夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『アーヤと魔女』

2021年09月11日 | 映画(あ行)
『アーヤと魔女』
監督:宮崎吾朗
声の出演:寺島しのぶ,豊川悦司,濱田岳,平澤宏々路,シェリナ・ムナフ,柊瑠美他
 
通常、モールに入るシネコンで映画を鑑賞するとき、
私は出口近くにしか駐車しません。出庫に時間がかかるのは嫌だから。
映画の上映終了時刻が23時を回るようなときは、
TOHOシネマズ西宮でも109シネマズ大阪エキスポシティでも
出口近くに駐めるなんてことはせずに、劇場のある階に駐めます。
だってほかに客はいないんだから、すいすい出庫できますしね。
 
緊急事態宣言発令下、シネコンが入るモール自体が20時までの時短営業中。
映画館の営業が終わるのは21時のため、その頃にはモールの客はすでに帰っているはず。
いつだったかそう踏んでエキスポシティで劇場階に駐車したら甘かった。
なんでまだ客こんなにおるねんというぐらい出庫に時間がかかり、
それに懲りてエキスポシティでは決して劇場階に駐めないことにしました。
 
イオンシネマ茨木でもそうなるのかと警戒していましたが、大丈夫のよう。
ゆえにイオンシネマ茨木では毎回劇場階に駐車しています。
 
『ハウルの動く城』(2004)原作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる同名児童文学の映画化。
スタジオジブリ初のフル3DCG作品です。
 
封切りになってからまだ3日しか経っていない日だったのに、客は私ともうひとりだけ。
そんなに評価が低いんですか。なぜか目の敵にされている感のある宮崎吾朗監督。
宮崎駿を父親に持ったことの悲劇としか言いようがありません。
 
アーヤの母親は魔女。ほかの魔女から追いかけられていた彼女は、
赤ん坊のアーヤを孤児院“子どもの家”の前に置き去りにし、
片がついたら必ず迎えに来るからそれまで預かってほしいという手紙を残す。
 
子どもの家ですくすくと育ったアーヤは10歳になる。
孤児たちはみんなアーヤの言いなりで、特にカスタードという男の子はアーヤの子分同然。
園長先生すらアーヤに手玉に取られているのに、そうとは気づいていない。
このままカスタードと一緒にずっと子どもの家に居たい。

そう思っていたのに、ある日、魔女ベラ・ヤーガと彼女の同居人マンドレークがやってきて、
アーヤを引き取りたいと言う。青天の霹靂。
 
ベラ・ヤーガは母親になるつもりなどなく、ただ手伝う者がほしかっただけ。
魔法を覚えられるならばそれでもいいやとアーヤは思うが、
一向に魔法を教えてくれそうな気配がなく、ひたすらこき使われる日々。
そこへ、人間の言葉をしゃべる猫のトーマスがアーヤに声をかけてきて……。
 
そんなに駄目ですかね、これ。
ベラ・ヤーガに寺島しのぶ、マンドレークに豊川悦司、どちらもとてもよかった。
特に、世にも恐ろしい魔法使いのマンドレークが、
アーヤにおだてられると燃えんばかりに照れるところなんて可愛すぎる。
憎たらしそうで憎めないギリギリの線のアーヤ。その声を務める平澤宏々路も○。
もちろん黒猫トーマスの濱田岳もいいですよ。
何より、大変美しいフル3DCGでした。
 
確かに終わり方はよろしくない。あまりに唐突でたまげました。
えっ、まだこれからじゃないの?というときにエンドロール。
そこまでで80分近く過ぎていたわけですから、
時間が経つのを忘れて見入っていたのでしょう。だったら面白かったんだと。
 
あまりダラダラと長いのもどうかと思いますが、
アーヤが母親のことを聞かされていたのかどうか、
聞かされていなかったのなら母親についてどう思っていたのか、何もわからない。
だから、母親との再会に何の驚きも感動もありません。
 
エンドロールの直前までとても楽しかっただけに、ぽかーん。
どうしたらよかったのでしょうね。なんだかとてももったいない。
にしても、こきおろされるほどではないんじゃないかと、
宮崎吾朗監督をかなりお気の毒に思う。

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