晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

遥かなる水の音

2011年08月09日 | 
遥かなる水の音  村山由佳 著

図書館で、見つけて、「ラッキー!」とばかしに借りて読みました。
そして・・
感動!感激!・・涙・・
そして、後悔・・「新刊が出たとき、もっと早く読めばよかった~」
そう、去年から気になる一冊でした。

1993年、「天使の卵」で小説すばる新人賞を受賞、2003年「星々の舟」で第129回直木賞受賞・・
そして数々の文学賞に輝いてきた著者です。その、みずみずしい感性と文体にはいつも魅せられてきました。
最近ではエロスの世界、大人の男女を描いた「W.F」とか・・真理子さん路線にいくのかなぁ・・なんて思っていました
しかし・・
これは、私の予想を遥かにこえ、彼女の作家としての実力、ベテランの貫録を感じました。

物語は

パリで、ひとりの日本人青年が死んだ。最期をともに過ごした同居人はゲイの中年フランス人だった。青年の遺言は
「お願いがあるんだ。僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな・・」青年の姉、友人のカップル、同居人のグループは様々な思いを
抱えたまま、遺言を叶えるため、旅にでる。フランス、スペイン、モロッコ・・そしてサハラ砂漠へと。

なんて、スケールの大きいこと!
登場人物は、青年の姉、緋沙子、友人の浩介、結衣、ゲイで恋人のジャン・クロード・・そして、青年アマネ。
それぞれの名前で章に分かれて、話は進み、読みやすかった。アマネのところだけ、小さい文字でつづられているのが
不思議な感じがしたけれど、、それはこの世の人ではない、、というイメージで表現してるのですね。

人智を超えるような、壮大な愛の形、、とでもいうのでしょうか
ファンタジーです。
サハラ砂漠がこの世の果てではなく、この世の始まりかもしれない。
そして・・水の音・・
これは、いったい何?
最終章に読み進むうちに、答えがわかってきて、鳥肌が立つような感動を覚えました。

なんて切ないの・・

こんなに人を愛する心が切ないとかんじたのは久々です。。
「星々の舟」はずいぶん前になってしまったけれどその時感じた、どうにもならない、「家族のかたち」や「恋」のせつなさ
も思いだした。

イスラムの世界も、緻密な取材や参考文献に基づいたものでしょう。

村山由佳の真骨頂、代表作となったのは間違いないでしょうね・・

ちなみに
図書館に来週にはかえさなくちゃ・・なんだか心のこり。
本を収集する趣味は、ないつもりでいました。ただ、読みたいだけ・・と。
でも、これは手元に置きたい一冊となりました。
新しいのを書店で求めるのもちょっと、くやしい?!

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遥かなる水の音 (hanasakukw)
2011-08-10 21:42:33
手元に置きたい一冊なんて興味があります。
きっと素敵な本なんでしょうね!!
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サハラ (yuyupure)
2011-08-11 08:28:05
hanasakukw さん
コメント、ありがとうございます!
はい、とってもいい本でした。
これを読むと、サハラへ行きたくなりますよ~
返信する
Unknown (yoco)
2015-03-13 20:53:54
はじめまして。
私も図書館で見かけてラッキー!!と借りてきました。
スケール大きくてほんとよかったです(;ω;)

ちょうどニュースでイスラムのことが取り上げられることが多い中偶然本書でもイスラムのこといろいろ書かれてましたが・・・、ラマダンの、王様も貧乏な人もみんなお腹を空かせた状態を共有して分かち合うっていう説明がすごく素敵だなぁと思いました。

他にも気になる本たくさん読まれているので、ぜひまた遊びにこさせてください。
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Welcome ! (yuyupure)
2015-03-19 19:40:31
yoco さん
コメントありがとうございます~(*^_^*)
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