山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

故郷を去るせつなさとともに

2015-02-24 21:59:46 | 出会い・近隣
 日曜日に「ハナトラノオ」の苗を植栽する作業を集落のプロジェクトとして行ったが、雨が降ってきたり人員不足などで、全部の苗を植えることができなかった。
 そのため、きのう・きょうと、ひとりで作業を行う。

    
 昨日のこと、野菜の師匠がひょいとやってきてさらりと手伝ってくれた。
 苗植えが終わるころ、師匠は「この春に引っ越すんだ」と言い出だした。
 70数年生きてきた故郷をあとにして、掛川の街に息子夫婦と同居するという。

 「武兵衛くんとこうするのも最後となってしもうた」とポツリ。
 野菜づくりのノウハウを丁寧に教えてもらったり、野菜の苗をいただいたりした思い出がじわっと沁みてくる。

                       
 万感の思いのその言葉には、ずっと考えてきた決意がこもっていた。
 過疎地が泣いている。
 農林水産大臣が献金の問題で辞職する。
 こうして農林業はいつも経済成長の犠牲にされてきた。
 居住したくてもできない現実。
 この現実は明日はわが身でもある。

              
 きょうはその苗に肥料を撒いていた。
 すると今度は法面下で田んぼの整備をしていたMさんがお菓子の差し入れをしてくれた。
 さらには、きのうもきょうも励ましの言葉をかけてくれているYさんの存在も大きい。
 ひとりで作業をしていてもそれを暖かく見守る人がいることを実感できる。
 今年の夏のこの国道の法面は荒れた雑草ではなく、薄紫の花が迎えてくれることを確信する。
 野菜の師匠も夏には孫と川遊びに来るという。
 
コメント (1)
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