4月9日 夕刻、ヴェネツィアに到着です。
イタリア旅行の最終です。
行く前に旅行社に気候を聞いたら「日本と同じです。この時期 まだ寒いですよ」
ということだったのに、毎日真夏の気温で暑いことったら・・・
ローマでは朝晩寒くて出勤の方々もダウンを着ているのに、日中は27℃にもなるんです。
冬支度の私は、毎日汗をかきどおしでした。
バスでヴェネツィア本島まで行き、そこから水上バスで大運河を走り運河に面したホテルに入りました。
水上バスからヴェネツィア本島を眺めます
大運河(カナル・グランデ) 期待は膨らみます
もうすぐよ。近くなる。。。
到着後、すぐに夕食へ。
前菜がイカスミパスタ、メインディッシュは舌平目のムニエル、赤のスパークリングワイン
赤のスパークリングワインは一人でボトル1本空けちゃいました。うっふふふ
4月10日 真っ青な空でした。気温も27℃
ホテルにやってきたガイドさんは日本人のロマンスグレーのおじさま。
この方の説明はとてもクールで楽しかったです。
まず、ホテルの近くにある『牢獄』に面した『ため息橋』で、色々なガイド本には
牢獄から囚人が橋を眺め、2度とシャバに出られない身の上に「ため息をついて眺めた橋」と
ありますが、このガイド氏は「まったく違います」と言いました。
この『牢獄』自体、年末に寒さに困り食料を得られない人間が、なんとかして屋根のある場所で
過ごしたいと思って ”こそ泥” をしてでも入りたい『牢獄』だったとか。
そんな人たちが、「ため息をつくはずがない」 そうです。
じゃ、なぜ『ため息橋』というか、それは「名所づくりでしょう」といとも簡単におっしゃいました。
そこから進んでサン・マルコ小広場へ
大運河に面している広場ですが、外からはこの2本の柱の間を通って本島を訪れたと言います。
1本は聖テオドスの像、もう1本は翼のある獅子の像が乗っています。
右手に見える建物は国立マルチャーナ図書館です。
なぜ、こんな写真の撮り方をしたかというと、この図書館には日本からの使者のことが記された
記録書があるということで、その説明に感銘を受けたからです。
日本からの使者は二人の若者で、船で着いた後、この2本の柱を通り抜け、
実に3カ月ヴェネツィアに滞在したとのこと。
記録によれば「この若者は色が青白くひ弱な感じだが、礼儀正しく真面目であった。
他国の誰よりも熱心に宗教を学んで帰って行った」と書かれているそうで、
現在も閲覧できるそうです。
サン・マルコ寺院
守護聖人マルコを祀っている寺院です。
この寺院が見守るように広場があります。
サン・マルコ広場
グルっと囲むように建物があり、これらはかって娼婦の館や賭博場があったそうです。
ヴェネツィアで有名な仮面ですが、今では仮面劇で使われてきたように言われますが、
実は、この娼婦の館や賭博場に出入りする高貴な身分の方々が顔を隠すために作られたものとか。
退廃的な広場だったようです。
この写真の右は黄色の壁なんですが、作曲家のワーグナーが入り浸っていたカフェやバルがあったそうです。
あの勇壮な曲を作っておきながら、きっと娼婦の館や賭博場にも出入りしていたんだなと思うと
「あんちくしょうめ!」と思いました。
水たまり
この広場に入ったとき、あちこちに水たまりがありました。
これは早朝 海からの水が溢れだしたものだそうです。
海面より低いこの地は、海水が溢れても被害が少ないように、うまく溢れるように工夫がなされているとか。
それが下の写真です。
この穴から海水が吹きあがるのです。
私たちが広場に来る頃には、↑の写真のように、かすかに水が残っている程度になるそうです。
ここでガイド氏とお別れですが、ここで「時計塔が傾いていますか?」と質問した人がいて、
それに対する答えが絶妙でした。
「いえ、曲がっていません。曲がっているのはイタリア人の心です」
大笑いしました。
このガイド氏はどこかクールで冷めた目で全体を眺めている感じで、私はこんな人が大好きです!
『ため息橋』の話、日本からの使者の若者の話、サン・マルコ広場の話、仮面の話 等々
ガイド本にない話をしてくれて、本当に楽しかったです。
お別れするときも「スリにくれぐれも注意してください」とおっしゃって爽やかに去って行かれました。
その後、ヴェネツィアン・ガラスの工房へ行き、マエストロが馬を作る工程を見せてもらいました。
ふくらましてます
馬完成!
ここで、お約束事です。ヴェネツィアン・ガラス製品のお買い物です。
私たちは、夫の友人夫妻にペアのワイングラスを、私と孫娘にネックレスを買いました。
工房を出たところに、幸運にも(?)仮面のお店があり、私はここで仮面を買いました。
仮面好きの私は、絶対買うもののひとつに、この仮面がありました。
いいえ、これを被って、いかがわしいところに行こうというのではありませんよ。誓って
学生時代から仮面劇に魅入られていて、仮面が好きなだけですよォ。
次はサン・マルコ寺院の前にある時計塔に上ってヴェネツィアの街を眺望しました。
高さ約100mの鐘楼は、嬉しいことにエレベーターがあり、あっという間にてっぺんに到着。
ここから眺めたヴェネツィアの街です。鐘楼をグルリと回って写真を撮りました。
絶景でした。 高いところから下を眺めるのが好きです。
さぁ 急いでゴンドラに乗らなければなりません。予約の時間が迫っています。
細い運河を縫うように行くゴンドラ
私が乗ったゴンドラです
ゴンドラは6人乗りですが、私たちは4人ずつ2組の夫婦で乗りました。
今は 船頭さんは歌を歌わないと聞きましたので、事前に添乗員さんに
「サンタルチア歌ってもいいですか?」と聞いたら「ぜひに!」と言われました。
同乗のご夫婦も「お金出しますから」と笑いながらおっしゃるし、
イタリア語でフルコース歌える私は「歌っちゃお」と思ったんですが、
船頭さんが怖い顔しているので止めました。もうぉ~~
そういえば、南イタリアのカプリ島へ行ったとき、青の洞窟であの真っ青な洞窟の中で
船頭さんは ”サンタルチア” を歌ってくれましたよ。
ゴンドラで歌えなかった恨みじゃありませんが、ゴンドラに乗っている間中、運河は臭くて
夏に行ったら もっと臭いんじゃないかと思いました。
ガイド氏から「運河には下水が逆流して入っているので、決して手を入れてはいけません」と
言われていました。汚いんでしょうね。
この夜は、イタリア旅行最後の夜、みんなでホテル近くのレストランでお食事をしながら
楽しかった旅の話をしました。
美しいヴェネツィアの夜 遠くに三日月が・・・
イタリア旅行
○ 朝夕と日中の気温差が激しい
○ 朝食はすべてホテルのバイキングでしたが、どのホテルも とってもおいしかった
野菜が新鮮で、フルーツもおいしかった。私は毎朝、りんご丸かじりをしました。
○ イカスミパスタ、イカのリゾット、ラザニア、具だくさんのスープ、すべて絶品でした。
※ さて、買い物したものです
これはお土産です。数個買ったものがありますが、代表して1品だけ置きました。
トスカーナワイン・キャンティ、バルサミコ酢、ドライトマト、ポルチーニ茸、
粉末スープ、チョコレート、バジル練り込みパスタ、イタリアン・パスタ
左側 青は夫のTシャツ、赤は私のTシャツ(ともにミラノ空港で買いました)
右側 イタリア・セリアA フロレンティーナの公式シャツ 白は婿に 青は息子に
これは私のものです。
左はミラノ空港で買ったセリエA・ACミランのキーホルダー、中はヴェネツィアの仮面
右はヴェネチア・ガラスのネックレス
他にお土産なので開封してませんが、嫁にプラダの財布、娘に皮工房手づくりの財布
孫娘に私と色違いの真っ赤なヴェネチアン・ガラスのネックレス
まぁ、こんな買い物をして北イタリアの旅は終わりました。
『連泊・ゆとりの旅』といっても、12時間の飛行機旅は疲れました。
4月11日 ミラノ空港から飛び立ち、翌12日 成田へと帰りました。
いつも、海外旅行へ行って帰国後に思うことですが、
「えっ?さっきまでミラにいたのに、なんで東京で干物食べてるの?」
南イタリアへ行った時も「えっ?さっきローマ空港でモッツァレラチーズ買っていたのに
なんで東京にいるの?」と思いました。
時間というものが 信じられなくなる、この感覚です。
以上、8日間のイタリア旅行記は終了です。