夜な夜なシネマ

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『先生、私の隣に座っていただけませんか?』

2021年09月27日 | 映画(さ行)
 『先生、私の隣に座っていただけませんか?』
監督:堀江貴大
出演:黒木華,柄本佑,金子大地,奈緒,風吹ジュン他
 
“TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2018”で準グランプリを受賞した作品。
この賞って、完成した映画で応募するのではなく、企画で応募するものなんですね。
で、何らかの賞を獲得した企画が映画化される。
『ブルーアワーにぶっ飛ばす』は爆睡した覚えがありますが(すみません)、
それ以外はどれも面白かった。そして本作もアタリでした。
 
イオンシネマ茨木にて。
 
売れっ子漫画家の早川佐和子(黒木華)は連載の最終回を描き上げたところ。
さっそく次の連載について相談したいという編集担当者の桜田千佳(奈緒)に
検討することを約束して、彼女を送って行くよう、夫の俊夫(柄本佑)に促す。
 
その直後、佐和子の母親である下條真由美(風吹ジュン)が事故に遭ったとの報せ。
幸い怪我はたいしたことがなかったが、脚の骨にひびが入っているらしく、
車でなければ移動できないような田舎に住んでいるのに、運転できない状態に。
漫画ならどこででも描けるからということで、佐和子と俊夫は実家へ。
真由美が快復するまで同居を申し出る。
 
運転免許を持っていない佐和子は、この機会に実家近くの教習所へ。
自身も漫画家でありながらもう4年何も描けず、
今は佐和子のアシスタントを務めている俊夫が佐和子を教習所へ送迎。
 
ある日、佐和子の留守中に描きかけのネームをこっそり見た俊夫は愕然。
その内容は、夫と編集担当者の不倫を知った主人公の女性漫画家が教習所に通いはじめ、
復讐のために若い男性教官と浮気するという内容で……。
 
不倫がバレていないと思っていた夫が、妻は何もかもお見通しだったと知るときの表情。
最近シリアスな役が多かった柄本佑ですが、この彼はめちゃくちゃ可笑しい。
何度ふきだしたことかわかりません。全然タイプじゃないけど、絶品。
 
イケメン教官には金子大地。このところ、映画を観れば彼に当たる。
 いつもわりと自信なさげな役で、本作もそう。そこがいい。
 
はたして妻の描く漫画はどこまでが真実なのか。
途中、『マリッジ・ストーリー』(2019)みたいな終着点を想像しましたが、
あんな切なく美しいラストは待っていませんでした(笑)。
佐和子にしろ、浮気がバレていると知ってもまったく動じない千佳にしろ、
やっぱり「女って怖ぇな」と言わざるを得ません。
 
あ~、面白かった!

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