では良くわかりませんが。


このカメラにはDTL(ディテール)切り替えスイッチがあります。NORMからHIに切り替えると、写真ではわかりませんがカラーモニターでは明らかに違います。

輪郭がはっきりしますがグラデーションの質感が損なわれるようで、好きではありません。
DTL強調は解像度が上がるわけではありません。アナログVTRは輪郭が甘くなるのを誤魔化す手段です。

VTRとの連動は全く問題なし。マイクの音も入るしVTRスタートでタリーも点きます。問題と言えばIRISのサーボが敏感過ぎてサチり気味な事ですが調整箇所がわかるまでこのままにしておきます。
それにしても放送用の79D(E)はプリズムのバルサムが劣化するのに業務用はまだしっかりしているのは何ででしょう。業務用はバルサムから紫外線硬化接着剤に変えたのでしょうか。
ひととおり確認した後で元々きれいなカメラに更に車用のワックスを掛けて磨きながら「そういえば8ミリの簡易テレシネはこのカメラを使ったっけ」
元気なうちに(カメラですよ)どんどん使わないともったいないですね。

コメント
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