山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

ドライブ・マイ・カーを見た

2022-04-30 00:27:14 | テレビドラマ・映画

夫がレンタルDVDを借りてきて、ドライブ・マイ・カーを見た。
これは、世界でも高評価されている映画なので、きっと良いものだろうと期待していた。
イメージとしては、何かすっきりした結末なんだろうと思っていた。

ところが、出だしからなんかわけがわからない朗読みたいなのが続き、思っていたのと違うぞということになった。

ドライブという開放的なイメージとは程遠いし、その朗読みたいなのが何なのか意味不明だし、それを聞いてその情景を思い浮かべるのも結構大変である。またその内容が気分の良いものではない。

また、車の中で流している棒読みのセリフみたいなのも何なのかわからなかった。

主人公夫婦がセックスをしながら語る朗読みたいなのは、妻が創作した小説であり、車の中で流れているのは、チェーホフのワーニャおじさんであることがわかってきた。

そして、主人公が取り組んでいる舞台演劇もワーニャおじさんだった。

(ワーニャおじさんは有名な作品らしいし、この映画の鍵を握っていると思うが、私は内容を知らないので、ここでかなり理解力が欠落していると思う。)

それから、まあ、色々と書けば切りがないし、ネタバレになるのでやめておこう。

とにかく、あれやこれや要素が多く、内容が重い。

人間の苦しみや生きる意義などを訴えているんだと思うが、ワーニャおじさんの内容や、それに重ねて登場人物たちの思いや人生が表現され、また様々な言語・国籍の人々が演劇製作を通して同じ場を作り、日本の風景が広島や北海道など描かれ、また韓国色もかなり強く、どれだけの要素がこの映画の中に濃縮されているのだろうと思う。筋の展開も色々と盛りだくさんである。

それは、私にとっては心地良いとは言えず、入れ込み過ぎ・濃すぎる・重すぎる・重厚すぎるような気がするのだ。

重すぎる何人もの登場人物の生き様。

村上春樹の原作はいったいどうなってるんだろうか?映画と同じなんだろうか?

最後は、福家もドライバーの女の子も、お互いが同じように心の暗闇を抱えていることを知り、それを紐解いていく。そして、過去から吹っ切れて一歩進んだと言えるんだろうけど、そう簡単に爽快とは言えないものが心に残った。

結局、人は割り切れないものをそのまままるごと吸収して乗り越えていく、それが解決でもあるってことか。

(亡くなった身近な人間には、理解しきれない内面があって、生き残っている主人公たちは、その影を背負い続けている。村上春樹の作品はそういうのが多いのか?)

なんか、うまく言い表せないので、丸ごと飲み込んで忘れよう。

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「浅草キッド」をみた

2022-01-09 08:40:19 | テレビドラマ・映画

自宅で映画「浅草キッド」を見ました。

これは、北野武の自伝小説で、以前にもテレビドラマ化されたらしいですが、私が見るのは初めてでした。

なかなか良い映画でした。

ビートたけしは浅草のストリップ劇場で前座として出演していたりして働いていたというのはよく知られていることですが、そのころの様子が具体的によくわかり、生みの親ともいえる師匠の深見千三郎の存在が大きかったことを知りました。

ビートたけし(北野武)という卓越した芸人の誕生は、本人の才能・個性・努力があったことは事実ですが、深見という師匠なしではあり得なかったということでしょう。

そして、深見夫婦やストリップ劇場のストリッパーや先輩・同僚などとの人間関係も心にしみるものがありました。

師匠を演じた大泉洋は当然の存在感ですが、私がこの頃感じるのは、その妻・真理役を演じた鈴木保奈美のオーラのすごさです。

この人は私生活ではとんねるずの石橋と結婚して、ずっと子育てなど主婦業をして女優を休業していたと思うのですが、子育ても終え離婚して女優に復帰してから、いきなり女優としての本領を発揮しています。この人が出ると目を奪われます。

きりっとした目鼻立ちも美しいですが、演技もうまいし、とにかくオーラがあるなと感じるばかりです。若い時も第一線で活躍していたとは思うのですが、家庭に入っていた期間の人生経験もプラスされ、人間として女としてパワーアップしていることが歴然です。この人はすごいです。

それから、もう一人驚いた女優は、ストリッパー千春役の門脇麦でした。この人は色々なドラマで結構主要な脇役をしているのを見てはいたのですが、これまではそれほどの魅力を感じたことはありませんでした。

しかし、今回のストリッパーの踊りや歌などは、とても並じゃないレベルで、こんなことができるんだとびっくりしました。女の魂みたいな波動がすごいのです。私はこの人を見くびっていたと思います。私が思っていた女優像より、ずっとずっとすごい器の女優だったなと見直しました。

もちろん、師匠とたけしの心のつながりもすばらしく、おもしろく、ひさびさに見ごたえのある、味のある映画でした。

あっ、最後に字幕で脚本が「劇団ひとり」さんであることを知り、これもさすがだなと思いました。

 

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テセウスの船・竹内涼真

2020-03-23 23:14:51 | テレビドラマ・映画

昨夜は、「テセウスの船」の最終回を見た。

このドラマは、最初のころたまたま見て興味を持ったのだが、そのときにパソコンで原作のあらすじを見たところ、犯人だった子供の殺人動機があまりにも気持ち悪くて、そんな内容ならば見るのをやめようと思ったのだった。

ところが、その後もたまたまテレビをつけていてこのドラマが目に入ったところ、心役の竹内涼真さんの演技がものすごくすばらしいのであった。

そして、妻上野樹里の一生懸命さ、強さ、やさしさと、2人の心のつながりに引き付けられ、この人たちを応援し、もっとドラマを見たいという気持ちがあふれてきた。

猟奇的な犯人の気味悪さや、真実に目を向けようとしない登場人物に対する苛立ちは常にあるが、それにも増して、それに立ち向かう家族の絆や愛情が良く描かれていた。

だからこそ、このドラマに引き付けられていったのだろう。

最後は、過去の世界にタイムスリップした心が、命を懸けて父を守ったことにより、未来を変えることができた。

そして、良き結果に変えられた未来で、家族睦まじく食卓を囲んでいる。

ハッピーエンドだ。

そこにいる心にも家族にも、最初に歩んだあの辛い人生はみじんもなく、過去から現在に至るまですべてが書き換えられているのだろう。記憶もないのかな。それとも生まれてくる赤ちゃんに「未来」と命名するのは、記憶があるからなのだろうか。

殺人犯の息子として生まれ育ち、あの辛い状況の中で父親の無実を証明しようと戦った心(竹内涼真)の姿こそ、人々に感動を与えるものであった。

そのおかげで平和な現在を勝ち得たが、その光景に不思議な違和感?みたいなものを感じた。

それが、「テセウスの船」の意味らしい。

すべてを構築しなおして出来上がった船は、果たして元の船と同じ船だと言えるだろうかとのこと。

これは確かに妙な感じがする。こんな結末も見事である。

とにかく、今回一番印象にのこったのは、竹内涼真の演技がうまかったということ。

その他のキャストも、家族も悪役も脇役も演技は見ごたえがあった。

あの髪の毛クルクルの二重瞼の男の子の演技もすごい。唇が印象的。

竹内涼真は「陸王」では陸上選手の役で、それほどの演技力は特に感じなかったが、ここ数年で役者としてすごい成長をしている。表情・表現力がすばらしい。

この人はいい俳優だ。将来性がある。

 

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「四月は君の嘘」を見た

2020-03-14 23:30:17 | テレビドラマ・映画

今日は、とても寒くて午後からは雪が降ってきた。大粒で水っぽい雪だったので積もりはしなかったが、こんな日は家の中にこもっている。

何をしようかと暇にしていたら、たまたまテレビで「四月は君の嘘」という映画を放送することがわかったので、見ることにした。

 

広瀬すずと山崎賢人が主役で、青春ドラマなんだろうと思った。

内容なんかまるで知らずに見ていたところ、ピアノとバイオリンの演奏が出てきたところで、音楽の映画なんだと初めて気付いた。

 

広瀬すず&山崎賢人がバイオリン&ピアノ演奏!『四月は君の嘘』本編映像

 

ところで、見ているうちに、何かに似ているぞと色々な作品が、頭に浮かんできてしまった。

 

有馬公生(山崎賢人)は、小さいころピアニストの母親を亡くし、それ以来精神的ショックにより、ピアノを弾くことができなくなった。それまでは、天才少年として注目されていたが、ピアノの演奏中に音が聴こえなくなってしまうという現象が起こり、ピアノを弾けなくなってしまった。そしてそのまま高校生になっているのだ。

そのような彼が、バイオリンのコンクールに出る宮園かをり(広瀬すず)によって、過去の精神的障壁を乗り越え、ピアノの世界に復帰するというストーリー。

しかし、一方、宮園かをりは不治の病になって、最後は亡くなってしまう。

どうして、有馬は母のみならず、かをりまで失うのか?と私はこの作品に納得できない。

有馬公生はコンクールで優勝し、かをりは危険な手術を受けて奇跡的に治るというような、ハッピーエンドでもよかったのに、と思った。

 

ところで、この作品の設定は何かに似ているぞ。

 

「蜜蜂と遠雷」

演奏会・ピアノコンクールの場面が出てきた。

母親が亡くなったのをきっかけに、コンクールの演奏の最中に急にピアノの演奏ができなくなり、それ以来、何年もピアノから離れていた少女が、大人になってまたコンクールに戻ってくる・・・

なんか似ているのでは?

何年もピアノに触れなかった天才少年や天才少女が、その精神的ショックを乗り越えて復帰し、やはり才能を発揮するという設定。

 

あれっ?

つい最近読んだ「どこかでベートーヴェン」では、急に左耳が聴こえなくなってピアノを断念する高校生の岬洋介。岬洋介は母親と死別している。

「もういちどベートーベン」では、法律の道に進んだ岬洋介を、友人がだましてピアノの演奏会に連れて行き、それをきっかけにピアノの世界に戻ることとなる。

ここでも、何年もピアノに触れないで生きてきた岬洋介が、コンクールで天才的能力を発揮する。

 

何か、どれもこれも似てやしないかい?

 

「四月は君の嘘」は2011年から2015年に月刊少年マガジンに連載された漫画が原作だそうだ。作者は新川直司。(映画は原作とは少し内容が違うとか?)

「蜜蜂と遠雷」は恩田陸の原作で、2009年から2016年までに幻冬舎の雑誌に連載されたようだ。

「どこかでベートーヴェン」は宝島社が2016年に発行、「もういちどベートーヴェン」は2019年に発行。これが一番遅く作られている。3番煎じ?

 

何が何を真似したんだか、偶然なんだか、影響を受けてるんだか?

共通点多すぎ~~~

 

まあ、それは良いとして。

 

今日テレビで見た「四月の君の嘘」は、友人との関係の描き方や、江ノ島の方のロケーションもきれいでよかった。

そして、最後にショパンの東日本コンクールで有馬公生が弾いていたのが、バラード№1、Op.23だった。

 

フォルテ君のCDの最後に入っている曲だ。

 

「四月は君の嘘」がアニメになったのは2014年で、この実写版映画は20169月に公開?

フォルテ君はこの映画を見たことがあるのかな?

 

ショパンのバラードは、コンクールでよく弾かれる曲なのかも。

フォルテ君は高校生のときにこの曲を弾いて大崩壊をしボロボロになったのだそうだ。

 

CD(24歳)では素晴らしい演奏。

 

今日は、意図せず偶然にもテレビでピアノに関係のある映画が見られてよかった。

 

Ballade No 1 in G Minor, Op 23 ~Kousei Piano - Kaori Violin clean ver~ (Shigatsu Wa Kimi No Uso)

 

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「マチネの終わりに」を見てきた

2019-11-04 23:57:29 | テレビドラマ・映画

映画『マチネの終わりに』予告【11月1日(金)公開】

この映画は、夫が見たいと言って、一緒に見に行ってきた。

夫は福山雅治が好きなのか、と思ったら石田ゆり子が好きらしい。

まあ、そりゃあそうだろうね。

・・・

思ったよりも良い映画だった。

色々と考えさせられた。

ふとしたことがきっかけで、運命が変わってしまうことがあるんだなあ。

ギターの演奏もよかった。

実際に福山雅治が弾いている音を使っているわけではないんだろけど、本当にギターが弾けるから演奏の場面もリアルである。

石田ゆり子は美しい。

顔立ちがとにかくきれいで、やわらかく、女性らしい品がある。

実年齢は50歳だというから驚く。

なかなかいい女優さんだ。

後で聞くと福山とのキスシーンがあったそうだ。

えっ?そんなシーンあったっけ?

実は、一部前半で寝ていた。どのくらい寝ていたかわからないけれど、その間にあったらしい。

映画は、席についてもなかなか始まらない。

15分は予告や宣伝をしている。そのうちに眠気に襲われてきた。

あ、いよいよ本番が始まると思ったが、すでに眠くてあまり気合いが入らない。

なんとか起きて見ていたのだけど、また途中で眠くなって目を閉じてしまった。

けっして、この映画がつまらないわけではない。

寝不足がいけないのだ。

最後は、涙が流れそうだった。

しかし、映画は美しく作られているから、本当につきあったら、別れているかもね、なんて、現実的なことを考えてしまう。

再会したあとはどうなるんだろうね。子供はどうするんだろうね。

などと、要らぬこともまで考えてしまうのだった。

・・・

音楽としては、

この間の「蜜蜂と遠雷」に続いて、音楽家とその演奏が描かれている。

演奏家の苦悩か・・・。

でも、美しいギターの音楽が聴けてよかった。

 

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あなたはわたしじゃない

2019-01-21 23:37:23 | テレビドラマ・映画
あなたはわたしじゃない_予告篇


何でもいいやと思って、いきあたりばったり
映画館に入ってみた

観客は10人もいない
平日だから?

いや、
まるで
意味不明の
映画だった

途中で何度か うとうとしてしまった

サロメの娘
ディコンストラクション

ディコンストラクションって何?
脱構築???

サロメってどんな話だっけ?
サロメを知ってたら
少しは とっかかりが あったのか?

まるでわからない。

こんな映画と知っていたら
見に行かなかったけどね

作った人にしか
わからない
映画では???

変な世界だけが 脳裏に残る
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散り椿

2018-10-07 21:38:19 | テレビドラマ・映画
今日は結局、夕方4時頃から上映の「散り椿」を映画館に見に行った。

岡田准一主演の時代劇で、こんなのはそれほど見たくもないのだけど、まあ、見るとしたらこんなところ。

というか、「コーヒーが冷めないうちに」は、先日夫が1人で見に行ってきたというのだからあきれる。
ということは、この映画は、私は見ないまま終わることになるかな?
1人で見に行けばいいだろうけど、夫婦だったら1人分1100円で済むと思うと、高い金額を出して1人で見に行くのはもったいないし、それほどまでにして見ようとも思わない。

だが、今日「散り椿」を夫婦で見るんだったら、先に夫が1人で「散り椿」を見て、夫婦で「コーヒーが冷めないうちに」を見たほうがよかったのにと思うのだ。

まったく、アタマに来る。
それに、これまでも「万引き家族」と「カメラを止めるな」は見ないまま時期が過ぎた。
「万引き家族」はイオンモールの映画館のチケット売り場のところまで行ったにもかかわらず、夫が見たくないと言ってそのまま買い物だけして帰ってきた。
「カメラを止めるな」は、夫が全く関心を示さず、私一人で見に行こうかと思ったことがあったが、面白そうではあるものの、映像がきれいそうではないと思って見るのをやめた。

それにしても、夫が見たい映画しか見られないという現実。例えば、スターウォーズなんかにも付き合わされてるわけだが、常に夫が見たいものに私が付き合うというパターンにはムカつく。

さて、それで「散り椿」であるが、この映画はススキなどの映像はきれいなのだが、スジや物語としては、ほとんど感動できるようなものはなかった。
岡田の刀さばき、立ち回りがすごいとのことである。血のりがどばっと顔に吹きかかったりする。
そこまですごい返り血のシーンは、これまでの映画ではそんなに無かったと思う。
だが、それがどうということでもないし・・・。

椿の花は本物かな?確かにきれいだったけど、椿の花は普通花びらでは落ちず、花のまままるごと落ちるのだから、木の下に落ちている花弁は不自然だった。(←あとでわかったこと:花びらで散る種類なんだそうだ。)

岡田の愛する妻は亡くなるが、この妻役があまり素敵な女優とも思えないので、2人の侍が心を寄せる人にしてはどうかと思う。岡田と妻が寄りそう姿、岡田が妻の髪の毛を触るシーンとか、気持ち悪い。
岡田は、私の嫌いな宮崎あおいと結婚したばかりだそうで、結婚後初めての主演映画らしいが、岡田のファンも宮崎あおいとの結婚が気に入らなくて、ファン離れが起こったそうだ。
まあ、誰と結婚しようと勝手だけど、この映画いったい何歳の設定なのか?岡田はかなり更けて写っている。
実年齢37歳と知り驚くが、45歳くらいかと思った。

本日の観客は少なく、ネットで評判を見ると、確かに「華の無い映画」などと書かれており、その通り内容も地味な映画であった。そして、映画が公開されたときにちょうど台風がきたのも不運だったらしい。

なんだろうな~~~

このごろ「でもしか」で映画を見ている自分。
暑いし涼しいところはないか? 車動かさないとバッテリーあがっちゃうしな~~
しょうがない「映画でもみるか~」「行くところって映画館しかないな~~」

プラネタリウム(入館料込み1000円)に行こうと思ったんだけど、駐車場有料だし、しかも満車だったから。

こうなると5000円だしてでも「ライブ」に行く方がどんだけ価値があるかって感じちゃう。


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NHK“「樹木希林」を生きる”

2018-09-27 00:25:44 | テレビドラマ・映画
今、録画してあった番組を見終わったところだ。

NHKドキュメンタリー“「樹木希林」を生きる”

最後のほうは、樹木希林さんの見たこともない姿だった。

映画は演じている。

数日前に見た、「ぴたんこカンカン」の録画でも、番組として面白おかしく演出しているものだった。

そういうものの中に、もちろん樹木希林さんの人間としての魅力や味がたくさんかもし出されていたのだが、

今日のドキュメンタリーでは、もっと真剣な、というか、まるで演じていない真の姿の希林さんが映されていた。

NHKのディレクターが、ただ1人でカメラを持って密着し撮影している。
映画撮影の場面に同行し、行き帰りの希林さん運転の車に乗せてもらい、撮影を繰り返している。
そこに、これといった切り札が発見できぬまま、時が過ぎて行く。

何を撮影したいのか?何を撮ろうとしているのか? 樹木希林さんもいらだちを見せる。
じゃあ、何を見せたらいいのか、この撮影にどう応えたらいいのか、わからない。
取材をするほうも、自分の家庭のことを相談したりとわけのわからない展開。
現実はそのようなもの。

撮り始めた側は、希林さんの命が終わりに近づいていることなど知らなかった。
かねてから、その魅力に惹かれていたので、人間像を撮りたかったのだろう。
すっと取材を申し込んでいたが、断られて続けていたものの、昨年急に受けてもらえたそうだ。

樹木希林さんは、癌が全身に再発し、残された月日が短いことを悟っていた。
そして、何カ月もの撮影が過ぎた頃、本人がこの取材者のみに診断の結果を見せるという行動に出た。

このドキュメンタリーを、どうやって手ごたえのあるものにしたらいいか、本人が考えての行動であった。
真剣な判断力というのか。

そして、段々体力が弱まり、在宅医療を受けるに至る。
娘はイギリスから時々来る程度。
樹木希林さんは、自立して毅然としている。強い人だ。

・・・・・・・・・・

ドキュメンタリーというのは、最初からどういうテーマで何を訴えようと狙いを決めて撮影するものも多いが、
何も決めずただカメラを回しているというのが、そもそものドキュメンタリーだという。

そうやって撮影したあとで、何かが見えてくるというものだ。

今回のドキュメンタリーは後者の部類である。

もしかしたら、最初は樹木希林さんの面白おかしい味のある人間像を撮ろうと思っていたのかもしれない。
でも、そうは成らなかった。
これまでの希林さんの魅力は、誰もが知っているものだっただろう。
それだったら、ぴったんこカンカンと同じで終わる。

樹木希林さんが、人生の最後に何を成し遂げようとしていたのか。
4つの映画に、浅田美代子さん主演の映画。そして、このドキュメンタリー。

意欲は有るけど、身体がついていかない、人間の終末。
そんなもどかしさのなかではあるが、、
ほぼ、成し遂げたんじゃないかなと思う。

頼りなげなディレクターだったけど、彼も成長するんだろう。





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人生フルーツ

2018-09-21 00:26:17 | テレビドラマ・映画
「人生フルーツ」という映画を、数週間前に見た。

その時、人間の生き方として、こういうのがいいなあと思ったので、そのことについてぜひとも書いておきたいと思ったのだけど、なかなかうまく書くことができず、頓挫したままだった。

この映画は、「モリの居る場所」に似ていた。
上映していたのは阿佐ヶ谷のユジクという小さな映画館だったが、この映画館は、1日に、似たような映画を並べて上映するような気がする。
そのため、この日も、午前中は「モリのいる場所」を上映し、昼に「人生フルーツ」を上映していた。午後は何だったかわからない。

「モリのいる場所」は、画家熊谷守一の晩年の様子を描いたものであり、その妻役を樹木希林さんが演じていた。
そして、「人生フルーツ」は、建築家津端修一老夫妻の生活のドキュメンタリーであり、数年にわたる取材の中で津端氏の永眠にも遭遇し、その直後の様子や、残された妻の生活も映されているが、このナレーションが樹木希林さんなのだった。

この二つの映画の夫婦の暮らし方には共通点があり、自分の家の敷地を自然のままにして、今時の都会世間から離れて、そこで自然に生きている。

物欲や名誉欲などから解放されている。

人間は、自然の中の一部だと感じさせられる。それがあるべき姿なのではなかろうか。

津端修一という建築家は、戦後の高度成長の時代に、人々が暮らす家を建築すべく、大規模な公団住宅などを手掛けてきた。
山を切り開いて宅地造成などし、そこに鉄筋コンクリートの建物を建てて街を作る。
その場合、彼は、山の形を残し、樹木残して、その中で住居を作りたかったが、結果としては、山を完全に壊して林も伐採し、あとかたもなくして、そこにマッチ箱のような高層の共同住宅をぎっしりと建てるというものに変更されてしまうのだった。

台湾での住宅建築も手掛けるが、建物と建物の間隔が、狭まっていて、当初の彼の設計とは違う街ができてしまったりするのである。

そういう現実に絶望し、自分の家だけは自然に囲まれた環境とし、その後は大規模住宅の仕事にはかかわらなくなったそうだ。自宅敷地の畑や樹木からとれた作物を食べて自給自足のような生活をしている。

最後に、精神病院のようなところから、津端氏に設計の依頼があり、それに答える。神経を病む人は、自然に癒されるから、樹木に囲まれた木造の家が良い。

私が、津端修一に興味を持ったのは、阿佐ヶ谷住宅の建設に携わっていたということがあった。
何年か前、たまたま通りかかったところが、阿佐ヶ谷住宅だったのだが、まるでおとぎ話のような家なのだ。

それは公営住宅でありながら、各家に広い庭がありその庭にはブランコなどがついているのである。
果樹が植わっている家もあるし、きれいな生垣の家もあった。
そういう家が何件もある1つの街並になっているのだが、とてものどかなのである。

阿佐ヶ谷ユジクで「人生フルーツ」が上映されるのは、阿佐ヶ谷住宅とのつながりもあるような気がした。

私が通りかかったときは、その阿佐ヶ谷住宅が、ちょうど壊されるという頃で、多くが空き家になっていたようだ。そのあとに高層の大きなマンションが何棟も建てられた。そうなると、どれだけ多くの戸数ができたんだろうか。

戦後まもなく建てられた公営住宅というのは、木造庭付きのものが多かったかもしれない。
今でも、土地さえあれば、高層住宅なんか要らないはずだ。

本来、住宅はせいぜい2階建てでいいと思う。人々は都会に集まらず日本全国に散らばったほうがいい。
(これは私の考え。といいながら東京でコンクリートの家に住んでいる。)

鉄筋コンクリートの中層住宅でも、今は環境共生型の街づくりなどを目指しているものもあるが、なかなか全国的に普及するものではない。

ところで、樹木希林さんは、出演していた映画などから考えると、人が自然の一部だって思っていた人だと思うし、この地球に生まれて、死んで行くことって生物として自然なことなんだって思っていたと思う。

富や名声なんてどうでもいいことで、大切なのは、自然界の一部として、一日一日を丁寧に生きていくことであり、人と人とのつながりや、特に身近な家族とすごす時間を大切にすることだ。

樹木希林さん出演映画では「万引き家族」・「日々是好日」も見てみたい。

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ロングバケーション

2018-08-05 23:36:13 | テレビドラマ・映画
いつも読ませていただいているブログで、「ロングバケーション Close to you セナのピアノⅠ」のピアノ演奏を聴かせてもらい、とても懐かしくなってしまいました。

あれ、キムタクと山口智子主演のドラマ。
最初の山口智子が白無垢姿でキムタクの家にやってきて、角隠しのかつらを外す場面がすごく印象的で、娘たちと一緒に見ていて大ウケしました。

主題歌は久保田利伸の「ララララブソング」。あの歌もよく覚えてますね。

そういえば、うちにもサウンドトラックの楽譜があったような?
と思って探したらあったので、2年ぶりくらいにエレクトーンの上のガラクタをどかし蓋をあけ、弾いてみました。
これは、ピアノの楽譜ですが、うちにはエレクトーンしかないので、ベースを使わず手だけで弾いています。

といっても、実は、元々弾けなかったので、今も当然弾けないんですよね。



これが表紙。
1996年6月21日初版発行、値段670円。

1.Close to You~セナのピアノⅠ



これは、私にとっては難しすぎて弾けません。

2.Close to You~セナのピアノⅡ



2のほうが易しい。なんとか弾けるけど、ちゃんと弾くには練習が必要だ。

そして、
3.LALALA LOVESONG (スローバラード)
4.Tiny Tala
と表紙に書いてあるが、実際の楽譜は、4.3の順になってる。

今からでも練習すれば弾けるようになるかな~?

しかし、またガラクタ(ほぼ衣類)をエレクトーンの上に戻しちゃったので、また当分弾かないだろう。

さて、そのあと、ユーチューブで「ロングバケーション」を検索したら、ドラマを見ることができた。
初回分は2時間もあって、結局その途中までしか見なかったけど、
南役の山口智子が、結婚式当日に新郎が来ないと言って、白無垢姿で街中を走ってくるのだが、
その速さには驚いた。すごい運動神経と体力である。

キムタク若い。俳優さんたちみんな若い。
竹野内豊、稲森いずみ、松たか子、りょう 等も出演しており、現在、中年になっても、みんな素敵に年齢を重ねているね。

1996年というと、うちでは長女が10歳、次女が7歳くらいで、親子で楽しくテレビを見ていた、良き時代だったなあと思う。

娘たちは音楽教室に通っていたので、瀬名が音楽教室のピアノの個人レッスンの先生みたいで、面白かった。

続きもまた、ユーチューブで見ようと思います。
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連想

2018-06-26 23:29:56 | テレビドラマ・映画
昨日、映画の「昼顔」から、なぜriceのNeverのMVに至ったかといえば、
その間に「熊谷守一」のことがある。

「昼顔」の中で、私が1番印象的で、かつ、一番嫌いな場面は、踏切のところで、上戸彩が朦朧としているところだ。

しかし、あのシーンはすごい。
恋人が、元妻の運転する車で事故死した後、彼女はいつもの駅の踏切を渡る。そして、線路の溝にハイヒールのかかとを挟み、抜けなくなって、過去の踏切の場面を思い出す。ハイヒールをそのままにして、線路のほうに歩いていく。
すると、緑の信号機が2つ光っていて、その丸い緑の光が蛍のように見え、それに惹かれてホームの間の線路に歩いて行ってしまう。
そのまま近づいていくと、いきなり信号が赤に変わり、それが蛍ではないことにはっとする。そして、線路にひっくり返る。仰向けになる。

その姿は、そのままでは電車に轢かれて死んでしまうであろう、と思わせられる。

そうだ、その姿こそ、熊谷守一が、ある時期、何度も描き続けた、踏切で轢死した女性の絵と同じものになるのだ。

熊谷守一は、ある時、実際に踏切で轢死した女性の姿を見てしまい、その絵を描き続けていたのだった。私は、それがモチーフとなっている絵を、何枚も美術館で見た。

上戸彩が線路にひっくり返っている・・・
あの絵のようになるのは嫌だ、と思って、恐怖におののきつつ映画のシーンを見ていた。

主人公は、近づいてくる電車に気付き、なんとかホームに這い上がり、命を失わずに済んだのだった。

そのシーンで、私はきっと熊谷守一を思い出し、映画「モリの居る場所」を思い出し、そして、文化勲章の場面を思い出し、鞘堂ホールを思い出し、riceのneverを思い出したんだろう。

そういえば、これらの映画に共通するのは、「虫」でもあるかもしれない。
それに、「モリの居る場所」では、ホタルみたいなへんなライトのついた人も登場したっけ。水もあった。

全然違う映画だし、何の関連性もないし、テーマも全く違うのだけどね。
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昼顔

2018-06-25 23:47:27 | テレビドラマ・映画
以前、テレビで紹介されていて、映画館では見なかった映画なので、見ようと思って見たのだけど・・・

なんか、後味の悪い映画だった。

なんか、気持ち悪い。

特に、最後のほうは気味が悪い。

車の事故死や、線路の場面等。

言いたいことはわかるけど、なにもこんな結末にしなくたってよかろう。

さっさと別れて、新しい相手とくっついて、取られたほうはあきらめろよ。

執着はいやだ。

そんなことで、人が命を落とすなんていやだ。

ああ、気分悪い。

最初から、面倒くさい映画だなあと思って見ていたけど、見始めたのだから最後まで見ようと思った。

でも、最後の方はもっと気持ち悪くなっていった。

2人の女に好感なんか持てないし、髪の毛も気持ち悪いし、顔も気持ち悪いし、

なんで、1人の男を取りあうのだろう。

やだやだやだ。
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モリのいる場所

2018-05-21 23:32:05 | テレビドラマ・映画
先週末は、映画ざんまいでした。

金曜日 のみとり侍
土曜日 妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ (自宅テレビにて)
日曜日 モリのいる場所

どれも夫と一緒に見たのですが、その中で私が見たくて見にいったのは、「モリのいる場所」でした。
これは、画家、熊谷守一のことを描いた映画だからです。

熊谷守一は、年を取ってからは、30年も自宅の庭以外には外出することなく、庭にいる生物や植物を眺め、それらを描いてすごしたとのことです。
この映画を見るまでは、そのような生活と、そこからどんな作品が生まれたかがわかるような映画に違いないと思っていました。

うちの夫は、絵画のことはまるでわからず、好きでもないのですが、もしこの映画を見たら少しは熊谷守一の絵画に関心を持ってくれるかなと思いました。

この映画、庭の生物を描く映像は本当にすばらしかったです。
虫や魚など、よく撮ったものだと思いました。

そして、モリと奥さんと娘さんと、この家族を取り巻く訪問者とのやりとり、生活も面白かったです。

ただ、1つ、残念なのは、モリがスケッチなどをする場面が全くなかったことです。

庭で生物を見てスケッチなどはしなかったのでょうか?
また、庭でないにしても、創作風景は欲しかったなと思います。(自室に閉じこもって描いていて誰にも見せなかったから?)

完成した色々な作品が、映画の中に写っていないのも残念でした。

ああやって、庭で蟻や魚や蝶や花を見て、できた作品がこれだって、わかったらよかった。

というのも、夫は熊谷守一の絵を知らないので、何がなんだかわからなかったらしいです。

老人夫婦の生活を描いたのかとしか思えないそうです。

映画では、老人の生活を、ずいぶんと呑気そうに描いていましたが、若いころに子どもを亡くしたことや、貧しい生活だったことなど、まったくわかりません。

どのように絵を工夫して描いたなどもわかりません。

熊谷守一の伝記みたいなのを期待していた私が的外れだったわけですが、この映画の意図するものは何だったのでしょう。

あの自然がいっぱいの小さな世界に暮らす異次元の家族。
世間とは時間の流れ方が違う。
熊谷にとっての「絵」というものを、意図して外して描いたんでしょうか。

絵を描くために生物を観察していたのではないのかな?

・・・・・・・・・

以前、熊谷守一の大きなカレンダーが家にあり、私は終わった月の絵を大切に取っておいたのですが、あるとき、夫が月変わりにカレンダーをやぶいて、ぐちゃぐちゃに折り曲げてゴミ箱に捨ててしまいました。

あの絵は、モリがこうやって描いた絵なんだからね。
それがわかったら捨てるなんて思わないよね。

そういうことが、映画を見たら夫に分かってもらえると思っていたのだけど、
残念ながら、熊谷守一の絵と「モリのいる場所」が夫にとってはつながってくれなかった。

94歳 画家





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ネコジャラ市の11人

2018-02-16 09:05:12 | テレビドラマ・映画
ネコジャラ市の11人より


なんで急にこれが登場したかというと、

熊倉一雄さん。

カズオ・イシグロを思い出すために出てきた人ですが、おそらく、世の中には熊倉一雄さんの名前を知らない人のほうが多いと思う。

石黒一雄の一雄が、熊倉一雄の一雄と同じだとわかる以前に、

なんで「クマクラカズオ」が「熊倉一雄」だと知ってるんだって話。

私がそれを知ってるのは、なんでだ?と考えたら、
子どものころ「ネコジャラ市の11人」っていう人形劇を毎日夕方NHKテレビで見ていたのだ。
そうそう、ガンバルニャンの声が熊倉一雄さんなのだった。

この歌、大好きでいつもテレビと一緒に歌ってた。

♪ 
ここはまだ 石ころゴロゴロ
ここはまだ 草がぼうぼう
ここはまだ 藪蚊がぶんぶんだけど~
ここに 街をつくろう ぼくたちの 街 ふるさと
おお~ おおマイホームタウン マイホームタウン
おおマイホームタウン ♪

その時、画面に「熊倉一雄」って字幕が出ていたのだ。

それで自然に覚えてしまった。

子どもの頃の記憶はすごいなあ~。今じゃ何にも覚えられない。

でも、きっと毎日毎日何度も見ていたんだよね。

ところで「ネコジャラ市」って植物の「猫じゃらし」をかけていたんですね。今気がついた。
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今夜、ロマンス劇場で

2018-02-13 00:28:01 | テレビドラマ・映画
映画「今夜、ロマンス劇場で」を見てきました。
素敵な映画でした。

綾瀬はるかが、とてもきれいでした。
気品があって、この人、女優としてやっぱりピカイチだと思います。
衣装も髪型もすてきでした。
次々に変わる衣装に見とれてしまいました。
スタイルもいいんですよね。

そして、物語の内容がまた良いのです。
健司と美雪の純愛。
胸がいっぱいになってしまいました。

色もきれい。
白黒映画の中から出てきたお転婆なお姫様が、
カラーの現実世界で、色のある世界に魅了されます。
色って、美しいものですね。

そして、映画はどれも、人を楽しませるために作られたものだけど、
多くの映画は忘れ去られてしまうもの。

映画とは何か。
白黒映画から、カラー映画への時代の流れ。
映画を制作する人々。

登場人物はみんないい人でした。

はかなくて、胸がキュンとしてしまいますが、
映画って本当にいいものだな~~




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