不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Squarciacuore

2007-06-09 16:36:41 | 日記・エッセイ・コラム

苦手なもののひとつに
「恋愛相談」というのがあります。

自分がそんなに経験豊富ではないこともあり
恋愛についての相談受けても
適切なアドバイスをしてあげることができません。
他の話題ならなんとでもしてあげようという気になるんだけどね。

日本語でも不器用なのですから
イタリア語でそんな相談されても困ってしまいます。

私の友人が思いのほか悩んでいて
そしてひどく傷ついて故郷に帰ってしまいました。
仕事も何もかも投げ捨てて。

そういう行動にでられる情熱の持ち主であったことに
いまさらながら驚き
そして少し大人気ないなぁと思ったりもしながら
かなり動揺したのは私のほうでした。

そんな彼女に電話するのも憚られ
ショートメッセージを送ったりして
私なりに慰めて励まして、
フィレンツェに戻ってくるように説得しているけれど
彼女は相当ダメージを受けているらしく
「当分立ち直れません」と繰り返すばかり。

ちょうど34歳のとき
私もいろんな意味でダメージを受けて
何もかも投げ捨てて
日本に引き揚げたくなったけれど
さすがにちょっと冷静に考えて
思いとどまったことがあったっけ。

私の場合、取り巻く諸々の煩わしい手続きなんかを考えたら
とてもじゃないけど、ちょっと傷ついたくらいで
引き揚げるなんてばかばかしかったのだ。
でも彼女の場合は
飛行機でぴゅーっと1時間ちょっと飛んで行ちゃったわけです。

ある調査によると
イタリア人男性の78%、
イタリア人女性の64%が不倫をしているとか。
ということは、
誰も彼も高い確率で「裏切られている」というのが現実。
厳しい現実だけれど、
それを知れば少しは状況が変わるのかなぁとか思いながら
彼女にはそんな話ができる状態ではありません。

彼女がフィレンツェにいなくて寂しいのもあるし
力になってあげられない自分ももどかしいし。
難しいもんですねぇ、生きるって。
Sedie
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