晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

望みは何と訊かれたら・・2

2007年12月17日 | 
やっとこさ、読了しました。
3分の2近くまで一気に読んでから、時間がなく中断してました。

500ページの長編は、中年女性が「ワクワク感」を期待する、お得意の恋愛小説ではありませんでした。

1960年後半から70年代にかけて日本だけでなく世界中の若者が革命の幻影を夢見た、といいます。
朝鮮戦争、ベトナム戦争、安保闘争、連合赤軍、浅間山荘事件、安田講堂陥落、デモ、シュプレヒコール、アジ演説、ビラ配り・・・

当時、私はまだ幼かったので、うっすらとしか記憶にありません。
自分が学生になったときはとても平和?な学園生活で、ときおり、その名残りを目にしたのは(形ばかりですが)覚えています。
しかし、問題意識も乏しく、今から思えばそのころから平和ボケ化した若者でしかなかったんだと思う。

パリの美術館で、偶然バッタリと34年ぶりに「秋津吾郎」と再会する。
物語はそこから30数年前にタイムスリップして、主人公「沙織」の波乱にみちた壮絶な過去が語られていく・・

ごく普通の女子学生が、錯乱か狂気のような学生紛争にのめり込んでいく様は、まるで、著者が体験したかのようなリアルさです。P村アジトでの、爆弾製作、訓練、そして総括のリンチ、殺人・・
スリリングで、恐怖をかんじました。

そして、アジトからの逃走。
半死半生のような沙織を、ノラ猫のように拾って、かくまってくれたのが、「秋津吾郎」でした。
その後の吾郎との秘密の生活は、異常そのもので、理解しがたかった。
しかし、
ラストシーンに、その答えがちゃんと用意されていたような気がします。

人間の生の根源や、愛の形とか、男女の関りとか、深く求めると原始時代に戻るってことなのかもしれない・・

本を閉じてから、私は、はたと考えました。

愛しい人の胸に抱かれて、
「望みは何?」
と訊かれたら・・ちゃんと答えられるかな・・って。

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3 コメント

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望みは何? (airplane)
2007-12-21 11:05:01
なかなか難しい本だったようですね。

学生運動・・・行動自体過激であったり、いろいろ理解できないところもありますが、何かを考え、行動に移すということが最近の学生はほとんどなく、なにか寂しい気もしますね。

だから権力者の言いなり、ものを言わない国民になってしましました。

これからの日本はどうなるのでしょう・・・・?

されはさておき、愛しい人の胸に抱かれて、「望みは何?」と訊かれたら・・・・

思うままに、自分に正直に告白しては如何?
愛しい人はそれを望んでいるのかも?
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もうすぐ新年おめでとう (摂津の山ちゃん)
2007-12-31 23:44:11
2007年もあと20分です。澤田ふじ子の「天空の橋」を読んでいます。京焼のブランドとして覇権争いを繰り広げる「粟田焼」と「五条坂・清水焼」。江戸・文政年間の京都を舞台に、優れた京焼を作ろうと励む人間たちの姿を書いていますが、私は、江戸時代でも、現代でも「人の心」というものには変わらないものがあるように感じました。(紅白歌合戦は白組が勝ちました。)2008年は「優しさ」を目標にしてゆとりのある1年にし、素敵に年齢を重ねていきたいと考えています。時々コメントに書き込みますけど2008年もよろしくお願いしますね。
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山ちゃん! (yuyupure)
2008-01-04 10:01:20
新年あけおめ~!!
コメントありがとうございます^^大歓迎です☆
澤田ふじ子さんを読んでらっしゃる?いいですね~人情たっぷりの時代物なんかも大好きです。また、感想を聞かせてくださいネ(*^^)v
暖かくなったら、また帰ります~
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