猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

マイタケと男のプライド

2008年07月14日 20時17分16秒 | ゴンザも隣人!?

日曜日の夕方。
ゴンザと買い物をしている時だった。

一パック60円の『お買い得マイタケ』を見つけたのは。

 

じゃがいも『アンデスレッド』、ためしに掘ってみました。
元が田んぼで土が固いこの畑は、お芋にはあまり向いてないみたいだけど、
おっ、なかなかしっかり実ってくれている~♪

 

休日の閉店時間前とあって、目玉商品が多かったこの日。

私はすでにカゴの中に、特売のシシトウを入れていたので、
「ああ、そうだ。畑で採れたナスやいんげんと合わせて
天ぷらにでもしたらいいのじゃないか」と思い、
ゴンザにその案を告げると共に、
「マイタケも買って行こうか?」と、そう尋ねたのだった。

 

畑のあとはアイスクリームデート。
コールドストーンクリーマリーで、手前が『ジャーマンチョコレートケーキ』
向こう側が『ファウンダーズフェイバリット』。
う~ん、すんげー甘いけど美味しい!

 

.....と。
私の揚げた天ぷらが大好きなゴンザはその案に大いに喜び、
さっそく目の前にあるマイタケのパックをカゴに放り込む.....。

「一パックにする?それとも二つ買っちゃう?」と尋ねる私の声など、
聞こえないかのように、三つも。

 

そういえば、先日チャリで周った『港北七福神』ですが、
こちらも非常に楽しゅうございました♪
近々、報告レポートを書きますね!

 

「ちょ、ちょっと!三つも要らないんじゃない!?」

ただでさえ我が家の天ぷらは、普段から二人前にしては多すぎるのに、
そこにマイタケが三パックでは、大変なことになってしまう。

.....が。
ふと見ると、ゴンザが泣きそうになりながら、
子犬のような目でこう訴え始めたのだ。

私は抵抗を諦める。

 

その七福神めぐりでお昼に食べたのは.....
ゴンザがわくわくしながら待っているものとは!?

 

「だって、だって....マイタケの天ぷらは美味しいからすぐなくなっちゃうんだよ!?
 二パックじゃ、すぐになくなっちゃうんだよ!?」

毎度お馴染み、3歳児のように、ジタバタして訴える男。

その姿を見て私はなぜか、「人は変われば変わるもんだなぁ」と、
そう、遠い昔に思いを馳せた。

 

じゅーじゅー音を立てる鉄板の真似をフリつきで一生懸命して、
料理を持ってきてくれたおねいさんに笑われた男。
よかったねぇ、大好きな『きれいなおねいさん』に笑ってもらえて(笑)

 

思えば.....。

二人が一緒に暮らし始めた頃。

ゴンザは自意識過剰の権化みたいな男で、
変な『男の沽券』みたいなものにこだわっていて、
つまらないことにすぐ腹をたてていた。

あれはもう何年前のことだろう?

二人でスーパーに行って、こう言った私に、
モロに嫌な顔をしながらゴンザがこう返してきたことを、
今もはっきりと覚えている。

「今日はゴンザがいるから重いものもたくさん買えるね♪」

「.....俺は荷物持ちかよ?」

 

一度入ってみたかったファミレス系のハンバーグ屋さん『ビッグボーイ』。
体験出来て嬉しかった(笑)

 

当時の彼は、『何でも楽しむ』ということを知らなかった。

「お散歩に行こうか?」と言えば「暑いからいいや」と言い、
『遊ぶ』といえば『お酒を飲みに行くこと』だと、そう考え、
お金がなければ楽しいことなど何も出来ないと.....
そう考えているような人だった。

ゆえに、二人で迎えた最初のGWなどは、
引っ越し直後で予算もないゆえに家で寝てばかり。

あまりのつまらなさに、私は「つまらない!」と泣き出したほどだった。

が......。
今ではこの変わりよう。

始めは無理やり彼を引っ張り出していたほうの私が、
今では引っ張り出されるほどのアクティブさだ(笑)

 

ちなみに七福神めぐりでは、各お寺・神社等で、こんな
七福神様の『お姿』(ミニチュア・400円)を分けて頂けます。

あの日。
あのGWの真っ只中。

窓の外に広がる素晴らしい青空を、うらめしく見つめ泣く私にゴンザは言った。

「ずっと夜働いてきたから、いつも昼間は寝てて.....
 だから昼間遊ぶってどうしたらいいかわからないんだ。
 教えてくれれば出来ると思うんだけど」

 

あっ、そういえば七福神めぐりの帰りには、鶴見川の『中洲もどき』で、
こんな可愛い方々を見つけましたよ~♪
でもね、真ん中の方だけなぜか顔が酷く汚れちゃってるの。
何があったのかなぁ。

 

そう、だったのか.....。

それからは、釣り、路地探検、流れ星観察、商店街巡り......

いろんなとこへ行った。

荷物持ちは『男のプライド』が許さなかった男は誰より買い物を楽しみ、
買い込んだ重い野菜やら何やらを車に積み込むために、
進んで何度でも一人で往復してくれる人になった。

 

方向音痴の私には任せられないと、
一生懸命地図をチェック中(笑)

 

また、「ディズニーランドなんて面白いと思ったことがない」と言った男が、
はしゃぎすぎてパスを落とすほどにディズニーを楽しみ、
「花火なんてまともに見たことがない」と言った男が間近にそれを見て、
感動のあまり目を潤ませるようになった。

その上、ガイドブックを買ってはマル秘鑑賞スポットを探したり、
場面によっては協賛席チケットをとったりするようにまで。

と、同時に酒はほとんど飲まなくなり、タバコもやめ.....。

体重だけは増え続けたけど(笑)
増える体重と引き換えに、彼は無駄な自意識を身からどんどんそぎ落とし、
初めの頃は頻繁だった声を荒げることも、不機嫌さをモロに出すことも、
一切なくなった。

だから......。

 

お寺の境内で見た、蝶々のプロポーズ。
この後、このお二人さんはめでたくカップル成立となりました。
その後見かけたカラスアゲハ君はふられてたけど(笑)
ちなみにゴンザ、以前は虫もキライでした。
今では「かわいいねぇ♪」と言うようになったけど。

 

たかがマイタケ一パックのことで泣きそうになるゴンザのことを、
プライドどうこうと言う人もあるかもしれないけれど、
私はそうは思わない。

第一、つまらない『男の沽券』など、
女から見れば意味のないものがほとんどなのだから。

 

マイタケ一パックで泣きそうになるゴンザではあっても、
本当の意味では、以前とは比べようもないほど「男」だ。

『自己愛』と『プライド』とはまったく違うもの。

どこにでも人生の楽しみを見つけようとする彼は眩しい。



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12 コメント

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あんまり (nyaopoo)
2008-07-14 21:23:36
あんまりうまく言えませんが
きっとerimaさんでゴンザさんだから
きっと他の誰との組み合わせでもなく
お二人だから惹かれあって響きあって
今の形になったのだと思います。

えーと色々思うのですが書くの下手なので…
何が言いたいかと言いますと
すばらしきお二人に乾杯
これからも邁進し続けてください。
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本質は (虫主婦)
2008-07-14 21:47:19
ゴンザさんが
「ずっと夜働いてきたから、いつも昼間は寝てて.....
 だから昼間遊ぶってどうしたらいいかわからないんだ。
 教えてくれれば出来ると思うんだけど」
と言ったこと。

このとき既にゴンザさんの中で忘れかけていたものが目覚め始めていたのでしょうね。
erimaさんとの出会いで、子供の頃に体験してきたいろいろな、キラキラしていたものが彼の中でも息づき始めていたのではないでしょうか。
でなければ「男の沽券」などと感じていた人がそんなに素直な表現はできなかったでしょう。
何はともあれ、虫嫌いが治ったことがうれしいなっ♪
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ああ~ (ツマ)
2008-07-14 21:57:55
ああ~、やっぱり格好良い。
そういう昔があったのなら、なおさら格好良い。
ご一緒したのは短い時間ではありましたが、
赤坂で「ゴンザさんって紳士だ~」って思ったのは
やっぱり当たってた。
楽しむことが上手で、温かな気配りがあって、
揺るぎなく信頼して頼りたくなるかたでした。
そこにいたるまでこんなことがあったんですねぇ。
いいお話を伺いました。
うちも頑張ります。
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男の沽券 (いなひこ)
2008-07-15 01:43:46
ゴンザさん erimaさんに出会えて初めて、素のままの自分でいられれる心地よさを発見したんでしょうね。いままで、きっといろんな鎧をその都度着て身構えながら人や物と闘ってきたんだろうね。ゴンザさんの元々あるユーモアや優しさがようやく思いっきり出せてるんだね。一緒にいて楽しい お二人はいつもそうですものね。 いい夫婦だなって思います。

私の周りでは、奥さんに「男の沽券」をずぅ~~と振りましていて、熟年離婚になりそうな哀れなおじさん達がけっこういますよ。もっと本音でいけば楽なのにねぇ~。うちの旦那さん そりゃ~もう「男の沽券」なんて、私に払いのけられています。ハイ

>『ビッグボーイ』体験出来て嬉しかった。
このコメント 笑えました。うぅ~ん 優しいお言葉です。
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ちょっと… (まっちゃん★)
2008-07-16 00:29:27
いや、ちょっとだけ涙出た(焦ってないよ)\(゜□゜)/

今まで「erimaさんはゴンザさんと出会って良かったな~」って思ってたけど(いや、それは今もそうなんやけど)ゴンザさんがいろいろ背負った物を下ろせて良かったなって。

男も女も背負ってる何かを素直に下ろせる相手に出会えないと疲れるだけで楽しくないもん。

だから私も体重増加したんやろうか?(汗)
ちょっと鎧担ぎ直した方が良いかも…

ビッグボーイのコメントが「体験できて嬉しかった」だけって言うのが…
おもしろい~(*^-^)b
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一期一会 (ふみ)
2008-07-16 05:01:12
ゴンザさんにそんな過去があったなんて意外でした。
やはり、出会った人、付き合う人によって人は変わるものなのだなぁと思いました。

ゴンザさんは、erimaさんと出会ったことで、“人生の楽しみ方”に気づいたんでしょうね。

夜の世界のことはボクはわかりませんが、その中で生き抜くために身につけていた鎧が、知らず知らずのうちに自分の動きまでとれなくしていたのかなぁとも思います。

いずれにせよ、ゴンザさんにとってerimaさんとの出会いは、人生のパートナーになったということ以上に大きな影響を与えてくれた人なのかもしれません。(むしろ、だからこそなるべくして一緒になった、と考えるべきかも知れませんね)

今、お二人がしっかりと同じ方向を向いて人生を歩んでいるのがよくわかります。

蛇足ながら、ボク自身もerimaさんのブログを拝見するようになってからずいぶんと視野が広がり、いい刺激をもらっております。
ありがとうございます。
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譲歩。 (erima)
2008-07-16 23:49:41
nyaopoo様

いつも思うんですが、ゴンザがもし、大幅に譲歩してくれたのでなければ、今の二人はなかったなぁと。
私はヒジョーにわがままなので...
そのあまりのすごさに彼が引いたのかもしれませんが(笑)

今も思うのは、「ただ付き合っていただけだったら、半年も持たなかっただろうな」ってことで、勢いとはいえ(爆)
一緒に暮らしたことで、いい方向へ転がったようです。
「ただの恋人」に向いてる相手と「一緒に暮らすパートナー」に向いてる相手は少し違うのかも...

今の形。
「結果オーライ」を絵に描いたようだなってたまに思います(笑)
でも、nyaopoo様に乾杯していただけて嬉しいです♪
ありがとう。
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特にミツバチが♪ (erima)
2008-07-17 00:02:26
虫主婦様

>素直な表現

まさに、ゴンザのいいところは素直なところだと思うんです。
まあ、最初は全然素直じゃなくって、何か言われればムキになって反論してきてたんですけど(笑)

今思えば、三歳児化するのと同時に素直になっていったような気もするので、子供の頃の記憶とその素直さは綿密に結びついているのかもしれないですね。
本当の意味で自分に自信が出てきたのもあるかもしれませんし...。
(ほら、自信がない人って、なんにでもムキになるし激昂しやすいでしょ)

何より、ちびくんやちゃあこと出逢って共に暮らしたこと。
それが彼に多くのものを与えたようです。
植物や虫という、小さな命に対する思いも。

今では特にミツバチがお気に入りの三歳児です♪
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ほらほらダメ(笑) (erima)
2008-07-17 00:26:54
ツマ様

あらあら、また「格好良い」なんて言っていただいちゃうと調子に乗っちゃうからダメですよ(笑)
確かに、私も『彼は紳士』であると思うことが多々ありますが(のろけ?笑)
普段は私に「いけませんっ!」って叱られるようなことも多い男です(爆)

でもね、本当にここまでくるには色々ありました。
最初の方のケンカなんて、ここには書けないほど激しかった。
私のキーホルダーが壊れちゃったりね(笑)
二人とも体も心も丸くなったなぁ...。
夫婦って面白いですよねぇ。

楽しむことが上手なのは、ツマ様・オット様のblogを拝見していても思います。
素敵だなぁ、素晴らしいなぁって。
いつも「見習いたいな」って思ってます。
互いに色々情報交換して、これからももっともっと楽しみましょう♪
(ときには一緒に♪)
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沽券=コンプレックス? (erima)
2008-07-17 00:44:13
いなひこ様

いつも思うんですが、男の沽券を振り回したり、つまらないことにこだわる人って、自信がないんですよね、きっと。
だから、少しでも誰かに何か言われるとムキになって大騒ぎする。
本当に、本音でいけばもっとゆったり構えられるのになぁって思います。
自分を大きく見せようとしている人ほど小さく見えるということ、『沽券』を振り回す本人は気づかないんでしょうね。

>沽券を払いのける
いい言い方ですね(笑)

出会った頃のゴンザはまさに、身構えていて、自意識過剰で、「馬鹿騒ぎ」は知ってても、「本当に楽しいこと」など何もないかのようでした。
でも、それが、私と一緒に暮らすことというよりは、ちびくんやちゃあこと暮らすことによって変わってきて...
小さな体の猫たちが、彼にものすごく多くのものを教えたようです。

私とゴンザとちびくんとちゃあこがいて、それで今のスタイルがある。
そして、ここでこうして交流させていただく皆様がいて、今の私たちがあるのだと思います。
本当に。

いなひこ様、いつもありがとうございます。
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