ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.12.13 EC5回目、中止

2012-12-13 19:43:12 | 治療日記
 昨夜は秘密忘年会で楽しい時間を過ごしたせいか、ホテルにチェックインした後もなんとなく興奮していて、なかなか眠くならなかった。
 そして、夜中に何度か目が覚めて、あっという間に目覚ましが鳴った。とにかく乾燥しているので、加湿器を全開にしていてもなんだか喉が渇く。
 いつものように自宅にモーニングコールをした後、足湯でじんわり汗をかいてから軽い朝食を摂り、チェックアウトして病院へと急いだ。いいお天気だが、今日も冷え込みが厳しい。

 今日は診察前採血、レントゲンの後、年内最終のEC5回目投与の日。IDカードを通し、採血受付窓口に行くと、受付が始まって間もないのに既に待合の椅子が一杯だ。それでも10分ほど待って受付が終わり、その後20分ほど待って順番が来た。今日は臨床検査技師の男性で2本。痛みはそれほどでなく、順調な滑り出しだ。しっかり止血して2階に上がってレントゲン撮影へ。ここでは殆ど待たずにスムーズに終了した。これは幸先がいいな、と1階に降りて腫瘍内科の受付をする。が、ここからが時間がかかった。待っている間に自動血圧測定器で測った血圧は97-62、脈拍は86。1時間半ほど待ってようやく中待合に入れた。そして15分して診察室から先生がお顔を出される。

 この2週間の様子を“わたしのノート”を見ながら報告する。過ぎてみればあっという間で、投与直後の記憶があやふやなのだが、こうして日々メモしておくと、出てくる出てくる不調のオンパレードだ。当日夜から寝込むほどの気持ち悪さがほぼ丸4日間続き、今回は特に味覚異常が酷く、苦みと塩気しかわからなかったこと、ほてり、だるさ、口の中の気持ち悪さ、食欲不振等など枚挙にいとまがない。気持ち悪さで夜中に目覚めてしまう時間がだんだん遅くなってきて、最初の1週間が過ぎ、今度は視界欠損や頭痛、顔の骨の痛み、グランの注射の後は耳鳴りや胸骨、耳の下の骨の痛み・・・自分で言いながらPCに打ち込む先生に「・・・まだ言っていいでしょうか?」と確認までしてしまう。そして直近の1週間は胸骨痛、頭痛等も間が空き、クラビットを飲み終わった頃にはお腹の調子も復活して今日に至っています、と報告終了する。先生も「いや、それにしても毎回本当にいろいろありますね。」とため息をつかれる。診察室での検温は36度4分。

 さて、気になる今日の白血球は2200。好中球は37.5%なので825しかないとのこと。「・・・だめですか?やる気満々で来たのですが」と言ってみるが、好中球1000を割っているので厳しいとのこと。「白血球が増える要素はあるが、これだけいろいろ副作用が出ているし、頑張ってグランの注射を打ってもこれだけしか上がってこない。前回、前々回は好中球の値が落ち着いていたが、今回は難しい。・・・でも(仕事の方も今日投与出来るように)いろいろ調整しているんですよね。」と言われる。

 そして、レントゲンの画像を見ると、左右の腫瘍茎は前回11月初めと殆ど変っていない。9月に治療を始める前のものと比べれば若干影が薄くはなっているのだが、「こんなに副作用が酷く出ている中頑張っているのに、もう少し小さくなってくれないとお得感がない。」とおっしゃる。(先生は“お得”に弱い私の性格をしっかり熟知されている。)頑張って続けた方がいいのか、休む方がいいのか悩ましい、と。ただ、頑張りすぎるとあとあとが難しくなる、ということを気にしておられた。とりあえず4回という第1目標はクリアしたので、欲を言えば6回出来た方が出来ないよりいいが、果たして絶対やらなければいけないか、と言うとそうでもなさそうだという。

 マーカーCA15-3は前回よりコンマ3下がっただけで横ばい。
 これまで、アンスラサイクリン系を経験された患者さんたちのお話を聞くと、ECは乳がんの薬としては王様級で、しこりがうんと小さくなったり画像上影が消えたり、マーカーもぐんと下がる、ということだったので頑張ってきたが、こと今回の自分の結果はそれほどではないな、とはうすうす感じてはいた。
 それについて質問してみると、大抵ECは最初にやるので(私はタキソテール、ナベルビンに続いて3つ目である。)奏功するように感じるらしい。確かに、最初のタキソテール、次のナベルビンの時は初回投与後、マーカーがそれぞれぐんと下がった。けれど結局、両肺の腫瘍茎はいずれもしつこく、消失することはなく、今でも鎮座ましましている。

 さらに「ハーセプチン投与も4年半と長いので、今のアンスラサイクリン系を重ねて使うことで心毒性も気になるため、エコー検査もしなければならない。」とおっしゃる。ハーセプチンは可逆性の心毒性とはいえども、やはり気になるようだ。
 そして、ECをさらに頑張ってやり続けるメリットと、頑張りすぎることのデメリットを天秤にかけると、やはりやめた方が良いという結論に達するようだった。

 そう言われてしまうと、一旦掲げた目標を何とかクリアしたい貧乏性の私としては「『私って駄目なのね。』と思ってしまうのですが・・・」と言ってみる。先生は「いや、よくぞここまで、この状態で4回出来た、と思う。」と言って下さった。なんだかうるうるしてしまう。

 されば、大胆に休みをとって残り2回チャレンジするかどうか決めましょうということになる。けれど、1月4日が最後と思っていたので、そこまでは何とか休みの調整もしているが、1月4日の後、さらに25日も、となると仕事の繁忙期を迎えてちょっと厳しいという話をする。「いずれにせよ、せめて年末年始は良い体調で迎えてほしいと思うので、無理して来週、再来週にはやらない。次回は年明け1月4日に、診察前にレントゲン、採血、心エコーを行い、悪化がなく体調が良ければ5回目をトライしましょう。」ということになった。

 6週間無治療で空いてしまうが、先生がおっしゃるとおりグランを使ってもダメということなので、体が「休ませてくれ」と言っているのだ、神様が下さったクリスマスプレゼントとお年玉なのだと、有難いお休みとして納得することにする。

 前回も確認したが1回100mgで最低4回だと、トータル400mgは必要だということだが、2回目以降80mgに減量しているため、4回といえどもトータル340mgしか投与が出来ていない。が、個人差があるので、量にこだわって無理しないほうがよいとのこと。今後も抗がん剤治療をしていくうえで、ここでの無理が祟ったということを避けるために、と何度か繰り返された。

 そんなわけで、今日は体重だけ測って、先生には今年最後のご挨拶をして診察室を後にする。
 中待合で心エコーの予約説明を受けた後、化学療法室の看護師さんたちにもご挨拶に伺う。OさんやOkさん、Hさんなどが出てきてくださって「やる気満々で来ましたが、中止になりました。今年一年ありがとうございました。来年もまたよろしくお願いたします。どうぞ良いお年を。」と。「もし、熱が出たり、空咳が出たり、ということがあれば我慢しないで土日でもすぐに連絡してくださいね。」と言って頂く。

 王様の薬であるはずのECの効き目が今いちということで、こんなに辛い副作用があっても骨髄がダメージを受けるだけで、効かない時は効かないのだな、とぼんやりと思う。
 本日の病院滞在時間は3時間半ほど。会計を済ませ、薬局にも寄らず、ゆっくりランチをして買い物をしてまだ明るいうちに帰宅出来た。

 明日から月曜日まで休みをとり、来週は3日間グランの注射でこれまた早退等の予定を組んでいたが、全てまっさらになった。
 今日で年内の通院は終了。今年の通院日数は36日、入院日数は8日。総医療費は140万円弱(3割負担)だった。

 さて、そうと決まれば明日からの休暇は取り下げで、普通に出勤の予定だ。昨日まで慌てて仕事をやっつけてきたけれど、明日からまた丁寧に見直さなくては・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする