公開中の映画「天使と悪魔」のファイナルに引用されて
あぁ、そうねぇとちょっと気になった「福音書記者ルカ」。
歴代ローマ法王の名前というものがどのような規定で
決められるのかよく知らないのですが、
決してすべての聖人の名前が
使われているわけではないのは確か。
ルカは4人の福音書記者のうちの一人で
アンティオキア生まれと伝えられる人物。
新約聖書の第3、第4冊に当たる
「ルカによる福音書」及び「12使徒行伝」を
書き記したとされています。
「コロサイ書」の中で
「愛する医者ルカ」と評されていることから
伝統的に彼の職業は医者であったと考えられ
そのために現在でも
医者の守護聖人としても扱われています。
アンティオキアの、
ユダヤ教ではない異教の家庭に生まれ、
バルナバに導かれて、
キリスト教に改宗したユダヤ人などの異教徒をまとめる
新しい集団を形成。
使徒の追従者の一人となり、
特にパオロが行ったいくつかの宣教に
同行していたともされています。
84歳でその生涯を閉じ、
古代ギリシャボイオティア地方の
テーベに埋葬されたといわれています。
サン・ジローラモの記述によれば、
後に彼の遺骨は
コンスタンティノーポリのサンティ・アポストリ寺院
（Basilica dei Santi Apostoli）に移されたとされています。
そこから更に遺骨は運び出され、
現在はプラハに保存されている頭部以外は
パドヴァのサンタ・ジュスティーナ寺院
（Basilica di santa Giustina）に眠っています。
とても上品なギリシャ語を身につけていて
そのためギリシャ語で記された聖書に通じており、
元々文化教養のある人物。
彼自身はイエスキリストに直接会ったことはなく、
イエスキリストに関する著述の部分は
すべて他の文献をベースにしていたり
第三者からの聴き語りであることは知られています。
特にイエスキリストの幼少時の話は
聖母マリアから聞き伝えられたものであるといわれています。
また絵心があり、
聖母マリアの肖像を初めて描いた人物としても知られ
特に中世宗教絵画のなかでは
しばしば聖母マリアを描く画家として描かれます。
Guercinoの作品。
このため、現在では医者だけでなく、
画家の守護聖人としても祀られています。
エゼキエル書に登場する4つの生き物に由来する
福音書記者のシンボルの中で、ルカのシンボルは牡牛。
4人の福音書記者を認識するために
脇にこっそり描かれていたりします。
Guercinoの作品でもサン・ルカの後ろの
作業台の上に、白い大理石の彫刻風の牡牛が
ちょこんと乗ってます。
なんかこの作品を探していたら
Guercinoの作品をいっぱい見たい気分になってきた。