ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.7.28 旅行3日目、世界遺産レドニッツェ散策後、プラハ到着

2019-07-29 04:48:05 | 

 昨夜は眠くてヨレヨレで入浴後、早々にベッドに入った。ところが窓の外が突然の稲光、土砂降りの雨になってなかなか寝付けなかった。ナイトクルーズでは見ることが出来なかった、ライトアップされた国会議事堂が部屋の窓から拝めてとても美しかったのだけれど・・・。
 3時間ほど眠った頃、お手洗いに起きる。その後なかなか再びの眠りに入れず、やはり寝不足のままモーニングコールより早めに目が覚めた。

 ホテルのショップは朝の数時間しか開いておらず、開店から1時間半は1割引の、"早起きは三文の得サービス"(私が勝手に命名)をしていると聞き、皆朝食前にショップに向かった。考えることは同じである。私達が出かける時にひと組のご夫婦がお買い物を終えて部屋へ戻ってくるところで、ショップに到着した時、もうひと組のご夫婦が買い物の最中だった。息子から頼まれていたワインと母のお土産だけ購入して、部屋に戻り、朝食レストランへ向かう。

 開店と同時だったが、もう既に長蛇の列。こんなに宿泊客がいたのか、というほど混雑していた。出発まで1時間弱。大急ぎで食事を済ませ、部屋に戻ってパッキングを終えてチェックアウト。

 今日も早起きの皆さんのおかげで、出発時間になる前に全員集合、バスはホテルを後にした。
 今日は移動日だ。午前中290km走り、ひたすら世界遺産レドニッツェへ向かう。
 2時間弱走ったところで、お手洗い休憩。ここではお手洗いに1ユーロのコインを入れると、100フォリントのお釣りと100フォリント分のクーポン券が出てくる仕組み。夫と2人分で200フォリントのクーポン券をゲットし、ほんのちょっとの小銭で大きなミネラルウオーターが1本ゲット出来た。なかなか優れたシステムだ。

 そこから20分ほどして、バスはハンガリーとスロヴァキアの国境を越えた。緑のラインとベージュのシンプルな建物を通り抜けたら、ハンガリーとはお別れだ。数え切れないほど沢山の風力発電機が廻っている。
 その後、1時間もしないで、今度はスロヴァキアとチェコの国境だ。ここには何ら建物もなく、ただの標識だけ。ともすれば見逃すほど、大陸の国境とはかくも簡単なものである。
 35年程前に卒業旅行で国境越えしたときには、もう少しきちんとパスポートコントロールがあったように記憶しているが・・・。広い畑が続くところに存在する国々では、戦争になったら、拡散は防ぎようがないものだと改めて思う。日本のような島国に暮らしていると、こういうことに余り関心を持たなくなってしまうが、ヨーロッパがEUとして纏ろうとしたのは当然のことだったのだろう。

 夫が日本からスメタナの「モルダウ」等をipodに入れてくれていたので、有り難く聴きながら過ごす。すると添乗員Nさんもドボルザークの新世界やらスメタナのモルダウのCDをバス車内で流してくださる。
 窓の外はひたすら平野が続く。どこを見ても山脈といえるようなものが見当たらない。日本という国は、あらためて山の上にある国なのだということにも気づかされる。旅をしないとこういう気持ちにはなかなかならない。
 クリームコロンかロールケーキのような干し草を巻いた物があちこちに転がっていて、なんだか可愛らしいというかシュールにも見える風景が続く中、お昼には本日唯一の観光スポット、レドニッツエに到着した。

 まずはランチを摂るホテルまで歩いて、お手洗いを済ませ、添乗員さんと皆でお城の入り口まで。簡単に説明して頂き、解散。小一時間の自由散策タイムとなった。
 レドニツェは16世紀ルネッサンス様式にはじまり、17世紀、19世紀と時代を経る毎にどんどん増築されたというネオゴシック様式のレドニツェ城を有する。お城の内部には庭園、宮殿、聖堂、遠方にはミナレットなど、と豪華絢爛な姿を現在に残している。その総敷地面積はチェコ国内での最大級だという。

 ヴァルチツェ地区と合わせて面積283.09 km²に渡るこの地区には、もう一つバロック様式のヴァルチツェ城を軸とする風景式庭園があり、17世紀から19世紀にかけて整備されたそうだ。
 リヒテンシュタイン家は13世紀半ばにレドニツェを、14世紀末までにヴァルチツェをその領地として城を建設していたが、同家のカール1世がヴァルチツェ城を居城と定め、レドニツェ城は夏の離宮だそうだ。

 お城とはいうけれど、実際はリヒテンシュタイン家の私的な住居だというのだから、どれほどの富の偏在なのかを思い知る。今は本当に良い季節でベージュのお城とラベンダーの紫、マリーゴールドの黄色、サルビアの赤と色とりどりの花々が咲き乱れた庭園の緑のコントラストが美しい。
 教会の聖堂ではちょうど日曜ミサの最中。沢山の観光客たちも参加しているが、クリスチャンでない私達はなかなか入りがたい雰囲気。
 ここのところ、お腹がまだ空いていないのに時間が来て食事をするというパターンだったので、ランチ前の散策のおかげで気持ち良くお腹が空いてランチにありつけることになった。

 テーブルに着くと、ホテルからの黒ビールのプレゼントが最初に届けられる。皆で乾杯して、飲めない私は飲める方どうぞ、と差し出した。じゃがいもとザワークラウトとソーセージのスープ(昨日のグヤーシュに似ている)、ローストポークがメイン。食後にお茶がセットされていないのが、私達を含めご一緒した皆さんがご不満ということで意見が合致し、追加で注文。添乗員Nさんは出発時間を気にしつつも了解してくれた。久しぶりに頂いたカプチーノが美味しくとても満足した。ここから使えるお金の単位はチェココロナになる。あいにくユーロが使えないということで、Nさんに両替して頂いた。

 食後は再び午前と同じくらいの距離を走ってプラハを目指した。季節的に工事をしている場所が多く、珍しく渋滞に遭遇した。到着時間は夜だが、あまりに明るいので感覚がおかしい。
プラハの街に入る前にあのモルダウ河を渡った。ああ、いよいよチェコにやってきた。スメタナの曲を聴きながらプラハの街に来られたなんて、感無量である。

 プラハの街は、色使いがシックだったブダペストよりも色鮮やかで明るくポップで都会的な感じ。国立博物館の建物や駅を見ながら、一旦バスを降りて、ホテルのレストランまで暫し歩いていく。日曜の夜なのか人出が凄い。
 昼食後はただバスに揺られただけで空腹かといわれれば全然・・・である。

 夕食は野菜のクリームスープに鱈のムニエル。今回初めての魚料理である。海のない国々だから魚を頂くことはあまりないのだろうな、と思う。食後のチーズパイは多すぎて半分も頂けず。
 3日ともなると、大分皆さんと打ち解けて、同じ私鉄沿線にお住まいのkさんご夫妻、仙台から来られているIさんご夫妻、夫の大学時代の下宿先と目と鼻の先にお住まいのご夫妻、などと話が弾んだ。

 既に8時だというのに外はまだ全然明るい。ホテルに到着してチェックイン。今日から2泊お世話になるお部屋はジュニアスイートタイプでリビングにダイニングが付いている。簡単なキッチンもあり、長期滞在出来るようだ。今回もシャワーだけかもと脅かされていたけれど、ちゃんとバスタブがついていてゆっくり出来そう。
 
 24時間営業のショッピングセンターが真向かいにあるというので、この後、まだ元気があったらちょっと覗きに行ってから休みたいと思っている。

コメント
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