電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

NHK「立花登 青春手控え2」第2回「幻の女」を観る

2021年01月17日 06時01分47秒 | 映画TVドラマ
土曜の夕方、食事時にNHK-TVで「立花登・青春手控え2」第2回、「幻の女」を観ました。グレた職人・巳之吉がはずみで人を殺し、小伝馬町の牢送りになっています。これまで巳之吉の境遇は不遇なものでしたが、たった一度、少年時代におこまという女から好意を寄せられ、お守りをもらったことがありました。親方からそろそろ世帯を持ったらどうかとすすめられたとき、巳之吉はおこまの行方を探したのだそうです。牢医・立花登は巳之吉の頼みでおこまの行方を探しますが、おこまは亡くなった親の借金を返すために職を変え悪事に手を染め、今は小伝馬町の女牢に入っていました。いよいよ島送りになる巳之吉に、登は行方はわからなかったと告げます。巳之吉は登に感謝して行きます。女牢でおこまに会った登は、巳之吉の境遇を伝えます。おこまは、自分が牢に入っていることを巳之吉は知っているのかと問い、知らずに行ったと伝えられて泣き崩れます。

もし、もう少し境遇が違っていれば、違った運命がありえたのではないか。転落した不幸な男女にはそんな悔恨があったのかもしれません。世の中、自己責任とばかりは言えないものがあることは確かです。原作者である藤沢周平の描き方(*1)には、不幸な人々に寄せる温かな視点があります。

(*1):藤沢周平『風雪の檻・獄医立花登手控え(2)』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年9月



19時からは、山響第289回定期演奏会のライブ配信を観、聴きました。本日はナマ演奏を堪能する予定。

コメント (4)