夜な夜なシネマ

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『この国の空』

2015年08月20日 | 映画(か行)
『この国の空』
監督:荒井晴彦
出演:二階堂ふみ,長谷川博己,工藤夕貴,富田靖子,利重剛他

大阪ステーションシティシネマで『日本のいちばん長い日』を観て、
TOHOシネマズ梅田で『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』を観て、
この日の3本目である本作を観にテアトル梅田へ。
1本目といい3本目といい、戦争映画は客の年齢層が高く、いずれも満席。

芥川賞作家・高井有一の同名小説を映画化で、荒井晴彦監督は日本を代表する脚本家。
日活ロマンポルノの傑作とされる『赫い髪の女』(1979)や根岸吉太郎監督の『遠雷』(1981)、
最近の作品では『やわらかい生活』(2005)、『さよなら歌舞伎町』(2014)、
それにTVドラマ『深夜食堂』もこの人の脚本によるもの。
本作はその脚本家が18年ぶりにみずから監督も務めて。

太平洋戦争末期、東京・杉並の住宅地に暮らす19歳の里子(二階堂ふみ)。
母親(工藤夕貴)と二人住まいだったが、
ある日、空襲で家族も自宅も失った横浜の伯母(富田靖子)が転がり込んでくる。

男手がないので、何かの折りには隣人の市毛(長谷川博己)が頼り。
銀行員の市毛は妻子を疎開させている。
一人暮らしの市毛の身の回りの世話を買って出るうち、
里子は彼のことを男として意識するようになり……。

『日本のいちばん長い日』と時を同じくして、
それとはまったくちがう方向から描かれた戦争映画。
少女から女へと成長していく里子の姿が生々しい。
茨木のり子の詩も反戦歌として耳に残ります。

ただ、長谷川博己はこれまでの配役が強烈すぎて、もう普通の人には見えないのが難点。
真面目な表情をしていても何かやらかすのではないかと思わずにはいられず。
しかも数日前に『野火』を観たところだから、なんだかのめり込めなくて、
結果、すみません、またまた睡魔に襲われてしまいました。

この手の作品は退屈と言ってはいけない雰囲気がありますが、
私にはちょっとつまらない。
だけど、どこからもいびきが聞こえなかったところをみると、
高齢層の客の心は掴んでいたのでしょうかねぇ。うぬっ。

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