ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.9.11“免疫力”に騙されるのはがん患者だけではない!?

2014-09-11 20:13:18 | 日記
 愛読している読売新聞医療サイトのyomi Dr.の連載「宋美玄のママライフ実況中継」の最新号に目を奪われた。以下、転載させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)

「免疫力」が常套語…トンデモ医学ビジネスに注意! (2014.9.10)

 (前略)
 先日、とても痛ましい報道がありました。

「赤ちゃんの免疫力高める」と施術、乳児死亡(2014年09月06日 14時09分 読売新聞)
 大阪市淀川区で6月、「赤ちゃんの免疫力を高める」などとうたうNPO法人代表の女性(56)(新潟県上越市)から、首を強くひねるなどの施術を受けた神戸市の男児(生後4か月)が途中で意識不明になりその後死亡したことが関係者への取材でわかった。
 代表はマッサージなどの国家資格を持っておらず、昨年も新潟県で施術を受けた幼児が死亡していた。大阪府警は代表から事情を聞くなど死亡の詳しい経緯を調べている。

医療従事者でも、だまされる?
 マッサージの国家資格を持たない女性が「赤ちゃんの免疫力を高める」などとして生後4か月の男児の首を強くひねるなどの施術を行い、死なせたという報道です。しかも、昨年も新潟県で施術を受けた幼児が死亡したとのことです。報道だけでは昨年の死亡例の施術と死亡の因果関係は分かりませんが、乳幼児の首を強くひねるという行為が危険なのは言うまでもないことでしょう。首を強くひねって「背筋や首のゆがみ」を直しても「免疫力」がアップすることはありません。その施術を行っているNPOが数ある免疫の仕組みのどれがどう高まるとうたっているのかは知りませんが、「免疫力」という言葉は医学用語ではなく(私も便宜上使うこともありますが)、トンデモ医学ビジネスの常套語なのです。
 ここまでひどいものでなくとも、子供の健康を願う親心につけこんださまざまなビジネスが横行し、もっともらしいキャッチフレーズのもとで成立しつづけています。妊娠中から骨盤にベルトを巻かないと「育てにくい子になる」「子どもが将来頭痛に悩まされる」というものや、おしゃぶりをしないと「子供の免疫力が下がる」というものなど、医学の知識がなければ「そうかな?」と思ってしまうものが多いです(中には医療従事者も信じてしまっているものもあります)。

現代医療の陰謀説唱え、不信感煽る手口も
 中には現代医療の陰謀説を唱えて不信感を煽り、我田引水的に自分のビジネスをすすめるものもあります。余程の知識がなければそういうものを否定するには勇気がいるかも知れません。また、マッサージなど体に触れる施術については、医師、歯科医師、はり師、きゅう師、マッサージ師、柔道整復師という国家資格がありますが、それ以外の整体師やカイロプラクターは国家資格ではありません。○○セラピストや○○アドバイザーはもちろんのことです。名乗っている肩書がどんなものかは知っておいた方がいいと思います。
 今回の事件では、NPO側は死亡と施術の因果関係を否定しています。因果関係が認められれば、刑事罰と損害賠償がふりかかりますので、否定するのは当然のことでしょう。今回の事件の問題点は、昨年にも幼児が死亡しており、今回が初めてではないことです。小さな子供を持つ親が危険な民間療法を受けさせないように見分けられればいいのですが、耳当たりのいい効果効能をうたっているとつい信じてしまうこともあるのが実情です。民間療法の健康被害についてもっと積極的に取り締まれるようにしてほしいものです。

(転載終了)※  ※  ※

 この事件記事は読み落としていたのだが、宋先生のコラムで初めて目にして、こんな酷いことがあるのだろうか、と驚いた。生後4カ月の赤ちゃんに免疫力アップ・・・。赤ちゃんはそれこそ免疫力の塊、生命力の塊のように感じるのだけれど・・・。
 そう、“免疫力アップ”という魔法のように響く言葉に翻弄されてしまうのは、私を含めたがん患者だけではなかったのだ、という厳しい現実を改めて突き付けられてガックリきてしまった。

 免疫力・・・・本当になんと罪つくりな言葉だろうか。
 先生がおっしゃる通り、免疫力という言葉は医学用語ではない。それどころかトンデモ医学ビジネスの常套語。にもかかわらず、がんになったのは自己免疫力が下がったからだ、これをアップさせないことには治療は上手くいかない・・・という甘い言葉にいつのまにか踊らされている。
 気付けば、まるで黄門様の紋所のごとく、この言葉が目に入らぬか~と「免疫力アップ」があちらこちらに登場する。まあ、とかなんとか言いながらも美味しいものを食べたり、旅行に出かけたり、好きなことをしたり・・と自分に都合よく解釈して明るく楽しく過ごせているうちはまだ可愛いものだ。免疫力アップブレンドと銘打ったハーブティ(決して破格な値段のものではない、ごく普通のもの)を美味しく飲んでいるうちもそう。身の丈に合ったお洒落をしたり、エステに行ったりしてご機嫌良く過ごすことだってOKだろう。
 けれど、もっと切羽詰まって来て、こと、免疫療法やら民間療法の高額サプリ等に手を出し始めるとしたら、これは要注意だなと改めて自戒する。

 それにしても人の弱みにつけ込んでなんと悪質な商売が後を絶たないものか。私たちは正しい情報を身につけられるよう、もっともっと賢く、かつ冷静にならなければならない、と改めて思う。

 さて、今日は夫の誕生日。昨夜は今日の早朝会議の為、前泊した。モーニングコールをして、“お誕生日おめでとう”メールとLINEを入れた後、恒例の足湯を済ませて仕事に向かった。
 都心出張の帰路は、ケーキを調達してお祝い。
 明日からは遅い夏休みを取り、京都にいる息子と合流して関西旅行の予定である。
コメント
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