「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

テレビ

2008-03-22 15:02:20 | 内装・インテリア

10年くらい前のことだ。ヨーロッパの多くのお屋敷に「お宅拝見」の如く訪問をして、その内容を記録するという本(いったい何の本だったか忘れてしまった)を読んだことがある。その本に、家の中におけるテレビに対する取り扱いについて、面白い記述があった。その本の作者が気づいたことは「ヨーロッパのお屋敷にはテレビがない」ということである。もちろんお屋敷にも人がちゃんと住んでいるのに、である。

また別の本(それもまた何の本だったか忘れてしまった)を読むと、こう書いてあった。「英国の下層階級の家ではキッチンや食堂、あるいは居間のような誰もがいる場所にテレビがあり、家族の誰かが家にいる限り多くの時間帯においてテレビがON状態になっている。中流階級の家の中では極めてプライベートな空間と言える寝室にテレビがあり、そこで就寝前あたりに静かにテレビを見ている。上流階級の家では、テレビはせいぜい目につかないところにひっそりと置いてあるくらいで、無い家も多い。」

これを読んで私は愕然とした。日本でも海外でも、この本で言うところの「中流」や「上流」階級の家庭を、私は訪問したことがないということが判明したからである。また当時の私の家のスタイルはズバリ「下層階級」に属するものであることも判明した。

確かに海外であるレベル以上のホテルに泊まると、テレビは見えないところに仕舞われている。日本でも外資系の高級ホテルに泊まるとたいていそうだ。テレビに限らず、電化製品というモノはたいていデザイン的に「見苦しい」モノという感覚があるのだろう。そうした観点からは、パソコンやプリンターなどはおそらく最悪な外観を呈していると言えるのではないか。ヨーロッパでは19世紀と変わらぬインテリア・スタイルを持続させている部屋など当たり前のようにあるだろうが、わずかこの100年もたたない間に出て来た様々な電化製品は、そんな部屋の中でどんなにがんばってもデザイン的に馴染まないのであろう。日本の家屋の内側は、外側と同様、戦後に和洋新旧様々なスタイルが混然一体となってしまったので、逆にそこにどんな新しい電化製品が来ようが違和感がない、と言うか、それくらい混乱してしまっているのであろう。

我が家ではテレビをあまり見ない。毎週あるいは毎日必ず見るという番組がないのである。だからやってみた。ホテルの真似をして、テレビを片付けてしまったのだ。壁の中の収納に扉をつけ、その中にテレビを仕舞った。画像は、2つある収納扉の左側をちょっと開けた状態。右側は閉めたままである。テレビがのぞいていて、その上が書棚になっている。両方を開ければテレビが見られるのである。両方を閉めれば収納扉がずらっと並ぶだけで、「見苦しい(?)」テレビは消え失せて極めてスッキリした外観となる。おかげでテレビを見る時間がますます少なくなった。それで済んでいるのだから、それに越したことはない。テレビから得られる情報の大半は、不要だと言うことなのだろう。
コメント (8)
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