11月25日、病院の窓からは真っ青に晴れた空に美しい白い帽子をかぶった富士山が見えました。
昨日24日に入院した夫が、朝一で手術を受けました。
病名は前立腺ガンです。
永い間、尿をする時の違和感に苛まれ、歳を重ねた男性にありがちな症状でした。
それを解消するために手術をしようとして、精検で初期のガンが見つかりました。
本人もドクターもビックリです。
2ヵ月前から手術の準備が始まり、今日、やっと手術を受けました。
コロナの感染が落ち着いたとはいえ、病院はまだまだ厳戒態勢です。
入院のために家族が揃って付き添おうとしたら、「二人まで」と制限されて、
昨日の入院には私の他に娘が駆けつけてくれ、ナースセンターまでしか行けず、
あとは看護師さんにお任せで帰りました。
今日は会社を休んでくれた息子が朝早くから来てくれて、談話室で待機していると、
手術に向かう夫と看護師さん、私たちと4人でエレベーターに乗りました。
息子が「パパ、頑張って!」と大きな声で言うと、夫は笑いながら手を振って手術室へ入りました。
息子が「パパ」と呼んだのは小学校以来で、私は驚きました。
3時間の手術の間、本を読みながら待ちましたが、割合早く手術は終わり、
執刀医師の説明を受け、切除したものを見せてもらいました。
手術前の説明で「直腸に転移しているかもしれない」とか、いろいろ怖いことを言われましたが、
切ってみれば、そんな心配はなく、「手術は成功しました。安心してください。快方に向かって観察していきます」
という頼もしいドクターの説明で、ほっと一安心しているところです。
手術室から出てきた夫は酸素吸入されながら無意識に起き上がろうとする動作で慌てましたが、
手を握ってやっても判っていない感じでした。
とにかく私たちは病室には入れませんので、すべて看護師さんにお任せです。
今はITでの手術が多く今回は『ダヴィンチ』というロボットが使われました。
最初に「ロボットを使う」と聞いたときは「えっ?」と驚きましたが、大きく切開することもなく
6つの穴を開け腹腔鏡での手術をするので、回復も早く、今はこれが主流だとも聞きました。
この病気は手術をして傷が治っても、元の体に戻るのに時間がかかります。
実はこれからが本人も私にも試練があるのですが、焦らず、時間をかけていくつもりです。
これ以外に、私自身にも人間ドックで、精検を受けなければならない2つの事項があり、
これはこれで私には気が滅入ることです。
これからは夫婦二人で支え合って生きていくしかないのだなと覚悟を決めています。
KUUの情報
最近のKUUはまるで犬になったかのような振る舞いです。
猫というのは黙って座ってじっと人間を観察しているような存在かと思ったら、
KUUは一緒になんでもしたがります。
特に朝の食事は私がお皿をテーブルに出していくと楽しみにテーブルの椅子に座って待ちます。
4客ある椅子の夫と私の場所は決まっていて、それ以外の椅子に「座ろう」と決めたのか、
その椅子にきちんと座り両手はテーブルに置いて待っているのです。
「あらどうしたの?そこへ座るの?」というと「ニャァ~」とお返事。
次々と並ぶ食べ物をジッと見つめています。
とは言っても何でも食べられるわけではなく、お目当てはパンなのです。
我が家は”こだわり酵母のパン”というパンを食べているのですが、
ちょこっと千切ってお皿にのせてやると、おいしそうに食べます。
食べ終わったら挨拶もなく「もう用はないワ」と椅子を降ります。
本当はパンは塩分があるので、あまり食べさせたくはないのですが・・・
そして、3人揃っていると安心しているようです。
ですから、今のように、夫が入院していると、寂しそうです。
昨夜は体を丸めてフローリングでうずくまり、撫でてやると鼻で鳴きます。
それでも、一緒に布団はいることはしません。布団をかぶるのが大嫌いなのです。
夜中に私の足元に乗って来て、朝まで私の体温で眠ったようです。
これは毎日の夫との行動なのですが、「ま、おかあちゃまでもいいか」と思ってくれたのかもしれません。
さぁ、今夜も”二人きりの夜”になります。
「なんか寂しいニャァ」