夜な夜なシネマ

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『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』

2015年08月12日 | 映画(ら行)
『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』(原題:Love & Mercy)
監督:ビル・ポーラッド
出演:ジョン・キューザック,ポール・ダノ,エリザベス・バンクス,ポール・ジアマッティ,
   ジェイク・アベル,ケニー・ウォーマルド,ブレット・ダヴァーン,グレアム・ロジャース他

シネマート心斎橋で3本ハシゴの3本目。

“ザ・ビーチ・ボーイズ”は、おそらく私よりも少し上の世代がハマったバンド。
ゆえに客の年齢層はちょっと高め。平日18時半の回にそこそこ入っていました。
私はといえば『テルミン』(1993)を観て、あのバンドかと思ったぐらいの興味で、
これもジョン・キューザック主演でなければスルーしていたかも。
そして本作を観た今、“ザ・ビーチ・ボーイズ”への興味は格段に増しました。

1961年に結成されたロックバンド“ザ・ビーチ・ボーイズ”。
メンバーはブライアン・ウィルソンと弟のデニス、カール、
従兄のマイク・ラブ、高校時代の同級生アル・ジャーディン。
曲づくりはもちろんのこと、楽器の用い方やコーラスの方法などすべての面において、
天才ミュージシャンのブライアンが引き受ける。

サーフィンの流行と相まって、ビーチ・ボーイズの曲は若者たちの心を捉え、
ブライアンらは瞬く間にスターへの階段を駆けのぼる。
メンバーが浮かれるなか、ブライアンは曲づくりのプレッシャーに押しつぶされそうに。
曲づくりに専念したいからとツアーには参加せず、ブライアンはスタジオにこもる。

その結果、生まれた革新的な音楽。
ブライアンの指揮のもと演奏したスタジオミュージシャンたちをも唸らせる。
しかし、ツアーから戻ってきたマイクは、
これまでのビーチ・ボーイズのイメージを一変させる曲に大反対。

時を経た1980年代、表舞台から姿を消したブライアンは心に問題を抱え、
何をするにも精神科医ユージン・ランディの許可なくしては動けずにいる。
ユージンともども入店した自動車販売店で、
セールス担当の美しい女性メリンダ・レッドベターと出会う。

ユージンの勧めもあり、メリンダとしばしば出かけるようになるブライアン。
彼と過ごすことをとても楽しく感じていたメリンダだが、
ユージンから呼び出しを受け、ブライアンとの交際にルールを課される。
ブライアンがユージンによって薬漬けにされているのではないかと訝ったメリンダは……。

1980年代のブライアンにジョン・キューザック。
額の後退といい、顔の皺といい、年を取ったなぁと思い、そりゃ私もだと愕然。(^^;
1960年代のブライアンにポール・ダノ
似ているとは思えないのですが、どちらも精神に障害を抱えた男をサラッと熱演。
アンタこそがおかしいやろと言いたくなるユージンにポール・ジアマッティ
キレ味抜群で相変わらずの曲者ぶり。腹立たしいほどのいやらしさ。
メリンダ役のエリザベス・バンクスは80年代の女性がよく似合っています。

太陽が燦々と降り注ぐビーチで聴かれた曲たちにこんな苦悩が眠っていたとは。
壊れかけた天才を救ったラブ&マーシー、愛と慈悲。

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