電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ブログサイトで更新を維持するちょっとした工夫(3)

2006年09月18日 07時06分43秒 | ブログ運営
週末など時間に余裕のあるときに、記事のネタをいくつか考え、題名と要点だけを書いて、下書きとして保存しておきます。このとき、記事は未公開とします。数にして3~4件といったところでしょうか。

平日は、臨時のトピック記事があればそれを投稿しますが、格別のネタがなければ草稿中の記事を仕上げて投稿します。時間があれば、別の草稿も加筆します。数回見直して加筆修正すると、内容もある程度客観性が増すように思います。週末近くになると、アルコール系のほろよい記事が多くなるのは、アルコールが入ると眠くなる体調の問題とネタ切れ状態の相乗効果です。

先日の「早口言葉」は、苦しまぎれにひねり出したもののように見えますが、実は「英語で早口言葉ってあるのか」という疑問をあたためていて、偶然 Wikipedia で検索してみた結果の産物。先刻ご承知の人には笑止の内容でしょうが、自分としてはけっこう大発見のつもりでした。こういうのは、意外に楽しいものです。

それから、写真のかわりにスクリーンショット(画面の取り込み)を使う場合がありますが、これは ALT キーを押しながら PrtScr キーをポンと押すと、アクティブ・ウィンドウが画像として取り込まれますので、グラフィック・エディタを起動し「編集」「貼り付け」とりあえず「ファイル名をつけて保存」。あとは目的の範囲を切り取ったり、「拡大縮小」で目的のサイズにするなど加工して利用します。(Linuxでは、Gimpの「取り込み」を使っています。)
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あるソフトウェアの歴史~MS-Worksのこと

2006年09月17日 10時31分49秒 | コンピュータ
MS-DOSの時代、MS-Works2.5は驚異的に便利なツールでした。ThinkPad220 という携帯可能なサブノート型の MS-DOS パソコン上で、ワープロ、表計算、データベース、通信機能を持つ統合ソフトです。メディアはFDで、Setupディスクとプログラムディスクと学習ディスクの3枚、それに立派なマニュアルが2冊、入門ガイドと活用ガイドがついていました。特にこの学習ディスクに収められた自習プログラムが秀逸で、ハードディスク上でストレスなく Works の機能を体験できるようになっていました。データベースの機能は、ここで覚えたといってよいと思います。

Windows3.1の時代、FDは4枚に増え、マニュアルと学習プログラムは相変わらず秀逸なことに加えて、MS-Works3.0 は表現力を獲得しました。Win3.1のTrueTypeフォントを用いたワードプロセッサの機能を生かし、表計算の集計表やグラフを文書中に貼り付け、データを訂正すると報告書も変わるようにして、ずいぶん労力の軽減を図ることができました。ありがたかったのは、MS-Works2.5 の文書がほとんどそのまま引き継げたことで、文字のフォントを変えたり書体を変えたりして見ばえをよくしただけで、ずいぶん好評になりました。パソコン通信で Nifty-Serve の MS-Works会議室に定期的に出入りし、ノウハウを吸収したのもこの頃です。

Windows95/98の時代、メディアはCD-ROMとなり、マニュアルはいたって簡便なものになりましたが、MS-Works99はほぼ完成されたツールとなりました。特にインターネットでクリップアートを探し、文書中に挿入することで、センスのよい雰囲気のある文書も作れるようになりました。ワープロ文書の.WPS、表計算の.WKS、データベースの.WDBファイルなど WORKS3.0 のデータ資産をそのまま継承することができ、助かりました。マクロウィルスの心配もなく、MS-Worksの歴史上一番便利に使えた時代だったように思います。実際、このときまでのほぼ十年近い期間、MS-Worksは間違いなく私のトップツールの一つでした。

そして Windows2000/XP の時代になって、MS-Works2001 は私のトップツールではなくなりました。理由は、MS-Works の出来が良すぎると MS-Office の販売に影響が出るからと考えたのでしょうか、入門者でも扱いやすくベテランには使い慣れた「コンパクトなビジネス・ツール」から、葉書ソフトと抱き合わせた「家庭用ツール」として販売されるようになりました。ワードプロセッサ機能は Works3.0 以来の.WPSデータ資産を生かせないばかりか、MS-Works99の文書でさえ再現性が低く、前作よりはるかに完成度の低いものと感じました。ハードディスクのMS-WORKSデータ専用フォルダのうち相当数が開くことができないファイルになってしまっているとき、Windows95/98機をMS-WORKS専用機として残すべきでしょうか?答えは「いいえ」でしょう。現在は、MS-Access で管理するほどでない、個人的なデータベースのいくつかを、わずかに MS-Works2001 で継続して管理しているだけとなっています。

そして今、MS-WORKS はオンライン提供を検討されている(*)といいます。コンパクトなコードを生かし、広告つきでオンライン提供することで、WEB2.0の時代を乗り切ろうということでしょうか。長く MS-WORKS を愛用してきた者として、この愛すべきソフトウェア・ツールの行く末が気になります。

(*):マイクロソフト、WORKS のオンライン提供を検討へ~CNET Japanの記事より
(*2):と同時に、重要なデータの継承は私企業の営業戦略に左右されにくいものにすべきであるとも感じます。
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ブログサイトで更新を維持するちょっとした工夫(2)

2006年09月16日 21時55分55秒 | ブログ運営
身辺の日常雑記などは、忙しさに紛れて忘れてしまわないように、ちょっとメモをしておくことが大事になります。私の場合は、セカンドバッグの中や、あるいは枕元にちょっとしたメモ帳と筆記具を用意しています。ここに、思いついたことを書きとめ、あるアイデアは仕事に生かし、あるものは人との会話に用い、また良さそうなものを選んでブログのネタにします。

文字だけの記事では寂しい場合、自分で撮影した写真を使うことが多いです。幸い、若い頃から写真の趣味がありましたので、いつも小型のデジタルカメラをセカンドバッグにしのばせて持ち歩き、けっこうな量を撮影しています。撮影した画像は、連番の固有のファイル名がついていますので、デジカメからパソコンに移します。パソコン上では、日付のフォルダ(サブディレクトリ)を作り、そこに保存しています。

ただし、デジカメ写真はサイズが大きいのでそのままでは使えません。フリーソフトの「バッチグー(*1)」で320×240サイズに一括変換(*2)しておき、ときどきブログの画像フォルダに送信しておきます。この中から適当なものを選び、記事に貼り付けます。記事内容にぴったりの写真を探すのは、グラビアページの編集のようで、けっこう楽しいものです。

(*1):Windowsで動作する「BatchGOO!」ダウンロードサイト
(*2):写真では、縦構図と横構図がありますが、「バッチグー」では構図までは変換してくれませんので、Gimp や PaintShopPro 等のグラフィックツールで90度回転をして、構図の変換をします。
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ブログサイトで更新を維持するちょっとした工夫(1)

2006年09月16日 10時28分09秒 | ブログ運営
時間がいくらでも自由になる場合は別ですが、ブログサイトで更新を維持するのはけっこうたいへんです。特に、社会的な something new を志向したりすると、もうだめ。一度 Google 等で検索しただけで、世の中に新しいものなんてそうそうあるもんじゃない、とため息をついてしまいます。自分の記事の価値に根本的な疑問を持ちます。すると、投稿の気力はなえてしまいます。

でも、自分にとって something new があればそれでいいんだと割り切り、ブラウザのブックマーク(お気に入り)の肥大化を防ぐために、ページ単位でリンクを作成するツールと割り切れば、自分のメモとしてたいへん役立ちます。

たとえば法事のときの諸準備は、自分のブログで「法事」で検索すれば、記事として出てきます。
また、ブログサイト運営にかかわる著作権等に関する疑問に対しては、朝日新聞の土曜版「be」にこんな記事(*)がありました。これなどは、法律の条文の解説などよりもずっとわかりやすく、たいへん実用的なものだと思います。
(*):朝日新聞土曜版「be」より~ブロガーのための著作権講座

「アサヒコム」は、もちろんブラウザのブックマークに入っています。しかし、巨大なサイトをブックマークしただけでは、実用的ではありません。目的のページに到達するまでには、かなりの試行錯誤、紆余曲折が予想されます。もしかすると、目的のページに到達する前に別の記事に関心が移り、ミイラ取りがミイラになってしまうかもしれません。

こんなふうに、サイト単位でブラウザにブックマークするのではなく、ページ単位でリンクを整理する仕組みとして考えれば、自分のパソコン以外のところからでも、日付検索やキーワード検索などもでき、たいへん実用的です。

自分のブログはまず自分にとって役立つものであることが必要で、それが他の人にも役立つならなお結構、という認識が大切であるように思います。
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早口言葉

2006年09月15日 22時41分41秒 | Weblog
花の金曜日、明日からは連休。ちょいとお酒が入っております。エタノールのおかげで、口が回らなくなります。早口言葉をやってみましょう。

赤巻紙、青巻紙、黄巻紙。
隣の客はよく柿食う客だ。
生米、生麦、生卵。
東京特許許可局。

定番だな。じゃ、これはどうか。

骨粗しょう症訴訟勝訴。

次は英語で。

She sells sea shells by the sea shore.

これ、有名なのだとか。

出典は、いわずと知れた Wikipedia(*) なり(^_^)/

(*):Wikipedia より 「早口言葉」
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涼しさを通り越して

2006年09月14日 20時35分08秒 | 季節と行事
ここ数日、気温の低い日が続いています。日中で22~23度、日没時には17~18度くらいと、かなり低い温度です。例年、九月・十月は気温の変化が激しく、特に15度あたりを切るようだと、むしろ寒さを感じるようになるように思います。日中が比較的暖かい日など、夜まで仕事をしていたりすると、背中がぞくぞくして初めて気がついたりして、つい風邪を引きやすい時期です。衣類も、そろそろ夏物をかたづけて、秋・冬物に入れかえなければいけません。

周囲の自然も、緑濃い夏の風景から赤や黄色に色づいて、次第に秋の装いに変わって行きます。わが家の果樹園も、実りの秋を迎えます。ただいま、プルーンの収穫真っ盛りです。
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デュマ『モンテ・クリスト伯』第1部を読んでいます(1)

2006年09月13日 20時25分55秒 | -外国文学
ただいまアレクサンドル・デュマの大作、『モンテ・クリスト伯』の第1部の前半を読んでいます。

航海の途中で商船ファラオン号の船長が亡くなり、20歳を過ぎたばかりの若い一等航海士エドモン・ダンテスが船長の代わりを務め、年老いた父の待つ母港マルセイユに帰ってきます。会計係のダングラールはエドモンを憎んでいます。エドモン・ダンテスの婚約者メルセデスは、カタロニア村の貧しい孤児でしたが、従兄のフェルナンの求婚を拒み、エドモンの帰港を待っていました。最愛の女性に拒まれたフェルナンはダンテスを憎みます。
ダンテスの隣家の仕立て屋カドルッスは飲んだくれて、ダングラールがフェルナンに密告を唆したことを止めようとしませんでした。ダンテスとメルセデスの幸福な結婚式の最中、憲兵があらわれダンテスは逮捕されます。容疑は、エルバ島に流されたナポレオンの手紙を仲介したことでした。政治犯です。



物語の発端部。何度も読んですっかり頭に入っていたと思っていましたが、あらためて読んでみると、フランスの中でスペイン系住民の集まるカタロニア村の人々の置かれた立場や、その中でメルセデスの貧しさ、生活上の苦しさなどに、初めて気づきました。まだまだ読みが浅かったなと反省。少しずつじっくり読む予定、まだまだ先が楽しみです。
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英語の発音で、中学時代の先生に感謝

2006年09月12日 20時09分45秒 | Weblog
先頃、英語でスピーチする機会がありました。無論、私も生まれてはじめての経験です。担当者の力で原稿はある程度できており、ネイティブの人に表現を見てもらった上で少しだけ手直しをして、とにかく暇をみて練習。

昔は紙の辞書を引いて発音記号を確かめたものですが、今は例えばgooのトップページから利用できる英和辞典で、主だった単語については、ネイティブの発音を聞くことができるのですね!Windows Media Playerの音声を聞きながら、発音やアクセントを確かめて、リズミカルに流れるようにスピーチを練習。本番ではほとんどノーミスで拍手までいただき、気分良く帰りました。



つくづくありがたいと思ったのは、田舎の中学校で最初に英語をならった女の先生が素晴らしくきれいな発音で、英語と日本語の違いをたたきこまれたこと。発音記号などもかなり詳しく習うことが出来ました。「eをひっくり返したようなアとvをひっくり返したようなアの発音はどこが違うか」と質問すると、「アクセントの有無に注意してごらん」との答え。これ、中学二年生の頃ですよ。信じられない。

学年が進むと、教科書を読むにも音楽記号のタイやスラーのような印をつけさせ、たとえば in order to ~ はきっちりと「インノーダートゥ~」と読ませます。パラグラフを区切るには、スラッシュ記号まで歌うように一息に、と教えます。時には英語の歌を無伴奏で歌って真似させて覚えさせる、そういう授業でした。

今思うと、最初の二年間、いい先生に習うことが出来たことに感謝です。英語については、ほんとうに最初の先生しだいのような気がします。この先生、40年後の今も私のアイドルです(^_^)/
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昨日のN響アワー、シューマン夫妻の音楽。

2006年09月11日 21時21分20秒 | -オーケストラ
昨日のN響アワーは、第2週ということで、没後150年にあたるローベルト・シューマンにちなんだ池辺晋一郎の音楽百科「シューマンのロマンを聞く」でした。

はじめに、ピアニストであり作曲家であった妻クララが、ドイツマルクの紙幣の肖像として使われていたことや、そのおいたちがビデオで簡単に説明されます。高橋美鈴さんの解説ナレーションはとても素晴らしいです。
そのクララ・シューマンが十代の半ばで作曲したピアノ協奏曲イ短調作品7の第3楽章を聞くことができました。ピアノパートはもちろんクララが作曲したものですが、オーケストレーションはローベルトにいろいろと相談したと日記に記しているとのこと。それも興味がもたれます。ピアノは伊藤恵さん、指揮は準・メルクル。私には、1回だけ聞いて判断できる力はありませんので、収録したDVDで何度か聞いてみたいと思います。

続いてローベルト。病気や指の故障のことにはあまり触れず、さらりと流して二人の結婚の話題に。準・メルクルの短いインタビューがあり、クララは技術的なところ、ローベルトは技術の先に詩情を指摘していました。これはけっこう本質的なところかもしれません。

さて、今日の本命は、準・メルクルの指揮によるローベルト・シューマンの交響曲第1番変ロ長調作品38「春」です。この番組で全曲を取り上げるのは、放送時間枠の関係もあり珍しいのですが、今日は全曲放送のため、池辺さんの駄洒落も爆発する時間が窮屈で不発に終わってしまったようです。

第1楽章、アンダンテ・ウン・ポコ・マエストーソ、アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ。わりに速いテンポで、ロマンティックに歌い上げるというよりは軽くノリのいい調子でブンチャカブンチャカ飛ばします。
第2楽章、ラルゲット、(アタッカ)。テンポ遅し。
第3楽章、スケルツォ、モルト・ヴィヴァーチェ。ここもわりに速めか。
第4楽章、アレグロ・アニマート・エ・グラツィオーソ。古楽器奏法の影響なのでしょうか、リズムが弾むように演奏されます。その反面、優しくたゆたうようなやわらかい響きは後退するようです。

準・メルクルの考えるシューマンの音楽、緩急の対比と、いきいきとした躍動的なリズムを強調した音楽のように聞きました。もう少し第2楽章がテンポよく流れてくれればなおよかったかと思いますが、これはこれで面白いと思いました。

参考までに、演奏データを示します。準・メルクルとN響のデータは、DVDプレーヤーの表示でタイムを測りました。
■準・メルクル指揮N響
I=9'16" II=9'01" III=5'27" IV=8'09" total=31'53"
■カラヤン指揮ベルリンフィル
I=10'41" II=6'17" III=5'52" IV=7'22" total=30'12"
■スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ
I=11'50" II=6'05" III=4'36" IV=9'13" total=31'44"
■クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団
total=34'56"
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今日のN響アワーは必見!

2006年09月10日 12時18分27秒 | クラシック音楽
毎週日曜夜の楽しみは、NHK教育テレビ21時の「N響アワー」です。今日は、なんと150年記念年のローベルト・シューマンの特集のようで、クララ・シューマンとの恋愛や、交響曲第1番「春」などが放送されるようです。これはぜひとも見なくては!
シューマンの音楽がお好きな方は、ぜひお見逃しなく(^_^)/
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ブラームス「ピアノソナタ第3番」を聞く

2006年09月10日 09時29分38秒 | -独奏曲
ブラームスのピアノソナタをまじめに(?)聞いたのは初めてかもしれません。この1週間ずっと通勤の音楽で聞いていました。今朝は早朝から河川清掃のボランティアがあり、帰宅・朝食後にシャワーを浴び、ゆっくりとこの曲を聞いています。演奏はブルーノ・レオナルド・ゲルバーで、1992年にオランダのライデンにあるスタッツヘホールザールでデジタル録音された、DENONのCD(COCO-70533)です。

第1楽章、アレグロ・マエストーソ。ピアノの重低音と、鐘の音を模したかのような強い第1主題の印象が圧倒的な音楽です。
第2楽章、アンダンテ・エスプレッシーヴォ。静かだが文字通りエスプレッシーヴォな、沈潜する音楽。
第3楽章、スケルツォ、アレグロ・エネルジコ。短いが、下降する音型がきらめく光のよう。
第4楽章、インテルメッツォ、「回想」、アンダンテ・モルト。短い楽章ですが、ところどころに、えっ、今の、なんか不協和音と違う?と思うような箇所がある。
第5楽章、フィナーレ、アレグロ・モデラート・マ・ルパート。とにかくすごいテクニックを要求される音楽みたい。

急ー緩ー急ー緩ー急、という楽章構成になっているようで、名前はピアノソナタという範疇に入るようですが、モーツァルトやベートーヴェンの時代のピアノソナタとはずいぶん受ける印象が違います。やっぱりリストやワーグナーの同時代の音楽という感じです。これだけピアノの低音を響かせた、迫力のある演奏を要求するのは、ピアノという楽器の性能や表現力が格段に向上していたからでしょう。

作曲された1853年は、熱力学の第二法則とかベッセマーの旋回式弾丸が発見・発明された年というよりも、日本で言えばもう明治維新が目前の頃。産業革命を経て鋼鉄が大量に生産され、鉄道が普及し軍艦や大砲が鋳造されていた時代です。フレームもピアノ線の質も、劇的に改善されていたのではないか。迫力ある強靭な低音の上に、つぶやくように展開されるエスプレッシーヴォな響きから、理系人間はそんなことを考えます。

R.シューマンにより、「新しい道」と劇的に紹介されたブラームスは、どうして以後ピアノソナタを書かなかったのか。もう三曲も書いちゃったから?シューマンより多く書くのは義理が立たない?クララ・シューマンに怒られる?別の方面に作曲意欲を燃やしていたから?

職場に演奏経験のある同僚がいて、ブラームスのソナタのことを「えれぇ難しい」「なんでこんなとこでこんな跳躍をするんだよ!と思っちゃう」と言っていました。私は技術的なことは皆目わかりませんが、「へー、そうなのか」と妙な納得。依然としてたくさん謎なブラームスです。でも、録音も素晴らしく、聴き込むほどに味のあるブラームスの音楽です。併録されている「ヘンデル・ヴァリエーション」も素晴らしいが、これはまた別の機会に。

参考までに、演奏データを。
■ブルーノ・レオナルド・ゲルバー(Pf)
I=9'44" II=11'27" III=4'12" IV=3'12" V=6'58" total=35'33"
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「お婆さんハッカー」に胸キュン

2006年09月09日 05時13分57秒 | コンピュータ
ときどき見ている Open Tech Press で、2人の「お婆さんハッカー」のインタビュー記事(*)が紹介されていた。いや、もう感動モノです。(ここでいう「ハッカー」はもちろん尊称です。)
この二人は、私よりもやや年上か、同い年くらいの女性のようだが、ほぼ同時代の懐かしさに思わず胸キュン。私が学生だった頃、大学に大型計算機センターなるものができ、汎用機を時間貸しする企業もあった。そこにはコンピュータを「お守り」する人がいて、ボスは偉そうなおじさんだったけれど、パンチカードを渡してくれるのは若い時代をつい先ごろ超えたばかりの女性だった。
数学科の同期の女子学生が、汎用機で数値計算に取り組んでいるのを横目に、実験に明け暮れるこちらは、いかにも野暮ったい感じがしていた。だけど、その後のミニコンの衰退、パソコンの台頭、UNIXワークステーションの普及と大学ネットワークの構築、民間の商用パソコン通信の開始などなど、大きな波はあのお嬢さんたちの上にもやってきたのだろう。彼女らは、はたしてどの程度生き残ることができたのだろうか。
同級生の一人は、今もAccessのフロントエンドを受注したりしながら余暇を楽しんでいるのだとか。それは結構なことだ。たぶん彼女あたりも、もし業界でしぶとく生き残っていたら、さぞかし「コンピュータおばあちゃん」「お婆さんハッカー」などと呼ばれたのかもしれない。

(*):2人の「お婆さんハッカー」のインタビュー記事
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バケツいっぱいのカセットテープ

2006年09月08日 05時41分09秒 | クラシック音楽
古いカセットテープを、また捨てます。30数年前の、大学生協ブランドのマクセルUDシリーズのテープとか、一時国内販売されていたBASFの90分テープなど。大半がLPからダビングしたり、FM放送をエアチェックしたりしたものです。その後、CDで入手したものも多く、重要なものはMDにダビング完了したので、テープのワカメ変形の心配もなくなりました。
一番よく聞いたのは、たぶんシューマンの室内楽とピアノ曲を集めた、DENONのDX1という種類の安物50分テープでしょう。ミルトン・トーマス(Vla)と神野明(P)によるシューマン「おとぎの絵本」Op.113とか、ルービンシュタイン(P)の「幻想小曲集」Op.12などを収録したもの。1980年2月14日にエアチェックしたものの余白に、LPからフィルアップしたものですが、お嫁に行った娘が生まれる少し前のものでしょう。
いけないいけない、テープに記載された日付を見ていると、また捨てられなくなります。捨てられないのはポリエステルに磁性体を塗布した物体ではなく、これまで過ごしてきた時間なのですね。
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現存する最古の自筆楽譜

2006年09月07日 05時40分51秒 | クラシック音楽
いえ、つい最近発見されたバッハのものとかいうんじゃなくて、自分の。
先日、本棚の整理をしていて、見付けました。たぶん、1969年か70年頃のものでしょう。ベートーヴェンの交響曲第五番の第二楽章。緊張感に満ちた全曲の中で、雄大で堂々とした中にもほっとするような伸びやかさを感じるこの音楽が好きで、何かの本から書き写したのだと思います。
パソコン歴は20年以上だが、クラシック音楽愛好歴は、うーん、もう40年近いのか。思わず感動してしまいました。で、記念にスキャンしておいたという次第。

ベートーヴェンの交響曲第5番、「ジャジャジャジャーン」をとばして第2楽章から聞き始めることがほとんど、というのは実はナイショです(^o^)/
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迷いアゲハ

2006年09月06日 19時38分40秒 | Weblog
涼しく気持ちのよいお天気の昨日、窓を開けていたらカラスアゲハが迷い込んできました。照明に引き寄せられたのか、しばらくひらひらと蛍光灯にたわむれ、やがて開け放った窓から出て行きました。カラスアゲハの見事な黒を見慣れている目には、ごく自然な出来事に感じますが、あまりチョウが好きでない人は、見ただけでぞっとするのだそうです。美しさや自然さも、受け止め方は様々だということでしょう。
いずれにしろ、当地はたいへん豊かな自然に囲まれた地方だ、ということだけは確かであります(^_^;)>poripori

通勤の音楽、今週はブラームスのピアノソナタ第3番 ヘ短調 作品5を聞いております。ブルーノ・レオナルド・ゲルバーの演奏。まだまだ聞きなじむところまでは行っておりません。読書は、アレクサンドル・デュマの『モンテ・クリスト伯』を読み始めました。まだほんの始まりの部分だけ。今後の波乱の展開が待たれます。
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