さらに、「全国ネットワーク」として行った8月26日付東京都教委への要請書に対する「平成26年9月25日、東京都教育庁総務部教育情報課長・上野正之」氏の名による(回答:1から3)「個別の人事に関する事項については、お答えできません。なお、都教育委員会は、懲戒処分の原因となった服務事故の再発を防止するため、関係規定に基づき、懲戒処分を受けた者に対し、服務事故再発防止研修を実施します。当該研修については、静ひつな環境の下で、適切に実施される必要があると考えます。都教育委員会は、今後とも当該研修の適切な運営に努めていきます」という無責任な回答を撤回し、東京都の教員・市民を含む教員・市民の正当な権利行使である要請に東京都教育委員会が耳を傾けるよう申し入れるものである。
(2)卒業式・入学式で「君が代」起立を拒否した教職員に対し、処分をしないことを求めるという都教委に対する私たちの要請を踏みにじり、東京都教育委員会は、2014年4月30日、2014年度入学式での「君が代」不起立に関して、都立高校教員の井黒豊さんへの「減給十分の一、六ケ月」処分、都立板橋特別支援学校教員の田中聡史さんへの「減給十分の一、一ケ月」処分を行った。私たちは、これらの処分の即時撤回することを求めるものである。同時に、都教委が、2014年3月31日、2013年度卒業式での「君が代」不起立に対して行った、都立工芸高校のSTさんと調布市立第三中学校のSAさんへの戒告処分、都立板橋特別支援学校教員の田中聡史さんへの「減給十分の一、一ケ月」処分を即時撤回することを、ここに改めて求めるものである。
(3)卒業式・入学式ともに「君が代」不起立をし、減給1ヶ月処分を受けた田中聡史さん(板橋特別支援学校教員)に対しては、4月に始まり10月17日まで25回にも及ぶ「服務事故再発防止研修」を強行している。このような「研修」は、田中聡史さんのみならず、井黒豊さん、STさん、SAさんに対しても同様に行ってきた。その度に、田中さん・井黒さんたちは、日本国憲法で保障された思想及び良心の自由・表現の自由・教育の自由を侵害されて、「反省」を求められているということに他ならない。
東京都の学校で「日の丸・君が代」強制が始まったのは2003年であり、それに抗してこれまで多くの教員が不起立をしてきたが、都教委の不当な処分攻撃により、ここ数年はその数も激減し、2014年の入学式は田中聡史さん(減給1月)と井黒豊さん(減給6月)の二人だけになった。