猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

世間はクリスマスですが...

2005年12月24日 02時11分56秒 | 猫たち
皆様心華やぐクリスマスイブに、いきなり病気の話で恐縮ですが.....。
今ではこのblogですっかりおなじみとなりました17歳半の猫、ちびくんの体調不良のため、予定はすべてキャンセルとなった我が家です。
確か、このblogを始めたのがGWで、その時の書き出しもこんな感じだったと思いますが.....。

元々腎不全を患っているちびくん。
療法食で頑張っていたのですが.....
前日からの食欲不振。
足腰のふらつき。
ただならぬ様子に朝イチで階下の病院へ連れて行ったところ、血液検査。
BUN(尿素窒素)の値が限界まで上がっていることが判明し、即2泊3日の入院を言い渡されました。
静脈点滴を受けるため.....。

しかし私はここである心配に囚われ始めました。
なぜなら、病院のある建物に住んでいるからこそわかる、ある事情が引っかかったから。
普通、入院といえば安心かと思うけれど、実際入院患者(犬や猫)は、夜中の間、誰もいない真っ暗な院内におり、異常が何か起きても誰も気付けない状態。
先生の家は病院の階上にあり、病院内と住宅が繋がっているわけではないから、その間、もしちびくんが吐いたり、急変しても気付いてはもらえないわけです。
でも.....私なら、ちびくんの一挙一動を見ていられる。
もともと、彼のために仕事も休んでいるのだから、こんなときこそ余りある時間をちびくんのために使うべきなのではないか。

私は
「どうしても入院しなきゃいけませんか?」
「夜中に何らかの処置をするんですか?」
と、先生に尋ねました。
すると。
先生いわく、
「夜中は何もしないけれど、基本的に皆さんに入院してもらってるから」
「何度も連れてきたりするのは大変だろうから」
とのこと。
しかし私は食い下がり、
「一日中家にいますから」
「電話を頂ければすぐに来ます」
と言ったのです。

これが正しいことかどうかはわからない。
診ていただくのだから、すべて指示に従わないといけないのかもしれない。
しかし、血液検査の結果を家で待つように言われ、ちびくんを病院へ置いて行くときの、
「置いていかないで」
とこちらを見つめ、鳴いた声を思うと.....。
外へ出たこともなく、知らない猫と過ごしたことなどないちびくんが、一晩中続く他の犬や猫の鳴き声に怯え続けることを思うと.....。
せめて夜だけは、家へ連れ帰って、トイレも、水のみ茶碗も、自分のものを使わせてあげたい。
こころの安らぎを与えてあげたい。
このマンションが古くて、驚くほど狭いにも関わらず住む事を決めたのは、ひとえに階下が犬猫病院だから、という理由でなのだから。
ぶっちゃんの時のような間違いだけは.....二度と犯したくないから。

私は、ちびくんが点滴を受けている間にゴンザの店の大掃除を手伝いに出かけ、閉院1時間前に彼を迎えに行った。
無機質に並んだ檻の中。
エリザベスカラーを付けられたちびくんは、奥の奥へ身を隠すように縮こまっており、小刻みに震えている。
左手には、オレンジ色の包帯が巻かれ、翌日、翌々日も点滴を受けるためのカテーテルが通されているということだった。
「連れて帰って大丈夫ですか?」
訊ねると、先生の奥さんは、
「明日の10時にまた連れて来て下さい」
という。
入れられていた檻からちびくんを出そうとすると、檻の床には、垂れ流されたと思われるおしっこが.....。
私は連れて帰る決断が正しかったような気がして、彼をそっとキャリーバッグの前に連れて行った。
すると、付けているエリザベスカラーが引っかかって、キャリーバッグに頭が入らない。
「はずしてはいけませんか?」
奥さんに聞くと、はずしても構わないが、そうすると普通はカテーテルを自分ではずしてしまうので心配だという。
そこで私が
「この子、そういうことにはわりと構わないたちなんです」
というと、では、はずしてしまいそうになったら、またエリザベスカラーを付けてくださいと、ちびくんのカラーをほどくのを手伝ってくれた。

その時。
驚いたことに、人や他の猫を威嚇した事などないちびくんが、かすかに
「ウー」
と言った。
しかし、それもすぐやみ、病院へきたときは絶対に出ようとしなかったキャリーバッグに、自らそそくさと入ってゆく。
私は奥さんにお礼を述べ、自宅へとちびくんを連れ帰った。

さて。
帰宅したちびくん、点滴前と現在では目の輝きからして違い、家中をふらふら点検したのちに、水を飲み、トイレに行き、爪を研ぎ、いつもの場所に陣取った。
エリザベスカラーははずしたままだけれど、2-3度、そこを舐めようとしたことを静かにたしなめたところ、触ってはいけないのだとわかったらしく、その後ははずそうとすることもない。

あとは.....ゴンザと交代で睡眠をとることにして、明日、病院へ連れて行くまで目を離さないようにすることだ。

私のしていることは間違っているかもしれない。
病院の指示通り、普通はものごとを運ばなければいけないのかもしれない。
しかし、ゴンザに撫でられ、静かに寝息をたて始めたちびくんを見て、また、眠りの中でうなされているちびくんを見て、それが夜の間だけでも、連れて帰ってきて良かったと思った、私。

世間はクリスマスですが.....
我が家は家族で静かに過ごしています。

皆さん。
良いクリスマスを.....!


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ちび君、がんばれ! (t-cat)
2005-12-24 12:06:43
erima様



blogを読んでびっくりしています。

急に冷えてきたし、寒くなってきたから、

びっくりしてしまったのかな…。

とにかく、お大事に。

平癒の近いことをお祈り申し上げます。
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がんばって! (yuimin)
2005-12-24 12:59:52
ちびくん、きっと大好きなerimaさんのそばで眠れてとても安心してることでしょうね。

ちびくんの体調が回復しますように祈っています。
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ちびくんがんばって (shiki)
2005-12-24 17:56:54
こんにちは。

ペットと別れた経験のない私でも、ねこの不調には気をもむもの。

つらい別れをご経験のerimaさんならなおさらその思いは大きいですよね。

でも、私も同じことをしたと思います。

医療的な知識があろうとなかろうと、異変にきづかなければ

なにもしてあげられないのですもの。

私も今日は静かにちびくんの回復をお祈りします。
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おうちが一番ですよね (miauleuse)
2005-12-24 21:15:32
erimaさま

ちびくんの様子はいかがですか?



うちのエルメスは、普段はめったに人間の膝に乗ったりもしないし、夜寝るときも絶対に一緒の布団の中にははいりません。

でも獣医さんへ行き、診察台に乗せるとすぐにわたしの肩や背中に飛び乗ってきて離れません。



それだけ猫にとってはオソロシイところなのかなぁと思います。



ちびくんのお年や体調のことを考えれば、入院させなくて大正解だと思います。



エリザベスカラーをされて、金属の檻の隅っこでふるえているちびくんを想像しただけで涙出てきます。

おしっこでぬれた床に一晩置いておくなどできませんよね。



ちびくんの回復を心からお祈りしています。







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わかりますよ。。。。 (アンジェラ)
2005-12-25 00:57:26
良く、、解ります、、、なぜなら、、、我が家も、、5年まえ、に癌のワンコを、家で見ていましたもの、、、、

介護は、、、犬も、、猫、、も、人間も、、大変です。。。。



私、、寝たきりのおばあちゃんと、中学校2年生まで、10年間、、一緒に、同じ部屋で、、寝起きしてましたので、、、、



介護の、、大変な事は、、、現実を、、知ってると、、なかなかいえないし、、私は、、、自分から、見てあげるともいえません。。。しかし、、、その場になると、、、みんな、、、見なければ、、、いけなくなるのでは、、ないですかね、、、、、



今も、癌の犬を、見てますけど、、、調子の悪い時には、げり、と、出血と、嘔吐です。。。その匂いで、、、夜中に、、起きますよ、、、、



それは、、、見ているものでは、、、なかなか解らないかも、、、、、、
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erimaさんは、正しい。 (ばく)
2005-12-25 01:31:20
チビちゃんにも、erimaさんにも、絶対正しいと思うのです。飼い主や親以上に、親身になって見てあげられる人は他には絶対いません。

ひらにひらに、回復を祈ります。がんばれ、ちびちゃん。

そして、erima家にとっても、暖かいクリスマスを、と願っております。
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ありがとうございます (erima)
2005-12-25 03:49:35
t-cat様



ありがとうございます。

ちびくん、痛い点滴も我慢して、頑張ってます。

腕の包帯(カテーテル)も、

「触っちゃダメ」という私の言いつけを守り、

一切と言っていいほど触りません。

腎不全は、決して善くならない病気とはいえ、

少しでも進行を遅らせるよう、色々考えてはきました。

が、果たして何が一番彼の幸せに繋がるのか、

今もわからないままです。

心の平安と、身体的負担とのバランスを考えていくのは

大変難しいですが...

毎日の中でなんとか、良い道を見つけていけたらと考えています。



しいちゃん、t-cat様、良いクリスマスを!
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ありがとうございます (erima)
2005-12-25 04:01:23
yuimin様



t-cat様へのお返事にも書きましたが、ちびくんはいい子で頑張ってくれています。あんまりいい子で、「具合が悪いのに、そんな我慢しないでいいんだよ」と、切なくなりますが、本人の頑張りに応えてあげられるよう、ゴンザと共に、毎日を大切にしていけたらと思っています。

皆様に祈って頂けて、ちびくんも、私も幸せ者だと、本当に感謝しています。

ダヤンちゃん、yuimin様とご主人様。素敵なクリスマスをお過ごし下さい!
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ありがとうございます (erima)
2005-12-25 04:15:22
shiki様



毎日の何気ないひとコマがどれだけ大切なことか。日頃からそれが大切なものだとはわかっていても、こんなときはやはり、あらためてその幸せが何ものにも代え難いものであると、身にしみて思うものです。

猫達は話すことが出来ないから、どこが痛いのか、不快なのか、聞いてあげることも出来ず...せめて見守ることくらいしか出来ない。それでも、住み慣れた部屋で心安らかに過ごす事は、人と同じく、猫にも幸せであるはず。医学的なことだけではわからない不思議な力だって、確かに存在するのですものね。

ちびくん、皆様が祈って下さるおかげで、頑張っています。本当に有難いです。

はっちゃん、たまちゃん、shiki様、ご主人様。良いクリスマスをお過ごし下さい!
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本当に...おうちが一番です! (erima)
2005-12-25 04:27:07
miauleuse様



ありがとうございます。おかげ様で少し点滴が効いたようで、食欲も徐々に出つつあります。ただ、やはり元気にムラがあるのが、本人も辛いところだと思います。しかし家はやはり落ち着くようで、病院から帰ってすぐとはいかないまでも、数時間もすると、いつもと変わらぬ寝顔を見せてくれ...それを見て私の心もどれだけ安らぐことか。老いや病気と向き合ってゆくには、当人も、見守る者も、とてつもないパワーを必要としますが、何気ない表情やひとコマが、それに立ち向かう力をくれる。本当に彼らにとって病院とは、それほどまでに恐ろしい、孤独な場所なのですよね。

親身になって考えて下さって、本当にありがとうございます。今は、やはり夜の間だけでも連れ帰って良かったと、心の底から...思っています。

どうか、どうか。エルメスちゃん、パスカルちゃん、miauleuse様も、良いクリスマスをお過ごし下さい。二匹のニャンコちゃんにサンタさんが素敵なプレゼントをくれますように。
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