現実が気に入らないなら御伽噺に逃避する。
それでいいとは思わないけど、
まぁある意味では突破口になるかもね。
フィレンツェのサン・ロレンツォ地区は
ここ数年移民が増えてきて
その移民間でのいざこざや争いで殺傷事件が起きたり
何かと夜間は物騒で
監視カメラもたくさん取り付けられたのだけど。
まだまだ改善されないみたいで
更なる対策を練っている途中。
そこで出てきた案が「ピノキオ像を建てる」ってもの。
ピノキオのCarlo Lorenzini(カルロ・ロレンツィーニ)は
もともとサン・ロレンツォ地区のVia Taddeaで生まれた人。
彼の母方の血筋がCollodiにあったので
ペンネームではコッローディですが
サン・ロレンツォ地区とはなじみの深い関係。
なのでピノキオ像に行き着いたようです。
ピノキオ立てたところで現状の何がどう変わるのか
まったく想像もつかないけれど
まぁ、何かをしようという地域の心意気は伝わってくるかな。
ピノキオのほかに中央市場の修復・拡張や
公衆トイレの新規設置、外観統制、
ゴミ箱の埋め込みシステム化を推進する方向だとか。
そういうのは早く実現するといいよねぇ。
サン・ロレンツォ地区にあるおもちゃさんの軒先で
見つけた「ピノキオ・ガチャガチャ」。
うちのご近所さんには
結構「隠れた名店」が多くて
外食するのにも困らない。
諸事情があって
急遽立ち寄ることになったBelcoreもそんな一軒。
「自転車娘フィレンツェを行く」のyossyがいるので
本当はもっと頻繁に立ち寄りたいのだけれど。
行くたびにとてもよくしてもらって感謝感激。
そして今日も美味しいものを色々といただきました。
ナスとモッツァレッラのフラン
食べた瞬間に口に広がる懐かしい味。
なぜかお豆腐の味。
トマトソースはピリ辛風味ということですが
その辛さは感じないほど
ナスのフランの味のまろやかなこと!
一瞬プリプリの餃子が出てきたかと思った品。
トルテッリですが手作り感がばっちりの歯ざわり。
バジリコソースがよく合う。
チョコレートプリンとクレーム・ブリュレ。
チョコレートは濃厚なのにしつこくないし
クレーム・ブリュレは
久々に程よい焼き加減の
美味しいものに出会ったなぁと嬉しくなりました。
友人と3人で出かけて
「シェフお任せ」で供してもらった料理は
アンティパスト3種、プリモ3種、セコンド2種
そしてドルチェ3種。
すっかりおなかいっぱいです。
食べ切れなかったセコンドの「マグロ」グリルと
「タリアータ」の切れ端は包んでもらって
家でお留守番のビリーとチッチーノにお土産。
ビリーの反応はこちらで。
みんな揃ってご馳走さまでした!
またジャンキーな物を発見。
ちょっとチョコレートが食べたいなぁと思って
スーパーで物色していて見つけたので
そんなに高いものじゃないし、
食べてみて特別おいしいものでもないんだけど。
こんな感じにパッケージされた薄型チョコレート。
チップスターみたいな形のチョコレート。
刻みヘーゼルナッツの粒々入り。
チョコの周りをうろつく白い物体に
危うく踏み潰されそうになりました。
薄型チョコなんだからね、繊細なんだからね。
君のひと踏みで粉々になっちゃうんだからね!
冷蔵庫に入れてきりっと冷やして
薄くぱりぱりな状態でいただくと
かなりおいしかったです。
ただのジャンキーなチョコですけど。
2,90ユーロとかそんな値段だったような…。
でも箱はビリーの長さと同じくらいでかかったしね。
友人が校長を務める
フィレンツェの小さいけれど頑張っている料理学校へ
仕事も兼ねて遊びに行ってきました。
何を作るのかも知らずにちょっと遅れて到着。
既にレッスンは始まっていて
たまねぎの切り方から教えている様子。
本日のレッスンに参加していた学生は4人。
いずれもフィレンツェにイタリア語を学びに来ていて
各自が通う語学学校で薦められて
料理レッスンを受けに来たのだそう。
ドイツ人のマヌエラ、コスタ・リカから来たマリア、
アメリカのサラ、そして唯一の男性参加者は
ヴェネズエラのダニエル。
みんなまだたどたどしいイタリア語と
危なっかしい包丁使いで一生懸命。
料理学校はこじんまりとしていて、
校長の性格もあってかとてもアットホームで楽しげ。
2時間30分のレッスンの中で
今日は3種類のリゾットに挑む。
若い学生さんたちに調理のほとんどを
すっかり任せて写真撮影。
何気ないトマト缶のディスプレイもいい感じ。
三つともトマト風味だけれど
趣の違うリゾット。
Risotto alla Paesana
(ズッキーネ、グリーンピース、インゲン豆)
Risotto alla Partenopea
(パンチェッタ)
Risotto alle Melanzane
(ナス)
それぞれがそれぞれに美味しくて大満足。
ナスのリゾットの最後のひと手間に驚き。
盛り付けるときにリコッタチーズを添えて
食べるときに少しずつ混ぜ合わせていくと
リゾットがとてもまろやかでコクのあるものに大変身。
この技は今まで知らなかったので新発見。
前のエントリ用に写真撮影もかねて
サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会広場へ向かったとき。
蒸し暑い8月の終わりの日曜日の午後。
ドゥオーモから広場に伸びる
Via dei Serivi(セルヴィ通り)にはあまり人影もなく。
道行く人もまばらで
そんななかを右左きょろきょろしながら
広場へ向かう途中、
平穏な夏の日曜の午後にあっていいのか悪いのか
判断しかねる映像が私の視界をかすめ、
反射的にその映像を確認しようと思って
そちらに目を向けると・・・。
通りに面した二階の窓に白い人影。
一瞬わが目を疑う光景。
窓辺には一糸纏わぬ姿の女性が仁王立ちして
憂い気にタバコに火をつけようとしている。
見ちゃいけないものを見た気がして
目をそらそうとしたそのとき、
彼女がふと目をあげた。
若い東欧形の顔。
私の視線と彼女の視線が絡んだ瞬間に
彼女がすごく意味ありげに微笑んだ。
負けた。
いや、いろんな意味で負けたなぁと。