サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【アルバムレビュー】POP AND DECADENCE/MOON CHILD

2024-01-27 | アルバム感想












1.joy of life
2.快適な生活
3.フリスビー
4.ミスター・スプラッシュマン
5.ドンファンの食卓
6.ケ・セ・ラ・セ・(ラ)・ラ・バ・イ
7.マリーのコーヒーカップ
8.サン サン サン
9.requiem for the man of nomad
10.自称ルースター男の懺悔
11.太陽とシーツ
12.朝焼けの唄
13.グロリア
14.INTERLUDE
15.STAR TOURS







「選ばれて生まれてきたんだ僕は」
とてもそんなふうには思えない日常さ
(サン サン サン)











99年の1月27日に出たアルバム。
つまり、今からちょうど25年前に発売になったんですよね
実は
カレンダーにも記入してて、
本作の四半世紀経過をお祝いしようと前々から企んでいました
自分はその頃小学6年生でしたけど
なんとか
このアルバムをコンスタントに聴きながら25年間生き抜く事が出来ています

本当にありがとうございます
(まあこんな場末のブログなんて見てないでしょうが笑 インフルエンサーでもねぇし)。

「POP AND DECADENCE」はMOON CHILDの3枚目のアルバムであり最後のアルバムでもあります
本作が出たタイミングで解散を発表し当時めざましテレビ等のニュース番組でも報道されていました
個人的には、
ファンだったバンドが解散する~という出来事を一番最初に体験したのがMOON CHILDだった気がする
その後、一時的に再結成して念願のライブに行けたのは今でも素晴らしい思い出の一つ...ですね
確かサポートにSOPHIAの都さんが居て自分にとっては堪らない公演でしたね。


子供の頃は、
MOON CHILDのファンで
かなりの頻度でCDを聴いたり歌番組の出演等をチェックしていました
その中でも一番聴き込んでいる.....いや、今でも普通に聴いたりもしてるので
最早「懐かしい」という感覚すら無いのが本作でありMOON CHILDで一番好きなアルバムです。
しかも、
このアルバムは
記憶が確かならば増えて来たお年玉かなんかで自費で購入したはず
当時住んでいた横浜市戸塚駅のTSUTAYAで・・・
その光景と、
ちょっと大人になった感は未だに脳裏に焼き付いていますね

正直、
本作に関しては
思い入れが強すぎて
自分の中では簡単に語れない。

ある種人生に寄り添ってもらってるアルバムでもあるので・・・
ただ、
「POP AND DECADENCE」という
直訳すると❝ポップと退廃❞ってタイトルは
自分の趣向そのものだと思うし、
そして、
当時のMOON CHILDが置かれていた状況が生々しく刻まれている様にも思う。



スリーサイズとか
歩幅より
やさしさ量るメジャーが欲しいよ
(ケ・セ・ラ・セ・(ラ)・ラ・バ・イ)




基本的に、
曲目のところで赤字にしてる曲が特におススメの楽曲~という事なんですが
本作に限ってはそれもあてにならないというか、ぶっちゃけ収まりが付かないんで。
はっきり言って殆どの曲を赤字にしたいくらいお気に入りの曲だらけなんです
ジャンル的にもバラエティ感たっぷりで
アングラなロックから
ポップス、
ギターロック、ファンク、バラード、ピアノロックに退廃的なロックナンバー、
オールディーズのエッセンスを取り込んでいる楽曲もあったりと
今考えれば
この一枚でこの世には様々な音楽がある。という事を学んでいたのかな。と思う
誰にでもそういう作品はあると思うけど、自分にとっては本作だったのかもしれないですね
この超カラフルなアルバムを聴き込んだお陰で今様々な音楽に対応出来る様になっている感覚もあり、
そういう意味では自分の音楽人生を引っ張ってくれた感謝すべき一枚なんですよね。
例えば、
「joy of life」で日本のコアなロックバンド(じゃがたら、DMBQ等)を素直に好きになれる土壌が出来て
「requiem for the man of nomad」の性急なピアノロックっぷりが今ずとまよを好きな土壌なのかもしれない。
大げさではなく、
自分にとっては(冷静に考えると)音楽の教科書の一つだったんじゃないかな、なんて風に思います。

ただ、
本作は音楽への限りない探究心が垣間見えるアルバムであると同時に、
タイトルに偽りなく一つのバンドが終わっていく様を生々しく描いたドキュメント性にも満ちています
そういう意味では
コンセプチュアルな側面もありますね
勿論、
(これもタイトル通り)ポップに突き抜けている楽曲もありますが、
全体的に漂う哀愁だったりやりきれなさ、退廃的な匂いが物心付いた自分にとっては刺激的だった
今考えれば本作に触れていた事で後にsyrup16gやART-SCHOOL等の世界観を素直に受け入れられたのかも
正直、
ブレイク後のチャートアクション的には恵まれてない時期の作品の為
知る人ぞ知る~というポジションの作品だとは感じますが、
それでも
MOON CHILDの(ガチめな)ファンは本作を最高傑作に挙げているイメージです
なので、絶望と哀愁と混沌と希望が入り混じる人間そのものの様な本作を
機会があったら是非触れてみて欲しい・・・ですね
出来れば、
一枚通して...ってのも今の時代はわがままになってしまうのかね
ただ、「joy of life」から始まって「STAR TOURS」で終わるトコがこの作品のすべてだとも思うし。
解散に向かって行くバンドの雰囲気とそこからの想いがここまで如実に出てるアルバムも早々無い
そう考えると、色々な意味合いで唯一無二のアルバムなのかも、、、しれません。

先述の通り、
思い入れが深すぎて
長い年月聴き過ぎて
中々自分の中では気ままに語れない重い想いがある作品だったんですが
コンスタントに聴いてるからか今月で25周年な事に気付いたので
良い機会でもあるし少ない語彙力で頑張ってみました。



僕は僕なりの
夢に死ぬのさ
(ミスター・スプラッシュマン)



楽曲に関して語ると、
いきなり自暴自棄になってる心境を歌っているアナーキックな「joy of life」から始まる
当時は小学生ながら「この人、大丈夫なのかな・・・?」とドキドキしながら聴いたものだ
のっけからMOON CHILDのイメージには無いオルタナティブなロックナンバーから始まるので、
全体もそういう雰囲気かと思いきや、
軽やかなポップナンバー「快適な生活」で早くも裏切られる
続く「フリスビー」も爽やかなメロディが聴いてて気持ちの良い小気味良いロックナンバー
(この辺も赤字にしたかった.....)

本格的なファンク「ドンファンの食卓」と
哀愁が滲む「ケ・セ・ラ・セ・(ラ)・ラ・バ・イ」も名曲
「ケ・セ・ラ・セ・(ラ)・ラ・バ・イ」に関しては未だに悲しい気分になった時に聴くので、
この曲も最初は赤字候補だったくらい
そうそう、
ケセラセラって言葉も多分一番最初はこの曲で(自分は)知ったんじゃないかな?
「マリーのコーヒーカップ」も良い・・・
しっとりとした王道のバラッドで
J-POPに対する愛情が感じられる素敵な一曲。
軽快で明るいメロディが聴いてて楽しい「サン サン サン」は
雰囲気はブライトなものの、時折滲み出て来る哀愁にヤラれてしまう一曲
冒頭に引用した「「選ばれて生まれてきたんだ僕は」
とてもそんなふうには思えない日常さ」
という歌詞は自分自身ずっと思っている事であり、
本作の歌詞の中でもトップクラスに好きなフレーズだったりもする。

バラードと言えば、
80年代後期~90年代前半の硬派系J-ROCKバンドの匂いがする「自称ルースター男の懺悔」も好き
ぶっちゃけ小学生が聴くには渋すぎる曲なのでリアルタイムでは唯一好きじゃない曲だった笑
(でも飛ばさなかった)
ただ、
この曲は大人になるにつれて良さが分かって来たし、
実際孤独を抱える大人に向けて作られてる曲だったんだとも思う。
限りなく退廃的で本作のシンボルとも言える「太陽とシーツ」も大好きで
これが赤文字じゃないのは自分自身に対して憤りを感じるほどだ💢
冷めきった声で「啼けない鳥が翼ひろげてうたうのさ」と歌うこの曲の退廃的な雰囲気は
リアルタイムの時はある種の憧憬を抱きながら聴いていた覚えがある。
そして、
名曲「朝焼けの唄」も忘れてはいけない。
絶望から立ち上がろうとする人間の心境がシリアスに歌われているミドルチューンで
個人的にはシングルカットしてても良いんじゃないか?と思える出来だと思う
「何がいけなくて 何が正しいの?教えて 誰もが口をつぐむだろう」ってフレーズが大好き。
当時はCMソングとして流れていた往年のロックのオマージュにも思える「グロリア」
「思春期注射で立派なロマンス娘」って歌詞に昔はドキドキしてたな(笑
そう言えばエロスも忘れてないアルバムでもあったんだった。
今でもワクワクしながらこの曲を聴いてた感覚を即座に思い出せる。














僕等はまだ
夢果てる場所を知らない
(STAR TOURS)



最後に、
赤字にした3曲について語る。
「ミスター・スプラッシュマン」はシンプルなギターロック
ノリの良いボーカルと疾走感溢れるバンド演奏でかなり聴きやすい曲だと思う。
この曲は、報われない人生を背負いながらも、腹括って駆け抜けようとする心境が歌われていて
「なにか手に入れるたびに涙が少しこぼれただけさ」とアッパーなノリの中にも
ふとしたペーソスが感じられるトコが昔から大好きだったし、
この曲に憧れて
自作のポエムをノートに書き、
それを家族が見て笑われたりしたある種めっちゃ思い出深い一曲です(笑
自分自身、いつでもはじけ飛ぶくらいの心持ちで生きていたいと想う。
バンド自身がメンバー各々を鼓舞してる曲にも聴こえる。
 「requiem for the man of nomad」はシングル曲で、
この曲のシングルは当時母親にねだって買ってもらった記憶がある
この曲は当時の人気番組「HEY!×3」のエンディングテーマだったので
(リアルタイム世代には)この曲まではメジャーだったんじゃないかな.....って思う(たぶん)。
この曲も多少難解で時折意味不明な歌詞に乗せてハイテンションで駆け抜ける、
性急なピアノの音色も印象的なロックナンバー
ロックバンドの持つ、
整合性だけではないやんちゃなエネルギーを体験した最初期の曲の一つ
だったと思う
空耳もしやすい曲で当時は「little bit harder」の部分が「トロピカーナ」に聴こえていた(マジ)
MOON CHILDの中では最も弾けている曲と言っても過言ではない勇敢な名曲
この曲を生で聴けた時は心から感動したものでした。。
「僕が電話してる場所が分かんない」ってフレーズは
当時痺れたし、
今でも大好きなフレーズですね。
この曲は未だに口ずさんでいます。

最後、ラストシングルとなった「STAR TOURS」。
この曲は外せなかった・・・
初めて聴いた時、
サビメロの美しさに感動したのと、
当時仲良かった二人の友達と三人でカラオケに行って
その時にこの曲を熱唱したんですよね
その記憶が忘れられない
今は、
当時の施設なんて跡形も無くなってしまったけど、
その中で自分を貫いてこの曲を歌って(ぼんやりとだけど)「いいね」みたいな事を
友達のRくんに言ってもらった事は今でも自分の礎になっている。
「惰性!もぉやだ!」と歌う「joy of life」で始まって
「僕等はまだ夢果てる場所を知らない」と歌う「STAR TOURS」で終わるのが
このアルバムの本質であり、そして何よりも素晴らしい部分なんじゃないのかな、
って感じました
小学生なんて歌詞の意味が分かるのってほんの一部分でしかないけれど、
それでも、
「僕等はまだ夢果てる場所を知らない」というフレーズは、
本当に大好きだった。

餞の一曲としても会心であると同時に、今でも聴いて励みになっている大切な曲です。
2013年の再結成ライブに行った時の一曲目がこの曲で本気で感動した記憶がある。
今は実質活動休止状態だと思いますけど、
いつかまた、
バンドとしてのMOON CHILDに再会出来たら良いなぁ・・・という願いも込めて。
これからもずっと聴き続けてゆく人生の名盤の一つです。



【アルバムレビュー】パンチアウト/ジッタリン・ジン

2024-01-10 | アルバム感想













1.くわえたばこのブルース
2.あまのじゃく
3.Don't Let me down
4.ひっこし
5.ウォー ウォー ウォー
6.夏祭り
7.昼下がり
8.バイ バイ ハニー
9.にちようび









君がいた夏は
遠い夢の中
空に消えてった
打ち上げ花火 (夏祭り)










昨年、
CDアルバムのレビューがたった2枚で終わってしまっていた
怠慢・・・というよりは、ライブレポをリアルタイムで書ける様に頑張ってたのと、
頭の中で練り込み過ぎて結局何も出せない~っていう本末転倒気味な事になってしまっていたので、
今年は「取り敢えず形にしてみる。」を合言葉にどんどん出してゆこうと思う。
ライブは大好きだけど、音源で聴くのも大好きなので。CD買うのも大好き。

ジッタリン・ジンのメジャー通算3作目となるアルバム(だと、思う)。
ジッタリン・ジンは色々と特徴的なバンドで、アルバムは大抵曲数が少な目で、
楽曲自体も短い曲が多いイメージでサラッと駆け抜けていく感触がバンドの味になってると思う。
スカ、ロカビリー、パンク等の影響を感じさせるサウンドメイキングになっているけど、
ボーカルの春川さんが影響を受けた歌手は美空ひばりらしい。
そう言えば、
歌詞の世界観も良い意味で渋いというか、古来の日本っぽさを感じさせる内容が多い。
そういう意味ではリアル和洋折衷なバンドだったのかもしれない。


本作は、
後世にまで受け継がれる事が最早確定気味になっている名曲「夏祭り」が入っているアルバムである
ある種(結果的に)国民的ヒット曲になってしまった誰もが知っているあの曲である。
カバー曲も有名だが、
原曲はもっとシックというか、
凛とした歌唱でもう二度と帰って来ない光景を想う日本らしい風情を感じさせる名曲。
 また、歌詞やメロディが素晴らしいのは勿論、散弾銃の様な激しいイントロ.....
及びキメのアンサンブルも刺激的で、
意外と楽器隊の主張が強い楽曲でもある。
この曲は、
例えこの歌詞の様な経験が無くとも、
誰もが失った記憶に想いを馳せる事が出来るように作られている本気の郷愁ソング
だと思う
最初に引用させて頂いた歌詞は完璧に完成された最強のセンテンスの一つだと感じていますね。

もう一つ、
実は売り上げやチャートアクションはその「夏祭り」よりも良かったチャート首位を取った「にちようび」
アルバムではアコギではなくエレキギターのバージョンで収録されている。
この曲は今でもバラエティ等のテーマソングに使用されてるので、
聴いた覚えがある人も多分いると思う
この曲では、
なんと沖縄民謡を取り入れてジッタリン・ジンカラーに染め上げて出す~という
音楽的に貪欲なチャレンジにも取り組んでいる姿勢が素晴らしい。
単体で聴いていてもポップで楽しい曲なんだけど、
アルバムは結構センチな曲が多いので、
最後にこの曲が来る事によって「最後くらいは楽しく!」というモードで終われるのが印象的だった。
さり気に重要なポジションを担ってるしアルバムの流れで聴くとまた印象が変わる曲でもある。
歌詞で「ラリルレリ」とずっと歌ってる部分が「ララララー」に変わる時の解放感も大好きだ。
ダンサブルにも聴こえるのでフィジカル的にも盛り上がる名曲。


シングル曲だけではなく、
流麗なギターフレーズに酔い痴れる「くわえたばこのブルース」からして気持ち良いし、
切実なラブソング「Don't Let me down」はいつも以上にシリアスな雰囲気
別れたけど、素敵な思い出も残ってる。と純粋に歌う「ひっこし」は
サビメロの丁寧さもあって気持ち泣ける楽曲だ。
それから、
春川さんではなく、
破矢ジンタさんがボーカルをとる珍しい「ウォー ウォー ウォー」も
合唱風のイントロから王道のスカになだれ込むユニークな楽曲に仕上がってると思う
アクセント的にも良いし、
歌詞の中で「ウォー」と144回も言ってるのも個性的だし何となくジッタリンジンっぽい(笑
 それから、
ヒットしたシングル曲にも引けを取らないポップで踊れるキラーチューン「バイ バイ ハニー」がまた名曲。
っていうか、これも当時シングルで切ってたら結構ヒットしてたんじゃないかな.....って思う。
口ずさみやすく覚えやすいサビに加え歌詞にシンクロもし易いし、
リズミカルなバンド演奏も相俟って聴いてると思わず身体が動いてしまう。
それと、
アレンジも独特で
Aメロの時に後ろで鳴ってる「パカカカカッ」って音も面白い(笑
全体を通して古き良き男と女のストーリーに終始している一貫性も秀逸な初期の名盤だと言える。













涙顔のシェリル 君の胸の奥の
ブルーズを僕が消してあげたい 
(ウォー ウォー ウォー)






管理人は密かにジッタリン・ジン大好きで、
家でCDで聴いてたり、
外ではサブスクで聴いてたりしてる。
俗に言う日本のロックの名盤?とか定番??とかには殆ど挙げられてる場面を見掛けないが、
実際は後世に与えた影響も強いし(GO!GO!7188とか)、古今のガールズロックに於いて
紐解くと実はパイオニアレベルだったのでは?等と思うバンドの一つ
だったりする。
やっぱり、
聴いてると春川さんの歌唱含めて個性の塊ですもん。
ちなみに、ヒット時期だけではなく、後期の「自転車」とかも大好きでした。
今は活動やってないみたいだけど、もし復活する事があったら行きたいなあ。

あんまり言及してないけど、実はめっちゃ聴いてる。みたいなバンドや歌手も多いので、
なんか今年はそれをダダ漏れにしてゆければ最高ですね。
本当、
「より良いレビューを!」って考え込んでる内にその年が終わってしまうとか、
それじゃもう何も出来ないじゃん。と我ながら思ったんで・・・。
あ、本作には入ってないけど「プレゼント」も大好きです。


【アルバムレビュー】at FIVE/竹内アンナ

2023-04-10 | アルバム感想












1.WILD&FREE
2.サヨナラ
3.生活feat.パジャマで海なんかいかない
4.あいたいわ
5.made my day feat.Takuya Kuroda /Marcus D









あたしの世界
あたしがいなきゃ
面白くないでしょ (WILD&FREE)








2月に出た竹内アンナのミニアルバム。
竹内アンナに関しては去年出たアルバム「TICKETS」って作品がかなり好みで、
そこから結構聴く様になったんですけど、今作もめちゃくちゃ良かったですね。
竹内アンナさんの音楽性を語る上では、
アコースティックギターのサウンドを外す事は出来ない
と思う
兎角、
どの楽曲でも小気味良いフレッシュなアコギの音色が響いていて、
それが個性的であると同時に躍動感も生んでいて・・・アコギと言えば、
もっと穏やかだったりゆったりと聴けるものを想像すると思われるんですけど、
彼女のアコギサウンドはもっとアグレッシブでお洒落で尚且つ時にダンスミュージックの様でもあって。
要するにフリーダムな感じ...と表現すれば良いですかね
純粋に、
流麗なアコギの音色はどの楽曲に於いても気持ち良く光ってますし、
中々新しい事はしてると思うんですけど、それを主張し過ぎてない感じ・・・が素敵ですね。


本作「at FIVE」は全5曲入りのミニアルバムで、
尚且つバラッドが無いサッと終わる感じの楽曲が殆どなので
かなり聴きやすいと思いますし
入門編にも良いかと。
中でも、
今年出た楽曲の中でもトップクラスに聴き込んでいる「WILD&FREE」は素晴らしいですね。
ナチュラルなアコギサウンドと疾走感溢れるメロディ、流暢な英語の発音、、、
と、
まず聴いた感じがほぼほぼ耳心地の良い楽曲なんですが、
特筆すべきはその歌詞のクオリティの高さです。
自分がいなきゃ、面白くない。
・・・確かに。

これは、結構ストレートに腑に落ちました
日常的に自分の存在が他人にとって不必要なものに思えたり、
または他人と比較する事で自分自身の価値を見失ったり・・・という事は茶飯事ではありますが、
ただ、
だからといって、
他人が自分よりも面白い存在か?と問われればそれは(誰だって)違うと思う。
 何故なら、
自分の趣向や価値観っていうものは自分だけしか持ちえないものだから。
例えば、自分よりも有能な人が自分の中に入って好き勝手やったとしても、
そこで自分の「大切なもの」「好きなもの」が切り捨てられた上で心から笑えるのか?って言えば違う。
やっぱり誰だって他人よりも自分自身の存在が自分自身に一番フィットするはずなので。
そう考えると、
素直に「ああ、そっか。」って腑に落ちるし、
竹内さんが大事にしている❝自己肯定感❞にも繋がるキラーチューンに成り得ていると感じました。

それに、人生を漫画に例えて「たった3ページ トントン拍子で掴む栄光は so boring(退屈)」
何気にモチーフが秀逸だし聴き手をやる気にさせる言葉遣いも上手いですね
一聴するとお洒落なアコギのダンスミュージックっぽい曲ですが、
その根底はまるでスポ根みたいに熱いギャップがとってもステキな名曲に仕上がっています。


実際、
生きてると「嫌だなあ。」って事言って来る人もいるでしょ?(笑)
それで傷付いてた時にこの楽曲を何度も聴いて気持ち的に助けられたりはしてました
あなたが自分よりも他人から必要とされる人間であっても、
自分にとっては自分の方が絶対的に必要。

結構、
目から鱗な観点の爽やかなメッセージ・ソングでした
竹内アンナさんは毎回気分をスッキリさせてくれる秀逸なポップソングを書いてる方なので、
是非昨今のミュージックラヴァーの皆様にも認識して貰いたい...って思ってますね。

しかし、
逆に王道のギターロックの「サヨナラ」みたいな楽曲があったり、
ヒップホップ風味の「生活」みたいな異色な曲もあり、
はたまた、
少女漫画みたいな世界観のメロディが超キャッチーな「あいたいわ」があったり、、、と
ひとえにアコギミュージックと言っても様々なアプローチで攻めてるのも実にバラエティに富んでて良い
最後の「made my day」はイメージ通りのリラックスして聴ける類のアコギソングですが、
それですら他の個性的な楽曲に囲まれてるので逆に個性的に感じる。
っていう逆転の発想が素晴らしいですね。
全体的に気負わず、
だけど、
音楽的探究心は濃いめ。という理想的なバランスの作品に仕上がってると思います
特に「あいたいわ」は何かの映画やドラマのタイアップ取ってもおかしくないぐらい素敵な曲なので、
そういう意味でも気軽に手に取って竹内アンナさんの世界に触れてみて欲しい逸品でございます。












ただいまとおかえりを繰り返していこう
そうやって生活していこう (生活)



ちなみに、
「TICKETS」の中では、
「no no no」という楽曲がおススメです!
本当は去年の年間ベスト10に入れたいくらい大好きなアルバムでした
今作を引っ提げてライブツアーも行うのでチケットが取れたら是非行きたいですね。
その辺は是非管理人のツイッターでチェックよろしくお願いします(笑)。


【アルバムレビュー】タオルケットは穏やかな/カネコアヤノ

2023-03-06 | アルバム感想














1.わたしたちへ
2.やさしいギター
3.季節の果物
4.眠れない
5.予感
6.気分
7.月明り
8.こんな日に限って
9.タオルケットは穏やかな
10.もしも







優しくいたい
海にはなりたくない
全てへ捧ぐ愛はない (季節の果物)











今年1月に出たカネコアヤノのニューアルバム。
ちなみに前作「よすが」の感想も書いてたりする
https://blog.goo.ne.jp/neverendingcult/e/9a90b74a524c74974f90d256de39853d
前作と比べると、
正直ロック色が強くなってるのを感じます
オルタナティブ・ロック及びシューゲイザーの要素もあったりして、
でも、
昭和歌謡に通じる雰囲気やメロディラインも健在で・・・と
なんでしょう、すごく良い方向にマイナーチェンジしたな。という印象があって、
元々カネコアヤノさんのアクが強く伸びやかな歌声がロックサウンドに似合うのもあり、
終始聴いていて気持ちが良いアルバムに仕上がってる様に感じました。
 それと、
やっぱり一曲一曲が良いし、凄く丁寧に思えて、それが何よりも良かったですね
自分自身こういう誠実な感じの音楽及び表現が元々大好きという事もあり、
じっくりと聴き込める良さに満ち溢れた名盤に感じましたね
メロディラインもいちいち凝ってるし、
歌もしっかりしてるし、
言葉一つ取っても印象に残るフレーズが多くて、尚且つ、要所要所でリアルでもあって。
その一曲一曲を魂込めて逐一丁寧に奏でてる辺りが物凄く素敵なアルバムだな、と。

もっと書くと、
すごく「素」の人間性が出てる様にも感じたんですね
時には怠けたい気持ちだったり(気分)、
他人に対して「いーよな。」って思う気持ち(わたしたちへ)、
それと、
自分が最も可哀想。みたいなフレーズもあったり(月明り)、
俗に言う「空気を読む」「取り繕う」事を半分くらいは放棄している
生っぽい呟きや自問自答が多い作品にも思えて、
そういう部分も大好きでしたね
シリアスだけど、
希望が見えるうたもあったりして、
バランス感覚的にも優れた一作に仕上がっていて、
個人的にはこれまでのアルバムと比べても随一に大好きなアルバムになっています。
 ま、
ぶっちゃけそれは自分が元々ロック・サウンドが好き。というのも加味されてるのも大きいとは思いますが、
それでもやっぱりより心に響くフレーズや歌、サウンドが多かった、、、というイメージですね。












堕落は悪くない
こころを守るんだ (気分)




推しの3曲は、
迷いました
具体的に書くと3曲目を「わたしたちへ」か「月明り」にするかで悩みました
「月明り」って曲は今作でも最もシリアスでネガティブな感情を歌っている精神の深淵のような楽曲で・・・
あの、、、
正直な話、
他人の大勢がスーパースターor完璧な人間に映って、
自分だけが何も無い人間。みたいに感じる瞬間ってめちゃくちゃ多い
んですよ
結局、
自分の持って無い部分を無意識にコンプレックスに感じてしまって、
自分自身がとんでもなくみすぼらしくて可哀想に思える瞬間は日常茶飯事なんです
そういう瞬間に聴くと救われる歌・・・って書くと分かりやすいでしょうか
この曲も本当神妙で静謐で聴き手に寄り添っていて大好きなんですけど、
隠れた名曲ポジションでもいいかな。とか

「わたしたちへ」は、
シューゲイザーのようなアレンジから、
歌詞に関しては他人に対する羨望・・・からの、
それでも、
❝自分❞やってくしかないでしょ。みたいな.....決意表明にも想える楽曲で、
そのしんどそうに、でも、何かしらの希望を持って歩んで行く感じがやっぱり大好きなので選びました
一曲目としてもいきなりノイズにも似た轟音から始まるので世代的にテンション上がりますね。


で、
メロディラインが最も好きな楽曲「眠れない」。
この曲は本当昭和歌謡みたいな人懐っこいメロディと、
「ギリギリのハート」みたいなこれまた人懐っこいフレーズで、
今作でも随一にポップで聴きやすい楽曲だと思う。し、
何より・・・・・
「眠れない
 無理に寝ない」
ってフレーズを聴いて個人的に目から鱗だったんですよ
確かに、
眠れないのに無理に眠る必要とかないし、
だったら、
その分苦しまずにゆったりしたりボーっとしてみたり、好きなものに触れたり・・・
リアルに日常のヒントになってしまったのも含めて自分の中では衝撃的な楽曲でした
自分もう30代後半になりますけど、未だに新曲に衝撃を受け続けてる~っていうのも嬉しかったりね。
この間ライブにも行ったんですが「明日の愛を想像する」という生の歌唱にも勇気を貰ったりもしてました。

最後、
本作で最も好きな曲である「タオルケットは穏やかな」。
この曲は、
一番最初にNHK-FMから流れて来たのを聴いたんですが、
壮大かつ爽快なあのイントロの時点で心奪われ、
また、
歌詞の内容に更に心奪われました
端的に書くと、
元々持っていた純粋な想いを抱えて生き続けるのは難しい。という内容の歌で、
それは自分もすごく日々感じていた事柄だったので。
でも、
何もかも明瞭にならなくてもいい、
迷ったままでも進んで良いんだ。
みたいな結末の歌詞になっていて、
そのどうにもならないけど、でも、不思議と気持ちが楽になるような・・・そういう、粋で、
絶妙な詞のクオリティが絶品で2023年の楽曲の中では特に聴き込んでいる一曲です
「それ」がどうにかなる、したい、しなくちゃではなく、
ただそこにある。みたいな.....
うん、
言葉にするならそういう感じですけど、
言葉にならない類の感動が内包されている楽曲だとも感じますね
大げさな表現をするならこの楽曲を聴く為に自分は生まれて来たのかもしれない。だとか、
そんな調子の良い事を思わず感じちゃったりもする位は既に大切な曲になっていて、
きっとこれから先の人生でも絶対に聴き続けるんだろうな、と。
そんな風に思える名曲だと想っていますね。














今の形になるほどに
アイスキャンディー熊のぬいぐるみ
大事にするのが大変になるのはなぜだろう (タオルケットは穏やかな)



他の楽曲群も勿論良く、
ギターアレンジが面白い「やさしいギター」、
八方美人的振る舞いから逸脱せんとする「季節の果物」はその誠実な歌詞に加え、
ポップでナチュラルなサビメロもまた聴きどころだと思います
最もロックに振り切ってる「予感」も格好良いしその上で歌詞は切実さが光ってて胸に来るし、
メロウな雰囲気も素敵な裏声で歌う「気分」、
そして、
「悲しみを消すための傷が癒えない」という歌詞が耳に残る「こんな日に限って」も大好きな一曲
最後の「もしも」は最小限の音数に絞ってカネコさんの歌にフォーカスしている楽曲で、
物静かな曲ですけど意外とこの曲がトップクラスにライブ映えもしてました
音源だと、
終わり方も印象的なので、
是非通して聴いて欲しい一枚ですね

っていうか、通して聴いてこそ、「もしも」の終わり方がより印象に残るとも思うので。
出来ればフィジカルで最初は部屋で独りきりで聴くのをおススメしたいですね。









という訳で、
2023年最初のアルバムレビューでした。
総括すると、非常に丁寧に、かつ、豊かなセンスで作られた堂々たる大傑作でした。
曲数も10曲ですし時間もそこまで長くはないので意外と繰り返し聴くのにも適している名盤。
リリースツアーは既に一回だけ観ましたが、春からのホールツアーでも観る予定です!
リリースツアーって基本的にその年ぐらいしかないから貴重なんですよね。
なので、また本作の楽曲をめいっぱい浴びに行こうと思う。


【アルバムレビュー】Unleash/BAND-MAID

2022-10-25 | アルバム感想









1.from now on
2.Balance
3.Unleash!!!!!
4.Sense
5.I’ll
6.Corallium
7.influencer
8.HATE?








最後で『幸せになりたい』
ただそれだけ (Sense)









これ、凄く格好良いですね。。
例の如く最近ラジオで知ったんですが(情報が遅いよ~)、
初めて聴いた時その演奏力の高さに度肝抜かれたというか、
なんだろう、
分かりやすく他の固有名詞上げますけど、
DIR EN GREYに対抗出来そうなくらい音がバッキバキでえげつないと思いましたね
ぶっちゃけ、
名前自体は随分前から知ってたんですが、
ここまでバリバリのロックンロールバンドだとは想像してませんでした
こりゃもう謝罪案件だなというか、この才能を見過ごしてた事自体がちょっと有り得ないですね・・・

そう、
バンドメイドは、
その名前に偽りなくメイドの衣装でバンドやってる女性5人のグループなんですが、
正直、
その前情報が要らないくらいに、
音聴けば一発で目が醒めるくらい格好良いな!と思いました
自分はDVD付きのを購入したんですが、ルックスも勿論素敵なんですけど、
その演奏というか音の方に意識がいっちゃってましたもんね
速弾きもスゴいけど、
ドラムもえげつないくらい素晴らしい
大体こういうハードロック系のバンドって土台であるドラムが良くなければ成立しないので、
そういう意味では物凄く基礎がしっかりしているバンドなんだな、って感じました。
色々衝撃的だったんですが、
自分でも気付くのがワンテンポもツーテンポも遅いよ!と思う
逆に言えば、ラジオで流れてたお陰で気付けた~のもあるとも感じます
ラジオって音だけですから、純粋に耳に入ってくるのがデカいですね
その上で、
コントラストがクッキリ分かれたビジュアルもまた非常に魅力たっぷりです
なんとなくですが、90年代V系好きにも受けそうだし、実際海外で人気があるのも理解出来ますね。
相当練習してなきゃこういう音は出せないですよ。


個々の曲に触れると、
やっぱり解放を意味する表題曲「Unleash!!!!!」が凄まじく格好良い。
苦悩から始まって、どんどん攻撃的に展開していく歌詞の世界観が気持ち良いし、
何よりも演奏がバリ格好良い。
具体的に書くと、
間奏の部分の、
エフェクター使ってるのかな?
水や滝の音みたいな・・・凄く綺麗だけど激しいギターのフレーズがあって、
あれ聴く度に感動するというか率直に「どうやって出してんだろ?」って思いますね
最初キーボードかと勘違いしたくらい素晴らしいギターフレーズなので一度は聴いて欲しい。
否、
聴いて欲しいっていうか、
自分はただ自分の好きなものが好きなだけなので、
ぶっちゃけそういう気持ち自体が他人よりも薄いんですけど(笑
そうだなあ、
でも、
ここは「聴いて欲しい」みたいな書き方になってしまうかな?
 サビの歌詞の最後、最初は「ガンガン行けガンガン」って聴こえてたんだけど、
実際歌詞カード見てみたら「Dan!Dan! Di,di,dan!Dan」で全然違げーじゃねーか!って
セルフツッコミしたのも良い思い出です(爆
ただこの曲は、
純粋に聴き手の背中をおしてくれる楽曲にもなっていて、
攻撃的な格好良さもありながらある種の優しさを感じる楽曲にもなっていると思う
海外では日本とは違ってノーマスクビーボイスで盛り上がってるみたいなので、
こういう曲で弾けてる図を想像すると凄く嫉妬してしまいますね笑
ある意味、
「その時」を待ちわびる祈りにも似た新曲としても受け取れると思います
ベタですけど今作では随一に再生してますし、よく通勤時に聴いて気合入れて貰ってます。
「you know?」とか合間のコーラスワークも可愛くて聴いてて楽しい曲ですね。

ゴリゴリのロックンロール「Balance」、
ボーカル抜きで演奏力だけで勝負してる「from now on」、
聴かせるメロディラインが大好きでギリギリまで赤字曲候補だった「I'll」、
激しくメロディアスなラブソング「Corallium」も聴いてて気持ちが良いし、
最後の「HATE?」もサビの締めに何度も「I hate you」と叫ぶセンスが実にパンキッシュで素晴らしい。
全体を通して本当に粒揃いなので最後まで飽きずに聴けますし、
また、
全8曲と聴きやすい曲数にもなってるので、
自分のような初心者にはピッタリのニューアルバムに仕上がってると感じました
wikiで調べたら結構アルバム何枚も出してるみたいで、ここから遡るのも中々楽しそうです


で、
残りの赤字の推し曲2曲を最後に語ります。
「Sense」はこれまた勢いたっぷりのロックチューンで、
しかも、
メロディアスではなく、
どちらかと言えば硬派なメロディライン&アレンジに仕上がっていて、
その渋さと、そしてサビの最後が超シンプルに「幸せになりたい」というフレーズなのも素晴らしく、
凝ってる部分とシンプルな部分とのコントラストが聴いていてハッとさせられる名曲です。
そして、
この「幸せになりたい」の歌い方もまた切実でイイんですよ
このレビュー、楽器隊のえげつなさにばっかりここまで触れてますけど、
ボーカルのSAIKIさんの歌もまた上手いし格好良いんですよね。

それが遺憾なく発揮されてるのが「influencer」。
超攻撃的なサビの歌声が痛快なのと、
途中の、
ラップパートの怒涛の歌い回しもサイコーに聴いてて気持ちが良いし刺激的かつ皮肉も効いてて、
またこの曲の歌詞に於ける過剰な承認欲求の渇望もまた興味深くて面白いですね
分かる部分もあるし、
感情移入してしまうきらいもあると思います
そういう風に切実な感情も暴力的な感情も余す事なく綴られてるので、
そういう意味では歌詞の世界観がまた人間臭くて素敵だなぁ~って感じました
全体的に言い回しもサバサバしていて誤解を恐れずに書くなら案外男脳っぽい歌詞だと思う。











カッコつけても中身次第
現状に満足なんじゃ
それまでじゃない?(I'll)



なんでしょう、
色々能書き垂れ流してあーだーこーだ書いて来ましたけど、
結局言いたいのはただ一つ、
「シンプルに格好良い。」
それだけなのかもしれません
正直、
中学生の頃にこのCD聴いてたら、
今すぐ楽器屋にエレキギター観に行ってお金貯めて買ってただろうな。っていう・・・
バンドって素敵だな、格好良いな!と純粋に思えた作品でした。
まだまだBAND-MAIDは聴き初めなので、
これからどんどん知ってゆきたいな、とも想いました。


池袋のタワレコで買ったら特典でアニメ柄のクリアポスター貰った。
この絵柄好き過ぎる(笑
こういう系のバンドはコンポで大爆音で聴くのが最高ですね。





DVDも先述の通り観ましたが、
メンバーがアニメになってる表題曲のビデオが実に素晴らしかったです・・・!
なんか作画も凝ってて異様に本格的なのが気合入ってる。。
しかし、最後のインストMV2発もその演奏力の高さが如実に伝わってくるので面白かったですね
またメンバーが楽しそうに演奏してるのも観ていて気分がよく、そしてその姿がカッコ良かったです!



【アルバムレビュー】ima/眉村ちあき

2022-05-26 | アルバム感想












1.Lovely days
2.KARAAGE WARS
3.Individual
4.悪役
5.モヒート大魔王
6.寝かしつけろ
7.フリースタイルハンドメイド
8.Blaze of Glory
9.おもてなし子
10.愛でほっぺ丼
11.なまらディスコ
12.BEAT UP
13.告白ステップス
14.シュリティカルマジック
15.旧石器PIZZA
16.愛でられほっぺ
17.悪役(Band ver.)
18.この朝を生きている






あいつもラクト
こいつもラクト
シャーベットは僕だけ
ラクトに挟まれろ (Individual)









今年の2月に出たアルバム。
全18曲入り・・・
今時、
全18曲入りのアルバムなんて珍しいっすよ(笑
しかも、同じ曲の別バージョンも含んでるので、
何となく曽我部恵一の「まぶしい」を彷彿とさせますけど・・・これは傑作だと思います。

兎に角、
純粋に良い曲が詰まってる。
眉村ちあきらしい(?)弾けたノリの楽曲も要所要所に入ってますが、
それ以上に名曲然とした楽曲が多くてソングライターとしての進化を感じさせるアルバムですね。
というか、
これ、
眉村さん一人で全曲書いてる~っていうのがスゴすぎるわな(笑
ジャンルとしては王道のポップスからダンスビートの楽曲があったり、
ロックチューンもあるしバラッドもあるしアコースティックな楽曲もありーの・・・と
素晴らし過ぎるソングライティングマシーンとしての才気が光りまくっています
その上、
元々高かった歌唱力が更に磨かれていて、
眉村さんの楽曲に於ける表現力自体もかなり進化している印象でした
 例えば、
最後の「この朝を生きている」みたいな、
めっちゃスケールのデカいバラッドは今だからこそ書けたナンバーなんじゃないですかねえ
そう想うと、
元々素晴らしかった独自の世界観が正当にパワーアップしました、みたいな。
そういう観点でも聴けるし、
加えて結構名刺代わりの一枚にも相応しいアルバムじゃないかな、と。
 
本作には、
眉村ちあきのポップネスも、ロック魂も、ペーソスも、狂気も怒りも愛も何もかも、
割と全部が詰まっている気がして過不足のない見事な傑作に仕上がってると感じますゆえ、
もっと言えばアレンジと言う面を考えてもバラッバラなので純粋に楽しいですし、
もう言っちゃうけど、
音楽に興味を持った人に初めて聴かすのがこれでも良いとすら思うくらい(笑
それくらい完成度は高いと思いますし、
多少何かが歪むかもしれないけど←
でも、ちょっとしたひねくれ感と共に❝美しい普遍性❞も纏っているアルバムだと思うので、
個人的には例え眉村ちあきを知らない人にも「これ!」って推せる堂々の名盤だと信じてますね。

でもやっぱ、
眉村ちあきのソングライティング能力はすげーですよ(2回目)
この人の書くメロディと人懐っこい歌が本当に好きでね、
管理人的には、
正直もっと売れてもいいんじゃないか?と感じてる歌手の一人ではありますね。
ま、立ち位置がどうであろうと、自分は凄い!と思ってるので、音源を聴くしライヴも観ますけどね♬








私の扱いはずっとリッチに
じゃないとだめじゃない
愛したい
この身体 全部 (おもてなし子)




個々の曲に触れると、
軽快なタイトルとは裏腹に壮大なアレンジが聴き応え十分な「Lovely days」からして名曲、
軽快なギターロック「KARAAGE WARS」も得心の行く歌詞含めて素敵な曲、
センチメンタリズムが爆発している「悪役」はライブでもド迫力の欠かせない曲だし、
アッパーなアイドル風ポップス「モヒート大魔王」も曲調の割には切なさが滲んでて面白い。
意外とライブで映える「寝かしつけろ」は切実な歌詞が胸を打つ泣きメロが光る沁みるバラッド、
堂島孝平と一緒に歌う「フリースタイルハンドメイド」も歌詞の良さが際立ってるし、
「Blaze of Glory」は逆にノリの良いパーティ風味のアレンジがひたすらに心地良い踊れるナンバー。
歌詞の一部を引用させてもらった「おもてなし子」は、
まず自分を幸福にしてあげて。っていう、
聴いてて「なるほど。」と素直に思えるこれまた歌詞の良さが光っている秀逸な一曲。

かと、思えば、ギリギリな歌詞が迸っている(笑)ライブでも定番と化している「なまらディスコ」、
そしてストレートに怒りの感情を出している「BEAT UP」など攻撃的なナンバーもきっちり入っている。
「シュリティカルマジック」は昔の魔法少女アニメの主題歌みたいなファンシーな楽曲で、
ライブでは妖精のような衣装に着替えて披露するのが恒例となってます
「愛でられほっぺ」は「愛でほっぺ丼」のデジタルバージョンで、
デジタルとアコースティックサウンド両方楽しめるし、
「大事に生きてゆこうか」ってフレーズもまた胸を打つ素敵な楽曲に仕上がっていますね。
「この朝を生きている」は本当にピュアな感情が炸裂しているスケール感もたっぷりのバラッドで、
このアルバムの最後に「ねぇ 今日の私は 最高になる気がする」なんていう、
素敵過ぎるフレーズで締めるそのセンスもまた素晴らしい最高のエンディングになってます。

推しの3曲に据えたのは、結構ベタかもしれません
「告白ステップス」は、
初めてラジオから流れた時、
あのイントロの時点で泣きそうになった思い出があるんですよ(笑
歌詞としては本人曰く❝「父性」に基づいた巨大な愛の歌❞らしいんですが(あ、ニュアンスで書いてます)、
確かに単純な告白というよりは強い覚悟を持って誰かを何かを愛していく!という決意が滲んでて、
想像以上に限定的ではない作中観の「余白」も素敵な名ラブソングだと感じましたね。
 「旧石器PIZZA」は、
旧石器の時代にピザ・・・?!という矛盾極まりないタイトルとは裏腹に、
やりきれない悲しみを空に浮かべてその感傷に浸るような感覚もある切なさも光る楽曲になっていて、
聴いてると堪らない気持ちになると同時に、
決して長くないサビのセンテンスからそこまで想わせる作詞家としての凄さも伝わって来る名曲
尚、ライヴでは拳を振り上げるのが定番なので、散歩の時とかに聴いてると、
自然と拳を振り上げてしまう~という事も結構あります(笑

で、
最後は「Individual」。
この曲はめっちゃ思い入れが深いですね~
冒頭に引用させて貰った歌詞が示す通り、周りの人は〇〇ばっか、
でも、
自分は〇〇が好き・・・っていう、
ある種のマイノリティの辛さというか、悩みというか、存在というか。
そういう事を想わせてくれる俗に言うエモい楽曲になってると思うんですけど、
その上で、
敢えて「そのままで行け!」って思いっ切り突っ走ってるテンションが何より素晴らしく、
自分も結構めっちゃ流行ってるものよりも自分の趣向を優先しがちな人間なので(笑
はっきり書くと、
この曲の歌詞に実直に❝救われた❞部分は強かったです。
実際、かなり背中押して貰ってるので、こういう時に❝救われた❞って表現は似合ってるのかもですね
タイトルを直訳すると「個人」になるのも感動したし、曲調に関しては疾走感のあるロックから始まり、
クラシック、ソウル、パンク、ヒップホップ~となんでもござれの超展開で、
それもまたこの曲には相応しいと感じますね。
本当に大大大大大好きな楽曲、
管理人と音楽的な趣味が少しでも合うのならこの曲も気に入ってくれるんじゃないかなあ?
ライブでももう定番曲の一つになっててその度にめっちゃアガってますね(笑)。
渋谷クアトロのロングバージョン?はスゴかった・・・!!













夏だから夢を見ただけさ
一瞬のトキメキに
騙されて夢を見ただけさ
戻れない日を生きた (悪役)



という訳で、
様々なジャンルをどん欲に取り込んだ眉村さん流の音楽絵巻「ima(アイマ)」、
サブカル好きにもJ-POP好きにもみんな聴いて欲しい大好きなアルバムになっています
また、
このアルバムを引っ提げたツアーのファイナルが6月2日のゼップ羽田にて敢行されるので、
大半が本作からの曲目になると予想される事もあり、そちらも是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
自分も行く予定であります(ビシッ!)。





最後に、
裏ジャケ。カッコよい。



【アルバムレビュー】QUILT/Rei

2022-05-25 | アルバム感想











1.QUILT
2.CRAZY!CRAZY!
3.BPM
4.CHOTTO CHOTTO
5.Don't Mind Baby
6.Smile!
7.ぎゅ
8.STAY AWAKE
9.TAKE A BREAK
10.月とレター
11.CACTUS





人生はまるでQUILT 
繋ぎ合わす小さな今を
人生はまるでQUILT
一度きりを熱く生きろよ (QUILT)









先月に出たアルバム。
尚、今作で2022年のアルバムレビューは3作目です
上半期も来月で終わるのにたった3枚・・・我ながら情けない限りですが、
ただ、
例えスローペースでも、
取り敢えず「書いて行く」事が重要だし、
その内新しいペースが掴めるかもしれないので。
ま、
俗に言う「何もしないよりはマシ」って感じですかね。

いきなり脱線しました
本作は、
ストレートに格好良いです
Reiさんのアルバムを購入したのはこれが初めてですが、
コラボレーション作品という事で呂布カルマ、東京ゲゲゲイに始まり、
藤原さくら、細野晴臣、山崎まさよし、CHAIに至るまで物凄い濃い面子・・・
というかよくこんなに集められたな!というくらいに豪華なアルバムに仕上がってます。

ただ、
コラボメンバーが豪華だから~というよりは、
そもそもReiさんの作る楽曲自体がどれも最高に格好良くて、
そこに聴き応えのあるよりどりみどりの味付けがなされている、というイメージですね
 Reiさんね、
知ったきっかけは藤原さくらとコラボした「Smile!」で知ったんですけど、
あの曲は牧歌的なポップスに仕上がってて何となく柔らかい歌を歌う人なのかな?と思ってたら、
とんでもない!
本作はヒップホップ、クラブミュージック、ロック、ガーリーポップス、インストナンバー、
親しみやすい童謡のような楽曲、先述の牧歌的なポップス、から王道のJ-POP~まで
音楽的な幅がめちゃくちゃ広いというか、
それでいて、
聴いてて違和感のない作品に仕上がってる妙な統一感含めて素晴らしかったです
ホントこの人どんな曲でも歌えるんだな!っていう。
 そういう意味合いだと、
コラボレーションアルバムと銘打ちながらも、
実はReiさん自身が色々な方と絡んでも(どの曲を聴いても)芯がブレてないので、
必然的にReiさんとは何ぞや?が見えやすいアルバムにもなっているのかも、とも感じました
要するに「どんなジャンルの曲も歌いこなせるスペシャルなシンガー」って事ですね。
本作が初めて購入したアルバムなのにここまで断言しちゃってますが、
でも実際に聴いてると、
ヒップホップもロックもクラブミュージックも童謡も見事に歌いこなしてるしなあ、という笑
正に変幻自在という言葉が相応しい、音楽の楽しさが詰まってる名盤だと思えました。









生きたいわ 生きたいわ もっと生きたいわ
あなたがいるなら
生きてみたいわ CRAZYな世界の果てへ 
(CRAZY!CRAZY!)




個々の曲に触れると、
まずは当ブログ名物の推し曲に関してなんですが、
今回も案の定すげー迷いました
細野晴臣とデュエットした「ぎゅ」とか、
大御所が参加してるのに赤字にしないのは気が引けましたが、
それでも赤字にした楽曲に負けないくらいに胸がホッとする童謡っぽい曲調も可愛いナンバー
 同じく、
藤原さくらが参加してる「Smile!」もまた純度の高い牧歌的なポップ・ソングに仕上がっており、
情景が見えるような素敵なフレーズとお互いの透明感のある声の共演は何度聴いても素敵。
王道のJ-POPの匂いがする「月とレター」は、
タイトルでピンと来る方もいるかもしれませんが山崎まさよしが参加している楽曲
しかも、ドラムで(!)っていう、隅から隅まで良い曲が詰まってます。

CHAIと奏でている「CHOTTO CHOTTO」もガーリーな雰囲気も楽しいキュートなポップチューンだし、
最後がインストで終わる~というアイディアも面白い&且つ渋くてイイ、また、
3曲目の「BPM」が小気味良いロック・チューンになっててひたすらに気持ち良く・・・と
兎角、
俗に言う捨て曲なし、
聴いてて純粋に励まされる「Don't Mind Baby」も沁みる出来だし、
全体的に飽きずに聴けるクオリティの高いアルバムに仕上がってると思う
加えて、スパッと短くキレ良く終わる曲が多いので時間的にも聴きやすい作品かと
それでいて、
曲順に関しても音楽絵巻みたいに、
色々な曲がバランス良く配置されてるので、
そういう意味だと結構アルバムの流れで聴いても楽しい、
正にストレスフリーでアルバムと言うメディアを味わえる傑作になってると思いますね。。


その中でも、
敢えて3曲選ぶとしたら、
最後の畳みかけるラップの気持ち良さと「MADE IN TOKYO」ってフレーズが格好良い「QUILT」
そしてとっておきのダンスナンバー「CRAZY!CRAZY!」に関しては、
多分、
確信犯的に「イキたい」「生きたい」のダブルミーニングになってるであろうフレーズの連呼が気持ち良く、
その享楽的な作中観がとにかく快感で聴いててテンションが上がる最高のナンバーになってます
エロティックさとドラマティックさが共存している世界観は、
正に自分の理想的な歌詞の一つ、と言えます。
あと、
単純に「君ってクレイジー」ってフレーズが大好きなのもデカいですね笑

そして、
バッキバキのロックチューン「TAKE A BREAK」は兎角リズミカル&攻撃的で気持ち良い!
恐らく今作の中でも随一にロック魂を感じる渾身の一曲に仕上がってますが、
それでいてスタイリッシュでもあるのでそこまで暑苦しさが無いバランス感覚もまた素敵で、
聴いてると気持ち良くテンションが上がって来る大好きな楽曲。
扇情的な歌詞もまた聴き手の反骨精神を煽る印象でそういう部分もまた好みでした。。
 なお、今回赤字に挙げた曲は全体的にロック好きが好みそうな曲ばっか笑
なので、
今の気分で一応3曲赤字にはしましたが、
気分によっては他のポップな楽曲を好む日もきっとあるでしょう
そんな変幻自在でロック姉さんぶり(年下だけど笑)もギラギラに光っている野心的な一作
本当に「格好良い」も「可愛い」も「お洒落」も「騒がしい」も全部詰まったアルバムになってるので、
是非個人的に一度は聴いてみて欲しい隠れまくってる今年の名盤の一つ、です。












最後に、本作はジャケットがデカいです



比べて見ると、よく分かる。
昔のシングルレコード盤みたいな感じかな?






中身も、
凄くお洒落で格好良い、上に、
CDと映像のどっちがどっちなのかが親切に書いてあるのも素敵だ・・・笑
しかし、最近の歌手はホント歌が上手い人が多い。
個人的には音楽は進化を続けてると感じる。



【アルバムレビュー】ブーツを鳴らしてEP/SHISHAMO

2022-01-03 | アルバム感想









1.intro
2.ブーツを鳴らして
3.マフラー
4.ミルクコーヒー





忘れたいことも
忘れたくないことも
思い出にならないように
マフラーをぎゅっと結んで離さないで
いつか手放すその時まで (マフラー)






本作は、
デジタルリリースオンリーのep盤になります
epっていうのは平たく言えばミニアルバムっぽいシングルだと思うんですが(たぶん)
その逆かもしれません・・・
ただ、
出来はかなり良いので正直いつかフィジカルでも出して欲しいところです
なんなら、レコードとかで出しても面白い作品かもしれないなぁ~って思います
音が全体的にアナログ志向な作品に感じたので。

冬をテーマにした作品で、
アレンジも含めてこの季節にピッタリの4曲に仕上がっています
シシャモ初のインスト(!)から始まって、荘厳なバラッド「ブーツを鳴らして」、
攻撃的なロックナンバー「マフラー」、そしてほっこりするオルタナポップ「ミルクコーヒー」と
全体的なバランスも良く、
また歌詞の世界観も冬っていう季節に似合うセンチメンタルなものが多いので、
色々な意味合いで❝浸れる❞類の好EPになってるな~と思いました。

もう一つ、
トピックとしては今回3人が別々に作詞を担当している、っていう事。
作曲は全部ボーカルの宮崎朝子が手掛けてるんですが、
歌詞は全曲バラバラで・・・
その個人個人に因る違いというか、
バラエティ感もまた魅力的な一作であり、今後のSHISHAMOに於いても一つのきっかけになりうる、
デジタルオンリーのリリースですがそういう意味では本当大切な作品かもな、と感じました



特に、
ベースの松岡さんが歌詞を書いた「マフラー」に関しては、
あんまりSHISHAMOがこれまでやってこなかった焦燥感の強いロックナンバーに仕上がっていて、
そういう意味では結構今後のSHISHAMOに於ける新しい味になりそうな予感もしましたね。
他の2曲とは違って、
メロディを聴かせる~というよりは、
強い意志を響かせる~という音像になってるので
初めて聴いた時は結構ビックリしたんですが(笑
ただ、
朝子さんの歌唱含めてちょっと大人になったSHISHAMOの艶っぽさもよく出てる出色の曲だと思いました
最後の歌詞の締めがまたSHISHAMOをよく分かってる刹那い詞になってるのもまた流石だなー、と笑
松岡さんの歌詞は出来事っていうより概念を描いたものが多いのが新機軸になりそう。

逆に、
「ミルクコーヒー」は、
過去の上手く行かなかった出来事を一人で思い出して、
少し感傷的な気分に浸っている、、、というSHISHAMOらしい歌詞に仕上がっています
タイトルとは裏腹に聴き終るとちょっぴりおセンチな、ビターな気分に浸れるのが面白いところ
サウンドデザインに関しても特徴的なアコギの音色にこれまた要所要所で良い味出してるキーボード、
そして間奏でサニーデイ・サービスの「3月29日のバラード」並みの轟音をぶちかますギター・・・と
色々な意味で玄人好みのアレンジに仕上がってる曲かなあ、って思います(笑
一度生でも聴いてみたい一曲でもありますね。



最後、
リードトラックは「マフラー」でしたが、
表題曲である「ブーツを鳴らして」って曲は6分以上ある長尺のバラッド
神秘的なコーラスから始まって溢れんばかりの想いの丈を歌い切っている感動的な一曲です
初めて聴いた時、
流石の風格ある一曲だな、
かなり気合入ってる曲だな・・・って思いましたね。
この曲は、
自分の中では、
本音をぶち撒けてる曲だと感じました
単刀直入に書けばこっちはもう受け入れ態勢万全だから、来いよ!っていう事ですよね笑
それを「自分から行け。」というのは簡単ですが、世の中そんな単純でも無い訳で・・・・・
そういう複雑な想いや内面の葛藤がよく出てるこれまた聴いててグッと来るバラードになってるな、と
 また、
こういう感情を歌う気持ちも分かるんですよね
人間どうしても相手の気持ちを勝手に決めつけちゃうトコもあるし、
そもそも物理上叶わないことだってあると思うし・・・。
そういう意味では、
やっぱり宮崎朝子さんという方は人の繊細な心情を拾い上げるのが巧いと感じましたし、
また一歩進化を見せつけたバラッドに仕上がっててとても素敵な表題曲でした
この曲もライブで聴いたらトリップ感ありそうなので是非聴きたいです♬








さて、
今年はSHISHAMO初となる対バンツアーが開催されます。
滅多に無い事なので、その雄姿を見届ける気マンマンでございます(笑
・・・例えば、
仮に地方でTheピーズとかと対バンとかあったら、
正直遠征も視野に入れてはいます
 でも、
まずは関東公演のチケットを無事手に入れなきゃね!
対バン相手の発表含めて新年早々楽しませてくれそうで、2022年のSHISHAMOにも期待大、ですね。


syrup16g「COPY」のアナログ盤を買った話。

2021-12-10 | アルバム感想
数日前に届きました~♬😊✨









以前、
コレクターズの加藤さんのインタビューで、
CDで出した作品をレコードでまた出す場合、そのまま出すと音が変になるから、
レコード用のマスタリングをわざわざ施して出すらしいです
それが結構繊細な作業で意外とめんどくさいとの事なので、本作もそうなのかな?って思いました
まあ大体アナログ盤ってCDでリリースした3か月~半年後に出るイメージですし、
やっぱりそれなりに時間掛かるものなのかな、とは感じます。

で、
今作は、
発売から20年が経った(!)との事で、
20周年記念盤として一部店舗又は通販オンリーでのリリースとなった訳ですけど、
なんでしょう・・・
本作って自分が中学生の頃に出た作品なんですよ
今はもう潰れた店舗にてその時もわざわざ取り寄せて買ったんですよね
当時はネット通販もまだ未発達だったしお店にCDが無かったらいちいち取り寄せるしか無かった
その時は早く聴きたくてすぐ開封してCDウォークマンで聴きながら帰宅してたんです。
そしたら、冬の空気感に「She was beautiful」があまりにも似合っていて。
・・・っていうエピソードを、
以前ディムさん(ブログ「単行のカナリア」管理人)に会った時にした記憶があるんですが、
こうして改めてニューアイテムとしてじっくり聴いてたらその時の事を強く思い出したりしました。。







syrup16gは、
元々ラジオで知ったんですよ
当時NHK-FM「ミュージックスクエア」でパッと掛かって。
その時は曲紹介ではまだ知らなかったのであんまり集中して聴く姿勢じゃ無かったんですが、
「生活」のイントロが流れた時に「これは自分の好きな感じ!」ってピンと来たのを今でも覚えてます
そのあと曲が流れ終わった後にバンド名と曲名を確認してメモして・・・・・って、
今記述していて思いましたがめちゃくちゃアナログな作業やってるね笑
懐かしい。。
今ラジオから自分の好きなタイプの新曲が流れて来たら、
spotifyで検索してお気に入り登録して終わり~って感じですもんね
それはそれで現代的なスピード感があって好きですけど。
で、あまりにも好みだと思ったらフィジカルで買ってじっくり聴く、っていう流れですかね。




歌詞カードはCDと違って全部五十嵐さんの手書きなんだ。



今日の朝、
改めてレコードで全曲聴いてたんですけど、
やっぱり名盤ですわ。
アルバム全体の感想は前のブログ(超進化アンチテーゼ)でいつか書いたと思うので、
ブログ内検索などでお暇でしたら読んでみて欲しいんですけど、
やっぱりアナログの音ってより「生感」があって、、、
たまに、
すぐ近くで演奏してる?みたいな感覚になるんですよね
そこが好きなのと、家でじっくり聴く/浸るという行為に於いて「似合ってる」作品だな、とも感じました
歌詞の内容が聴き手の深層心理に切り込む感じがあるのでよりグッと来る音像を楽しめます
それと、正直冬っていう季節に凄くフィットしてる作品だとも思ったし・・・
レコードで聴くときって向き合って聴く事が多いので、
言葉の力が強い今作みたいなアルバムは特に親和性が高いな~とか感じられましたね。
「君待ち」聴いてた時に「もう劣化されない」ってフレーズが流れて来てハッとした気分になったり、
最後の「土曜日」の「土曜日なんて来る訳ない」ってフレーズで不意に涙腺刺激されたり、、、
実に良質な❝音楽体験❞が出来た手ごたえが自分の中では強くありました。








また、
レコードで音楽アルバム聴くのって、
個人的には映画を観る行為に似てるな。ってちょっと思いました
それぞれの楽曲の表情や内包されている感情を温か味のある音でじっくり楽しむ・・・
そこから自身の感性と合わせて唯一無二の音楽的オルガズムが生まれて陶酔してしまう、という。
レコード自体がちゃんと色々チェックしながら聴かなきゃいけないのも、
「向き合う」という相乗効果を生んでてある種音楽を聴く環境に於いては最高峰なのかも知れません
先述したように、この作品自体がレコードという形にハマり過ぎていた~のもあります笑
そういう意味では、
自分にとっては宝のような作品ですね。。

個人的に、
ウォーキングしながらスマホで聴く音楽とかも大好きなんですが、
こういうアナログ盤でじっくりと楽しむ聴き方もやっぱり大好きだな!って感じました
もっともっと色々なバンドが過去作でも新譜でもアナログ盤出して欲しいですし、
来年はMONO NO AWAREが今年出たニューアルバムのアナログ盤を出す~との事なので、
それもまた楽しみです
意外と、
レコードでも密かに音楽聴いてて、最近だと小泉今日子の「Today's Girl」とか
ゴダイゴの「MAGIC CAPUSEL」とか聴いてました。音楽に関してはどの年代でも大好きなので。


【アルバムレビュー】SHISHAMO7/SHISHAMO

2021-11-20 | アルバム感想








1.中毒
2.人間
3.警報
4.明日はない
5.君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!
6.かわいい
7.明日の夜は何が食べたい?
8.ドライブ
9.はなればなれでも
10.壊したんだ
11.ごめんね
12.通り雨
13.夢で逢えても




みんな嘘をついてるんでしょう?
(真っ白なフリ上手いやつばかりだな)
みんな自分が可愛いんでしょう?
(笑えないんだよ君のその冗談は)
みんな嘘をついてるんでしょう?
(くだらなすぎて笑っているだけだよ)
みんな無理して笑ってるんでしょう?
(みんなだってきっとそうでしょう?) (人間)






今年の6月末に出たアルバムかな
感想を書くタイミングとしてはかなり遅いんですけど、
そもそも前作である「6」の全曲レビューが終わって無かったので・・・
自分の中で、
それ終わらせずに新作のレビューを書いてしまったら、
なあなあのまま最後までやれてなかった気がしてたんで仕方無いですね
まあ、syrup16gの全曲レビューとかも全然終わってないし(爆

今作はね、
はっきり言って最高傑作ですね。
それはもう、前作を聴いた時も同じ事思ったんですけど笑
最新作が一番良いと思えるというのは健全ですよね
前作は、
正当に音楽性が深化した傑作だと感じてたんですけど、
今作はよりロックバンドっぽくなって来た作品と言えるんじゃないですかね
曲目を見て下さい
のっけから「中毒」「人間」「警報」って、
一体何が起こったの?って感じじゃないですか笑
でも、
これが最近のSHISHAMOのモードなんだと思います
半分ぐらいポップである事を放棄してよりロックバンドらしい音を求め始めたというか。

でも、
「はなればなれでも」はオシャレなシティポップ風の曲調だし、
「明日の夜は何が食べたい?」は従来のシシャモらしい楽曲だと思うし、
「通り雨」もNHK-FMミュージックラインにゲストで来た時に流してましたけど、
これまたシシャモらしい切なくてメロディが凝ってる王道のラブソングに仕上がってると思います
ちなみにMr.Childrenにも「通り雨」って曲があってそっちも個人的には大好きですね笑
シシャモの方はちょっと大人びたテイストでもあってそれもまた沁みましたね。

そう、
全部殺伐とした感じの曲にするんじゃなくて、
きっちり従来のファンにも刺さる様な楽曲も入ってるんですよね
そのバランス感覚というか抜け目の無さもまたニクいアルバムになってます
結構、
序盤の曲目がイカつくはあるんですが、
新旧のSHISHAMOの良さがフルボリュームで詰まってる新譜になってるので、
そういう意味合いでは入門にも相応しい印象の作品かもしれません

一方で、
サウンドデザイン的には
今までのポップロック路線から一転して
「警報」「人間」「壊したんだ」「夢で逢えても」みたいな、
所謂インディーロックみたいなアレンジが増えててそこも面白いです
なんというか、
良い意味で変わったなというか、
純然たるロックバンドとしての音の気持ち良さを追求してる曲も多くて、
そういう意味だとこの先も益々音の感じが変化しそうでワクワクした作品でもありました
マニアックなアレンジが増えそうというか、「壊したんだ」なんて打ち込みも解禁してますからね
ああいうのもアリなら、今後もっと(良い意味で)変化球なアレンジも増えそう、とか。
ロックもポップも全部飲み込んで一まとめにしたような豪快さが素敵な作品でした。
兎角、純粋に良い曲、素晴らしい楽曲が頭から終わりまで詰まってるので、
個人的には今年を代表する傑作の一つ・・・とまで思っています。








みんなに大事にしてもらえる
あの子の顔で生まれれば
心もこんなに汚く醜くならず
まっすぐに生きていけたかなぁ (かわいい)




中でも、
この「かわいい」の歌詞は抜きん出てますね
正直ここまであからさまにルックスの良し悪しについて歌った曲は初めて?聴いたので、
そういう意味合いだとある種の❝発明❞にも感じられるくらい素晴らしい曲
というか、
歌詞の内容が最後まで何一つ報われる事もなく、
完全に他人に対するコンプレックスの吐露でしかないので、
歌詞をそのまま受け取るのではなく自分が劣等を感じてる何かに置き換えても聴けちゃうんですよね
(それは「中毒」にも同じことが言える)。
なので、
自分にとっては堪らない曲ですし、
でもメロディとかアレンジは超ポップかつ疾走感溢れる爽やかなアレンジになってるんですよね
ぶっちゃけ、この歌詞の内容に付ける曲調じゃないだろ(笑)とも思いつつ、
でも、それでもやっぱりこのアレンジがベストだったとも思いますね
これでディープな曲調だったら逆にくどくなってただろうから。

それとは別に、
ポップスとして今まで作って来た楽曲の中でもピカ一の完成度だと感じた「ドライブ」も素晴らしい
この曲、サビのメロディラインがあまりに良すぎて初めて聴いた時は衝撃を受けました
物凄く練り込まれたメロディかつナチュラルなアレンジもよく似合っていて、
SHISHAMO流ポップスの一つの到達点とも言える名曲でした
実は、
今までの苦悩ですら人生の色だよ。と言わんばかりの、歌詞と乖離した明るいギターフレーズが光る
「夢で逢えても」を赤字にしようとか、
怒りのエネルギーをそのまま曲にしたような「明日はない」も聴いてて泣いた経験もある曲なので、
どれを赤字にするかは相当悩んだんですよね・・・・・
でも、
「ドライブ」のメロディラインは際立って素晴らしいので、
正直そのメロの良さだけで推しの3曲に選んでしまいました
「ドライブ」の歌詞に関しては理想のデートを歌った妄想ソングなんですが、
ところどころファニーなフレーズが出て来るセンスも含めて聴いてて可愛い歌詞だと思います
個人的には、これフィジカルでシングルカットして良かったんじゃ。。とも感じました笑










分かって欲しいだなんて
とっくに思っちゃいないよ (人間)



最後、
個人的に大好きな「人間」という楽曲、
SHISHAMOの楽曲とは思えない位にただただダークで、
もう物語ソングでもないしラブソングでもないしメッセージソングでもない
歌詞の全部が絶望で構築されており、
他人への不満、
自己否定、
虚無感・・・と何一つポジティブな要素が無い攻撃的なロックンロールに仕上がってます
この曲は今作では~とかそういう以前にSHISHAMOの楽曲としてめちゃくちゃ異質で浮いてると思うんですが、
同時に「SHISHAMOって凄まじいロックバンドなんだな。」と再認識した曲でもある
ひたすらに冷めた目線とアンニュイなアレンジ、
独特のゾクゾクっとするようなコーラス、
失望のフレーズの数々、、、と
日々苦悩や欲求不満を抱えてる人ほど刺さる曲になってて個人的に最推しの楽曲です
ある意味syrup16gや初期アートスクールにも通じるセンスの楽曲なので、
こういう曲をSHISHAMOが作ってくれた事が嬉しかったですね。。
この曲はロックファンに届いて欲しいです。