サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【デジタルシングルレビュー】まどろみ/chilldspot

2023-10-30 | デジタルシングル










わたしが縋るのは私だ
前を見上げる










最近出たchilldspotの配信シングル。
クリーントーンを活かした小気味良いソウルの匂いも感じるロックチューンで
アウトロに差し込まれているキーボードの音色も良い味を出してるポップさも内包した楽曲になってます
メロディもみずみずしくて、
特に
「頭がclean」の部分は
ここだけ裏声になるのも含めていきなり曲調が変わる感じがインパクト大で面白いです
文字通り聴いていてハッとするというか覚醒する印象もあってその表現力、アイデアも見事だなと
結構、聴き手を無理矢理殴って起こすようなロック的なアプローチでもあってめちゃくちゃ好きな部分
それと「looking up」のやたらクッキリした発音も聴いてて快感だったり、
サウンドは勿論ボーカル面でも創意工夫が光ってる楽曲だと言える。
比喩根さんの声は、
等身大でありながらどこか色気と巧さがあって個人的に凄く好きな現代のボーカリストの一人です
そんなchilldspotの新鮮かつナチュラルな部分が如実に表現されている会心の新曲ですね。


でも、
管理人的に一番グッと来たのは「私がすがるのは私だ」というフレーズ。
歌詞としては人生面倒臭くなって延々と寝腐ってる様な人が
夢見の心地良さに溺れてる~みたいな。
だけど、
最終的には「ひどく心地の悪い今」の中で「私生きてくわ」と高らかに歌うのが感動的な一曲
「わたしが縋るのは私だ」っていうのは素晴らしい歌詞だと最初から思った
こういう事を歌えるバンドマンは信用出来る。ってのもあるけど笑
 でも、
本当にそうですよね
醜いくらいに他者に依存し過ぎても、
誰かの存在に頼り切って何も出来なくなるのも、
人間としては正直カッコ悪いし自分で自分を素敵だとは決して思えない。
真にすがるべきは自分で、陰鬱な状況も報われない現状も自分自身で切り開いていくべきだから。
そういう意味では若くして昔のバンドがよく掲げていたようなD.I.Y精神が身についているバンドでもある
それと、単純に「私がすがるのは私」って歌われると精神的に気持ちが良いのもあります
それをメッセージとかではなくスタンスとして歌ってるのも粋な新名曲に仕上がってると感じました。
今年の上半期に一度ライブに足を運んだんですがこの曲も是非生で聴いてみたい楽曲の一つです。











そう言えば、
ライブレポでも書いたんですけど
ライブで聴いてそのあまりの音数の少なさに衝撃を受けた「5/7」という曲もよく聴いています
chilldspotは令和のロックバンドにしては良い意味で落ち着いてて成熟してる印象
個人的に凄く可能性を感じているバンドの一つなので今後も応援&注目してゆきます!


【デジタルシングルレビュー】私のままで/SHISHAMO

2023-10-29 | デジタルシングル











「あなたウケ」じゃない
「私ウケ」で
もうあなたにだって何も言わせない
誰にも媚びたりしない









最近出たSHISHAMOの配信シングル。
今年に入ってからのSHISHAMOのデジタルシングルって
「夏恋注意報」を除くと結構私的な葛藤を歌うタイプの楽曲が多い気がする。
この曲は、
曲調だけを考えるとめっちゃ軽快なSHISHAMO印のロックンロールに仕上がってて
歌詞がどうこうよりもまずその小気味良いギターロックに耳を任せているだけでも気持ちが良い楽曲
三位一体の爽やかでポップなアンサンブルはちょっと涼しくなって来たこの季節にも似合います。
 そして、
サビでは珍しく「GO!」って英単語を使っていて
その後「もう」とか似た響きの日本語と重ねて韻を踏んでるのも聴いてて面白いですね
SHISHAMOのサビメロの中でこういうギミックを使ってる曲は珍しいので非常に新鮮な一曲でした。
つまり、
これから一寸歌詞に関して語る前に、
ただただ聴いてるだけでも心地良い楽曲ですよ。っていうのを伝えたかったんですな
新機軸要素もありながら衰えを知らないメロディメイカーとしての才能も感じさせる名曲だと思いますね。


で、
歌詞について。
引用した上記の歌詞を見れば分かる通り、
「私は私の好きを守る。」っていう
管理人が最も好むパターンの一つな歌詞に仕上がっています(笑
この場合の「あなた」というのは個人的に❝世間様❞というメタファーにもなってると感じるんですけど、
正直
ここまで言ってくれるとスカッとするというか・・・
やっぱり、特にこの日本という国では「空気」の力が何よりも強くて、
ちょっとでもその渦の中からはみ出ると孤立してしまう~っていうのが事実としてあると思うんです。
そんで、
「みんなが好き」みたいな風潮に追随して自分もその渦の中で過ごそうとしても、
ぶっちゃけ精神的に苦しいし何より楽しくないと思うんですよね。
だから、
もう開き直って
「あなたウケじゃない」
「私ウケで」と歌っていると思うんです
その上で、決して媚びない
ただ、
そんな自分を認めて認め合えるなら、きっともっとハッピーになれる・・・っていう
同調ではなく相互理解を望むに近いニュアンスを感じるのが一歩先に踏み込んでる感覚もあって
そういう意味ではメロディーメーカーとしては勿論作詞家としての宮崎さんの進化も味わえる一曲だと思う。

何よりも、
なんだかんだ本当に自分が好きなモノの為に生きた方が豊かな気持ちになれる。
そういう意味では「あなたウケ」じゃない「私ウケ」で~って歌詞は聴いてて救われる部分がありました
正しいとか正しくないとかではなく、本能的な部分に逆らわないという事ですね。









こんな色 好みじゃないでしょ?
でもね これが私の好きな色なの



この歌詞もめっちゃ好き。。
11月11日にはぴあアリーナMMにて10周年イヤーの幕引きとなる大規模ライブもあるんですが、
そこでこの曲も鳴らされるかと思うと今からワクワクしますなあ。
それと、
もう一つ最近出た配信シングルの「わたしの宇宙」もこの曲に近いテイストの楽曲で大好きでした。
今年は一年通してTHEベスト!って感じの活動だったので来年はニューアルバムにも期待したいですね。


【デジタルシングルレビュー】かなしみがかわいたら/THE NOVEMBERS

2023-04-16 | デジタルシングル











喜びが溢れるような
歌を歌いたい











3年振りに出たTHE NOVEMBERSの新曲。
先日スタートしたライブツアーのタイトルにもなってますが、
3年振り・・・件のウイルスの蔓延からもう3年も経ってるんですね。と想うと、
流石に時の流れの速さを感じてますね
ただ、
今年に関して言えば私生活で精神的に苦しい時期が続いてるので、
個人的には「ここまで長かった。」と思ってます
それも不思議ですけど、、、
そう、
この曲は、
そんな風に辛い思いをして来た人に捧げるヒーリングソングだと聴いていて感じました
同時に、ポップスの様な柔らかさと、シューゲイザーの様なアレンジの二面性もある楽曲だとも思います。


自分もそうなんですが、
理屈の上では「動き出さなければいけない。」と分かってても、
どうしても心因的な理由で立ち止まってしまう時はある
そういう時に、
「かなしみがかわいたら」と
無理に元気出さなくても良い
もう一度歩みたくなったら、またその足で歩いて行けば良い。と聴き手の背中を押す優しい楽曲です
歌声もサウンドも例えばポンキッキーズで流しても違和感の無い・・・
ある意味大江千里にも通じるポップセンスを感じる曲ですが、
バックのアレンジは、
音源でも分かる通りちょっとシューゲイザーっぽい密かな激しさもあって聴き応えもバッチリなのが素敵です
特に、
「楽しい 嬉しい~」の部分のメロディラインは、
今まででも随一に開けたものがあって聴いていて胸を打つ旋律に仕上がってる~と感じました。


先日、
そのライブにて生演奏でも味わって来たんですが、
生だと(特に2日目は)アウトロの部分で鮮烈なギターソロなんかもあったりして、
またちょっと激情的なエッセンスが入るイメージで素晴らしかったですね
この曲は、
タイトル通り根底には悲哀の感情があって、
そこからゆっくりと立ち上がろうとする人間の模様だったりいじらしさ...を描いている名曲だと思います
全体的にシンプルなフレーズが素直に並んでいる印象の楽曲ですが、
この曲にはこのぐらいシンプルなフレーズの方が似合うな、と。
非常にドラマチックでありながら、
日常的でもあり、
その雰囲気にもウットリしてしまう渾身の新曲ですね。本当は、説明が野暮なんじゃないか?と想う位、
ピュアネスたっぷりの美しい曲だと思っています。









そういえば、
インスタグラムでsyrup16gの中畑大樹さんが、
この楽曲を絶賛してくれたのも、
両者のファンとしては喜ばしい出来事の一つでありました。
いつかまた対バンしてくれないかな・・・笑


【デジタルシングルレビュー】BLACK COFFEE /asmi

2023-04-14 | デジタルシングル










I hate you
もう目を見て言えないのか
Without you
前よりイキイキしてます
Don't you
私がいない日々はいいね
****you
地獄で会いましょう
さよなら








最近、
うる星やつらのOP「アイワナムチュー」等でも好評を博しているasmiの新しい配信シングル。
「アイワナムチュー」は正直あれはあれでポップに突き抜けた名曲だと感じてますが、
本家ソロ名義のこの最新曲はもっとビターな仕上がりで・・・
ある意味彼女の素が出てるような気もしますね。
否、
素っていうか、
「こういう面もある。」っていう感じかな
たぶん。

ただ、
この楽曲は先月配信がスタートしたばかりですけど、元々ライブでは一年前から披露していて、
いちリスナーとしてはようやくリリースされた~って感じもありましたね
asmiさんの楽曲の中でも随一にハイテンポだと思われるこの曲
まだ、
未知の新曲として披露してたのに当時からライブでの盛り上がりが凄くて印象的だった記憶があります。
タイトルの通りブラックミュージック或いはクラブミュージックの流れを汲むダンスナンバー
メロディアスなサビに約3分に収まる短くサッと終わる曲構成など、
俗に言う新規にも優しいと思われる聴きやすさがあります。


しかし、
そんな入り口の広い曲調や滑らかなアレンジとは別に、
歌詞に関しては何一つ楽しさの無い苦みたっぷりのものになっていて、
そのアンバランスさがとっても素敵な一曲に仕上がっています
ブラックコーヒー.....
苦い経験。
嫌な思い出。
それらをフラッシュバックさせつつ、弱い自分を嘆く様に歌われる心情の数々は、
共感もありますし、
何より、
生きてれば「良い事」よりも「悪い事」の方が圧倒的に多いのが事実なので(笑
そういう意味では聴いてて心地良いシンパシーを生みやすい楽曲になっている、とも言える。

極めつけは、
冒頭に引用させて頂いた怒涛のフレーズの数々。
まず、
英語詞の選び方が非常に巧い
曲の歌詞によく出て来るフレーズを集めて並べるセンスにニヤッとしたし、
最後には(伏字になってるけど)「FU×K YOU」まで述べる思い切りの良さがイイですね
もっと言えば、
相当相手の事をボロクソに貶してるじゃないですか(笑
その上で、そんな自分も地獄に堕ちるよ。って示唆してるラストのフレーズにまた痺れますね
聴いていてスカッとするというか、
うん、
勢いを感じるし、
怖い事言うと楽曲の中で刺し違える覚悟すら感じる様な...
そう考えると、asmiさんの秘めたる熱情というか憎悪にまじまじと触れられる名曲だと思います
それを、めっちゃ爽やかな歌声とメロディで表現してるのに一番感銘を受けた楽曲
過去に人間関係等で苦い経験をしてればしてるほど響きそうでもある曲ですね。










最近は、
ポケモンの曲も歌ってたり、
躍進が止まらない次世代のシンガーasmi
個人的にはソロ名義のアルバムがCDで出たら良いなぁ・・・と思っています
そして、近頃はライブも精力的にやってるので今年も是非行きたいなと!


【デジタルシングルレビュー】綺羅キラー/ずっと真夜中でいいのに。

2023-01-12 | デジタルシングル










底辺のてっぺんの味で
満たされたいわ









ずっと真夜中でいいのに。は、
元々数年前に「秒針を噛む」って曲がNHKのラジオで流れていて、
それ聴いて「あ、この曲良いな。」って純粋に思ったんですけど、
その時は・・・
自分自身のモードが❝狭く深く❞みたいなモードだったのと(大体ランクヘッドやロストインタイム聴いてた)、
他にも結構その時のモードが新しい歌手を掘り下げる~みたいなものでは無かったので。
「良い曲だな。」とは確かに感じつつも、思ったまま終わってしまったんです。
 それから数年が経って、
この間母親と歌番組を観てる時に不意にこの曲がCM中にTVから流れて来て。
瞬間で「良い曲だな。」って感じてたら母親が「この曲良いね。」って口に出したんです
全く同じことを感じてたので、「うん、いいね。」って返したんですけど・・・
なんかその感じも良くて(笑
この歳になって、
そういう感じを味わう事ってあんまり無いので。
子供の頃の感覚にふと帰れたんですね。


で、この「綺羅キラー」って曲、
サビの鮮烈なメロディも冒頭の格好良いギターリフも大好きなんですが、
何より特徴的なのはその歌詞です。
サビで、
「最低なコンプだし
 最高の昆布だし」とか歌ってるんですが、
ある意味syrup16gにも通じる様な無茶苦茶な韻の踏み方の歌詞を書いていて。
でも、
その意味不明な様で、
ちょいちょい意味深なフレーズ、
メッセージ性のようなフレーズが紛れ込んでる感じ、、、が凄く自分の好み
だと思いました
例えば、
「周りに合わせる言語も知らねえ」
「葛藤の活動がマスト」
「嫌いなんて序の口 そう思うと楽だし」
「落ち込んでる方が進めるセオリー」
「揃ってるだけじゃつまらんし」
「ヤミー(闇)エネルギーはいつも助かってるんだよ」

などなど・・・ですね
そう、
ノリ重視と思いきや、何気にはみだし者のテーマソングみたいな歌詞に仕上がっていて。
それが素敵だなと感じましたし、最後の方の歌詞で「乗りこなす必要もないし」って歌ってるんですよね。

個人的に、この「乗りこなす必要もないし」って歌詞が特にお気に入りで、
つまりは❝上手くやることだけが全てじゃない。❞という事だと聴いていて思ったんです
それは、
時代であったり、
人間関係であったり、
様々な事柄に当て嵌まると感じますけど、
もっと言うと他人や他人からの見られ方云々よりも、
自分が、どう、有りたいか.....っていう。
そういう部分にまでこの曲は切り込んでる気がして、だから本当に名曲だと思えますね。



それと、
もう一つ印象に残ったのはACAねの声ですね。
凄く歌に対して色を付けるのが上手な気がしてこの曲は特に顕著な気がします
歌詞をただ歌うんじゃなくてそこに様々な感情を乗せるのが巧い。
例えば、
抑揚の付け方だったり、
格好良い部分と甘やかな部分の緩急だったり・・・
「増殖」が「増殖ゥー↓」
「僕」が「僕ゥー↓」
「歪み合った」が「歪み合ったハァ↑」
「満たされたいわ」が「満たされたいわーぁあ」に聴こえるんで、
歌詞カード読むのも面白いんですが歌聴いてると歌詞カード以上の情感が詰め込まれていて、
数年前「秒針を噛む」を聴いて「この人の曲と歌良いな。」って思ってた自分は正しかったな。って
この曲を何度も何度も聴いていて深々と感じたりもしています
また、
画像のクレジットを見ても分かる通りカリラップという方がラップで参加していて、
その高速ラップとの絡みもまた聴きどころに仕上がっていると思いますね。
あとMVもライブシーンがめっちゃ素敵なので是非観て欲しい・・・!








いつだって研修生
価値が小惑星
乗りこなす必要もないし



でもね、
色々書いて来ましたけど、
この曲の最も良い部分は先述した冒頭の歪んだギターリフが象徴してるように、
人間が普段抱えている軋轢や相違感、孤独などの負の感情が
聴いていると相殺されてスカッとする感覚があるんですよね
そこが聴いてて一番好きで最近ヘビロテしています
それを、
ここまでポップかつ良い塩梅で仕上げられているセンスはやっぱり凄いと感じましたし、
この曲にハマってから「秒針を噛む」も聴き直してるんですが、あの曲も今でも好きだと感じました。

ずっと真夜中でいいのに。、まだまだ知らない曲がいっぱいあるので、
2023年はマイペースに掘り下げてゆきたいです・・・!
そしていつかライブでこの曲を聴きたい。


【デジタルシングルレビュー】なんとなく。/SHISHAMO

2022-10-24 | デジタルシングル









君の好きな漫画も
君の好きな映画も観たけど
きっと君は私の好きなもの
ひとつも知らないね
それが全てと私気づいていたの








先月発表されたデジタルシングル。
残暑にもピッタリなアコースティックサウンドが基調の涼しげな楽曲です
・・・と、思ってずっと聴いてたんだけど、気が付いたら残暑終わっちゃってる感じですね
いつもそうなんだけど書いて仕上げるのがワンテンポ遅いのが本当いかんですな
この夏は、
この曲と「ハッピーエンド」「夏の恋人」をよく聴いてました
それと別バンドですがドレスコーズの「聖者」も素晴らしい夏の曲でよく聴いてましたね。

ぶっちゃけ、
家では大体CDかレコードで音楽を聴いていて、
音自体はやっぱりフィジカルの方が良いと感じてるんだけど、
しかし、
外だと予め鳴ってる雑音が前提にあるから、
あまりそこも気にならなくなるんですね
なので、
spotifyでデジタルの新曲を聴く時は大体通勤時か大好きな散歩中聴く事が多いです。
でも逆に言えばそのお陰で散歩が捗る気もするので有料プランで良かったとも思ってます。
散歩中に大好きな楽曲を延々と聴きながら歩くのってマジで至福でしかないからね。


この曲は、
正直「楽しい!」って感じの曲ではなく、
かなり悶々としている感じがするというかもっと言えば苦悩している感じがします
サビの歌詞もままならない現状に対してめまいのような感覚を憶えつつ、
ただ、
それと同時に、
昔の快感に縋りついてる感じもあって・・・
相当なジレンマを感じさせる新曲に仕上がっていると思いますね。
そして、その感覚に身を任せるのがとても気持ちが良い。
そもそも、
先述の様に前提としてアレンジ自体が残暑に似合う涼しげなアコギサウンドになってる訳ですから、
そりゃ気持ち良くない訳がないだろう!っていう。

管理人も、
ぶっちゃけ毎日「あ~あ。」って気持ちを持ったまま生きてたりもするので、
こういう楽曲に気持ち救われたりもしますし、それと同時に結構官能的な歌詞にもなってるので、
ある種そういう状況下に於ける熱を想起するのにも長けている楽曲なんじゃないでしょうか
近年のSHISHAMOがちょくちょく取り組んでるアダルティな曲の一つですが、
しかし、
昔出した「熱帯夜」に近いテンションの楽曲でもあるので、
そういう意味では古参にも受け入れられる楽曲でもあるのかもしれません
個人的に想うのは、こういう悶々とした感情に身を任せるのってある種の「楽しさ」もある、っていう事(笑
なので、歌詞のテーマ的には苦悩してますけど、聴いててカタルシスの様なものが強い曲でもある
そんな風に思える最新のSHISHAMOの名曲でございます。
ライブで聴くと、
若干場末のバー的な渋い雰囲気も出るので、
勿論生で聴くにも適してる曲ですね。








尚、
先ほど自分の中の哀愁的な部分を記述しましたが、
それは自分の一部の話であって、
全部が全部ネガティブという訳ではないです
正直、
ただ純粋に「次は何食べようかな。」とワクワクしかしてない時だってあります
人間は多面的な生き物ですし、自分もまた多面的だと自覚しているので。

あ、
この間取手のライブに行って来たんですよ!
その時にこの曲も演奏したので、
それ含めてライブレポの方もなるだけ早めに書きたいと思ってます。
先週頑張りまくって8月のライブレポは全部UPしましたので。



【デジタルシングルレビュー】ハッピーエンド/SHISHAMO

2022-07-19 | デジタルシングル











でも、
結局何が本当の幸福か?なんて分からないですよね
正直な話、独り身であったとしても「他人と居る事で生じるストレスを受けずにいられる。」とも言える訳だし、
そう考えてしまうんなら、片想いのまま、理想の誰かのままで終わらせる方が幸福だとも言えるのかも?

この曲は、
印象的なのがサビで「誰がなんと言ったって~」っていうフレーズが入ってる事です
自分のレビューを長年読んでくれてる方なら知ってるのかもしれませんが、
管理人ってこういう言い回し昔から大好きなんですよ(笑
そう。
数式とか、
雑学とかとは違って、
自分の「感覚」って自分の感性だけが絶対的に正しいものでしょ
例えば、打ち切り漫画だって自分が「最高!」って本当に想ってれば
文字通り誰が何を言ったって❝自分にとっては❞最高であり成功でしか無いんですよね。

だから、
自分にとっての最高も、
自分にとっての幸福だって、
全部自分の中の尺度や感性に因る捉え方で全部が決まる
と言っても良い
そこには間違いなんて無いし、逆に言えば間違いだなんて誰にも言わせない権限が個々にはある
なので、
この曲に於けるハッピーエンドっていうのは、
事実上は決してハッピーエンドでは無かったのかもしれない。
でも・・・
それも、
それだって、
自分次第でどうだって変わるもんだし、
変えて行けるもんだとは思う
その上で、
歌詞の最後でセミの声が煩い~と
情景描写だったり自分の中の悪い声を黙らす感じだったり、或いは世間様を振り切る感じだったり、、、
それ含めて実に趣の深い最新の名曲だな!って素直に思えた新曲でございました。


今まで語ってた事はある種の「強がり」とも呼べるのかもしれない
ただ、
例え強がりだったとしても、
それもまた人である以上の❝救い❞の一つというか・・・。
そんな風に改めて感じれた良好なデジタルシングルでした
 繰り返しますけど、ただ開き直ってるだけじゃなく、
最後にセミの声に苛ついてる振り切ろうとしてる描写がこの曲を良い曲以上のものに押し上げてる気がします
途中の音響系っぽいアレンジも含めてまたSHISHAMOのサウンドメイクが進化してる、
新しい段階に突入したのも感じられる、是非触れてそれを感じて欲しい一曲ですね。



【デジタルシングルレビュー】わたしたちへ/カネコアヤノ

2022-05-16 | デジタルシングル











変わりたい 変われない
変わりたい 代わりがいない
わたしたち (わたしたちへ)










この曲は・・・
名曲ですね
もう、
イントロのシューゲイザーか!という位の轟音からして最高なんですけど、
カネコアヤノさんの心の深くまで沁み込むような歌がまた最高なんですよね・・・
演奏の時点で素晴らしいのに、
あの❝赤い❞声が合わさったらそりゃもう最高でしかない
カネコアヤノさんは今年の1月に今は無き新木場STUDIO COASTにて生ライブを観ましたが、
その時もあまりの迫力と純度に圧倒されてかなり魅せられてしまったんですよ
そう考えると、
この曲も凄くライブ映えしそうな曲にも感じますが、
また是非ライブを観てみたいですね。
ちなみに、
管理人はツイッター観てる方なら分かるでしょうけど、
「行きたい」「観たい」とか書いたらほぼほぼ行っちゃうんで(笑
有言実行の度合いはそこそこ高めな方だと思ってるんで、多分どこかしらのタイミングで行ってるでしょう。
自分が口だけの人間じゃないって自分で分かってるからね。


この曲は、
サビの歌詞が大好きです
変わりたいの後に、変われない~っていう嘆きがあって、
その後にもう一度「変わりたい」っていう強い言葉があるのがまたリアルで。
繰り返しにはなりますがその間に「変われない」っていう悔しさがサンドウィッチされてるのも
凄く誠実なフレーズな気がして。
そして、
極めつけには「代わりがいない」っていう肯定と現実が入り混じった絶妙な言葉が入って来て、
サビの最後には「わたしたち」という聴き手を鼓舞するような言葉を放って終わる。
 この曲は、
たぶんメッセージソングでも応援歌でもない、
カネコアヤノさんはそういうキャラでは無いと思ってるんですが、
結構・・・
私小説的というか、
心の中で思ってる事をそのまま出したというか、
そういう感じがします
それが、
結果的に聴き手の「頑張りたい」って気持ちや、
「もっと素敵になりたい。」という感情を誘発させる作りになっている(と、感じる)ので、
そういう意味ではある種理想的な歌詞の作りにもなってるかな、とも思えた一曲でした

もう一つ感じたのは、
「わたしたち」ってフレーズに、
ただ自分を卑下するだけではない、
こんなもんじゃないでしょう?っていう、
手前を誇りに想う気持ち・・・のようなものも感じました
気のせいだったら申し訳ないんですけど、
まあでも、
このデジタルシングルも毎月spotifyにお金払って聴いてるものなので、
どんな風に聴いてもそれは管理人の自由という事で(笑
でも、
自分の良いトコは自分でちゃんと分かってあげられる人でありたいな。とは想う。







自分も諦めたくなる日だって「何も無い。」って感じる日だって、
嘆きたくなる夜だってそりゃもう一杯存在してますけど、
ただ一つ言えるのは、
ずっとその状況を続けたい訳じゃない。
悲しみに酔うような格好悪い真似はしたくない、って事ですね。
いつまでも這い上がる事を夢見ていたいし、
そういう意味では、
メッセージ・ソングを越えて聴き手に燃え滾る❝何か❞を与えてくれる様な、
そんな名曲に仕上がっててこの曲もまたきっとヘビロテするんだろうなあ、とは!
90年代とかのオルタナティヴ・ロック好きとかも好きそうなアレンジですね。

自分も、
都合良く「変わりたい。」って思ってたタイミングだったので(本当です)、
そんな時期にこの曲が飛び込んで来たのは自分の気持ちを見透かされてるようでドキッともしました(笑
少しでもいいから這い上がりたい、人生リベンジしたい~という想いを後押ししてくれる名曲。


【デジタルシングルレビュー】ボクだけのもの/サンボマスター

2022-04-06 | デジタルシングル









キミの翼は消えてないよ
その羽根にいま 生命と太陽
閉ざされた闇は終わって
聴こえるだろ
心はキミだけのもの








この曲、
6分半あるかなり長い曲なんですけど、
この間NHK-FMミュージックライン聴いてたら、
前半の方でノーカットでフルで流れてたんですよね
それ聴いてて、
ミュージックスクエア以来の伝統がちゃんと守られてるんだな~と嬉しくなりましたし、
またサンボマスター自体がミュージックスクエアによくゲストで出てたバンドでもあるので、
そういう意味では結構ミュージックラインもスクエアのテイストたまに感じさせるのですよね。

ただ、
6分半あるとは言っても、
別にバラードじゃないしむしろサビメロはアッパーな類だと思うし、
言うほど6分半ある~って事を感じさせない曲調ですね
Mr.Childrenの新曲「永遠」はそりゃ6分以上あるだろ。っていう類の曲調ですけど笑
アップテンポなのにここまで長いっていうのも正味面白いですよね。


そして、
この曲は純粋に歌詞と歌声にグッと来るものがあります
サンボマスター自体は自分が高校生の頃にイノマーさんのバンドと一緒に世に出て来た印象で、
まあ言ってしまえば今やかなりベテランの類のバンドだとは思うんですけど、
だからこそ、
より上記の引用させて貰ったフレーズが胸に来る感触があって。
それは最早20年選手クラスになったサンボが未だに格好良いロックを鳴らしている~という現実、
その嬉しさと共にやっぱ聴いてる我々もそれ相応に年齢重ねてますから、
多分、
「頑張れ」「負けるな」って言い方ではなく、
「キミの翼は消えてない」っていう言い方が良かったんだと思います
サンボが未だに色褪せずに格好良いロックを鳴らしてる。という説得力&ドラマが、
ちょっと年齢を重ねてしまった自分みたいな世代にはドンピシャだった、、、という感じ
聴いてて、
もう一度自分を試したくなる楽曲であり、
自分だってまだやれるんだ・・・!という想いを震わせてくれる最新の名曲だと思いました。
とても素晴らしい曲なので、配信オンリーではなく音源でも是非欲しいです。。







しかし、
最近感じるんですが、
自分が青年になってから出て来たアジカンとかランクヘッドなどが、
今やベテラン、、、というかおじさん扱いされてるんですね
そう考えると隔世の感がありますが・・・
とはいえ、
まだまだもっと上の世代でも頑張ってるeastern youthやフラワーカンパニーズなども居ますから、
00年代に出て来たバンド達も負けずに頑張って欲しいですね!


【デジタルシングルレビュー】わたしのLife/藤原さくら

2022-04-04 | デジタルシングル








想像していい? 都合のいい わたしのこの先
創造していい?難しくないでしょう








この間出たばっかりの配信シングル。
多分、去年出た「mother」(大名曲)以来のニューデジタルシングルになると思うんですが、
これがまた凄い良い曲・・・良い曲っていうか、出たばっかりでここまで書くのもアレかもしれないですけど、
個人的に早くも精神的に助けてもらいつつある一曲で・・・それは自分がネガティブだからこそ、かも。

曲調としては、
春らしい軽快なポップス風味の曲に仕上がっててこの季節にもピッタリだと思います
同時に、ギターサウンドもそれ相応に鳴ってるのでそういう面でも聴き応えのある楽曲でした
何より、藤原さくらさんの歌唱が素晴らしく、
多少けだるげに歌われるAメロから、
リフレインも心地良いBメロ、
そしてそこから聴き手を包み込むような優しく温か味のある歌声に変わる、、、、と
歌声の変遷というか、緩急が兎角秀逸で、サビ後のサウンドも余韻があって作中観に浸れるし。。で、
曲調としては先述の様に軽快ではあるんですけど、構成に関しては強いこだわりを感じられる新曲でした。
要は物凄く丁寧に作られてる楽曲です、という事ですね。


さて、
ここからが核心なんですが、
やっぱり個人的に最も響いたのは2番目のサビの歌詞、
冒頭に引用させてもらった「想像していい? 都合のいい わたしのこの先」ってフレーズですね・・・

これ、
具体的に言葉で説明すると難しいんですが、
そうだな、例えば、大人になってある程度経験を積むと、
結構最初からマイナスな事を考えたりするじゃないですか(笑
きっと上手くいかない、
駄目かもなぁ。
とか、
叶わない事前提で物事を考えたりする
そもそも、人から「そんな都合の良い事は起こらない」とか、
「世の中そんなに甘くはない」だとかたまに言われたり見たりしますもんね。
まあ、決して誰しもがそうではないとは思うんですけど・・・。


でも。
はっきり言って、
想像するのは自由なんですよね。
それがどれだけ都合の良い未来だったとしても、
起こり得ないかもしれない事を安易に考えてたとしても、
「そう想うこと自体がある種の救い」、と言いますか・・・・・。
自分の脳内では、
想像の範疇では、
いくらだって何度だって自分を幸福にする事が出来るんですよね。
そういう❝気付き❞を聴き手に与えてくれる、あるようでなかった歌詞だと思うし、
そう強く思う、念ずる事に因って日々の心持ちも変わるかもしれないですしね。

何よりもグッと来るのは、
「都合の良い」って形容の仕方ですよね。
我々は・・・少なくとも管理人は世の中甘くない~っていう思想をずっと聞かされてきたけど、
そういう都合の良い考え方をしても全然大丈夫だよ、っていうか、
そう想いながら行動する事に希望があるんだよ、というか、
そういう事を教えてもらった気がして・・・
本当、
音楽に於いて、
ここまで聴き手に寄り添ってくれてるフレーズも早々ないかな、って感じました
ま、真剣に探しまくればもしかして通じるフレーズはあるかもですけど笑
でもまあ、取り敢えず今はそういう風に思ってしまいますね。
それくらい「精神的な救い」を感じられた歌詞でした。









凄く自己肯定感を強めてくれる楽曲でもあって、
最後の「愛おしく思う わたしのlife」ってフレーズと優しい歌唱、
そしてそこからの温かく多幸感のあるサウンド・・・が、
決して、
決して今までの人生の全部が間違ってた訳じゃない、
自分が生き抜いて来た事で生まれた「何か」があるんだよ。という純然たる事実を想起させてくれる、
または想起したくなるような素晴らしい着地点なのも本当聴いてて良い気分になれると思います
言葉以上の奥行が感じられて。

そもそも、
自分を一番肯定してあげられるのは、
他でもない自分自身でしかないですからね。
そういう意味では決して変化球ではなく王道なテーマ、
それでいて確かに聴き終えた後心に何かが残る・・・そんな濃ゆさもある名曲ですね。
このジャケットも一時期の曽我部恵一のジャケットみたいでニヤリとしてしまいました(笑
それと、「mother」のレビューも書いてるのでそちらも是非よろしくです!

 
今後は全国ツアーも敢行するみたいで、自分も是非参加したいですね♬
その時はこの曲も聴けたらすっごく嬉しいです。