ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.9.9 救急の日、「お薬手帳」を考える

2014-09-09 20:29:44 | 日記
 今日は救急の日。9月9日のキュウ、キュウから単純な語呂合わせで、極めて判りやすい。1982年、救急医療の理解と認識を深めてもらうことを目的に当時の厚生省が制定したというが、30年が過ぎ、すっかり定着しているように思う。

 もちろん、救急医療にかかることなく日々元気に過ごせるに越したことはない。けれど、こうして長く再発治療を続ける身で、突然の事故等に遭遇して、自分で自分の状況が説明出来ない状態で救急医療にかかる時は怖いな、とも思う。
 だからといってその時にお薬手帳を身につけているか、あるいはかかりつけの病院に運ばれるか、その保証は全くない。緊急時に悠長にお薬手帳をチェックしてもらえるか、などというのも甚だ心もとない。心配し出せば切りがないのだけれど・・・。

 そんな中、しばしばご紹介している朝日新聞静岡版の渡辺亨先生のコラムのテーマが「お薬手帳」だった。以下、転載させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)

がん内科医の独り言 「お薬手帳」で情報を共有(2014.9.6)
 ■飲み合わせ注意
 がん治療の薬には、注射と飲み薬があります。注射の場合には毎週病院に通わなければならないこともあります。飲み薬ならば、月に1度の通院で治療を続けることができるので便利と言えます。
 患者は診察後、病院で発行された院外処方箋(せん)を持って、調剤薬局で薬を調剤してもらいます。ふたつ以上の病院や診療所にかかっている患者は薬の飲み合わせに注意しなくてはいけません。
 現在、広く活用されているのが「お薬手帳」です。
 医療機関から処方された薬の名前、分量、日数が記されたシールが貼られています。薬剤師や医師がそれを見て薬の飲みあわせや、同様の効果の薬が重複して処方されていないかなどをチェックできます。
 お薬手帳は20年ほど前の事件の反省から生まれました。抗がん剤フルオロウラシルを内服中の患者が帯状疱疹(ほうしん)にかかり、別の医療機関の皮膚科を受診し、ソリブジンが処方されました。ソリブジンはフルオロウラシルの分解を妨げます。ふたつの薬剤を同時に内服すると、フルオロウラシルの血液中の濃度が異常に上がり、白血球や血小板が減って感染や出血などの強い副作用が出て、死亡者が続出しました。
 皮膚科の医師に、がんの病院からフルオロウラシルが処方されていることが伝わっていなかったことが事件の原因でした。
 今でも「お薬手帳」を使わない時代遅れの診療所がたまにあります。処方されている薬を見ればわかりますが、他の医療機関にかかっていることを言わない患者もいます。これはA病院、そっちはB診療所と何冊もお薬手帳を持っている患者もいますが、お薬手帳の意味がありません。
 最も多いのは「お薬手帳を忘れました」という患者です。これでは情報の共有ができません。 (浜松オンコロジーセンター・渡辺亨)

(転載終了)※  ※  ※

 先生が書かれている通り、今は再発治療が始まって以来初めての内服薬による治療中で、月に1度の通院で済んでいる。毎週通院をしていた時代を思えば、それがどれだけ有難く、便利であることか、日々、噛みしめている私である。
 ずっとお世話になっている近所のクリニックでは、病気のことは全てお話しているし、そのあたりのコミュニケーションもきちんと取れているので、恵まれていると思う。それでも、いつ何時どんなことが起きるかわからないのが世の常だ。

 渡辺先生が仰るまでもなく、「お薬手帳」はまさに自分の身を守るための必要なツールである。「忘れた」とか「分冊にしている」では、せっかく持っていても全く役に立たない。宝の持ち腐れ以外の何物でもない。服用する薬の種類が多くなればなるほど、正確に記憶することがなかなか難しいだろう。
 治すために飲む薬なのに、飲み合わせが悪いがために命を脅かすことにもなる、というのでは泣くに泣けない。
 冒頭に掲げた心配事がなくなるわけではないが、せめて、医者にかかり、薬局に赴く時には、自分の既応症をきちんと伝えるとともにお薬手帳を携帯していなければ、と気を引き締める。

 
 さて、発熱していた息子のこと。
 昼前に起きた時には持っていた消炎鎮痛剤のおかげか、ほぼ平熱まで戻ったという。今日は水分補給と休息に専念してくれれば、と胸をなでおろした。

 昨夜拝むことが出来なかった十五夜のお月様。今夜は、今年最後のスーパームーンを愛でることが出来、幸せな気分で空を見上げた。

コメント (2)
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