不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La riapertura della biblioteca Conservatorio Cherubini

2009-05-12 13:32:16 | アート・文化

フィレンツェのアカデミア美術館の脇には
美術大学と音楽大学があります。
この音楽大学には
貴重な資料を集めた図書館も併設されています。
Biblioteca del Conservatorio Cherubiniは
40年以上に亘る修復を終えて
5月9日より一般公開となりました。

Conservatorio Cherubini(ケルビーニ音楽大学)の
地下にある図書館には
約500年に渡る音楽の歴史が詰まっています。
ルネッサンス音楽、バロック音楽を中心にした手書きの譜面や
ハイドン、ケルビーニ、ロッシーニ、ベッリーニ、ヴェルディなど
音楽家たちがやり取りをした書簡も数多く残されています。
中には1847年にフィレンツェのTeatro Pergola(ペルゴラ劇場)で
初演となったマクベスの手書き譜面なども含まれ、
約40,000点の所蔵となっています。

この図書館も1966年11月4日のアルノ川大洪水の犠牲となり
約10,000点が被害を受け、一部喪失したといわれています。
この洪水の後、図書館は閉鎖され、
長く修復の作業が続けられてきました。
2003年から音楽史研究家たちなどの
一部の研究者の入場が許可され
11ヶ月前から世界各地からのリクエストに応え、
譜面や書籍のデジタル化を進め、
イタリア国内、ヨーロッパはもちろん、
アメリカやニュージーランドへも
メールでの資料送付なども始めています。
そしてようやく先日5月9日から一般の入場も可能となりました。

今後はすべての資料のデジタル化を進めると同時に、
新しい譜面や資料などの購入も計画されていますが、
既に2009年の国家予算では40%カットとなっており、
ここも他の美術館や図書館と同じように
運営は厳しい状況となっています。
アメリカの音楽関係基金をはじめ
各国のプライベートの寄付などに
頼っているのが現状だそうです。

こうしたイタリアの文化活動は非常に地道ですが
人類の財産の保護と提供という部分では
常に辛抱強く寛大であることにイタリアの奥の深さを感じます。

Biblioteca del Conservatorio Cherubini
Piazza delle Belle Arti フィレンツェ
開館時間: 火曜日・木曜日のみ 9:00-12:00