パレスチナ・ガザ地区の期待された昨日からの74時間停戦は、残念ながら実行されませんでした。この戦争には理(ことわり)がない、という指摘がありますが悲惨すぎます。
日本人のフリージャーナリストは、何人もの義人がガザに入っています。危険な戦場で身をさらし、決死の覚悟でレポートを送り続ける彼らに脱帽します。活躍への敬意とともに、みなさんの無事を祈ります。
今回はフリージャーナリスト田中龍作さんのレポートを転載します。
見出しは「村人たちは浴室に押し込められ射殺された 虐殺のフザー村」田中龍作ジャーナル 2014年8月1日
原文にはあまりにも惨い写真が2葉添付されています。凄惨です。ショックを受けますが、田中さんのホームページでご確認ください。ここでは写真の解説のみ掲載します。
写真1 浴室の壁には血のりがべっとりと付き、夥しい数の弾痕があった。筆者が撮影できたのは、先の3遺体の搬出を待ってからだった。=1日午前11時頃 フザー村 写真:筆者=
写真2 夏の暑さも手伝い遺体は腐乱が進んでいた。焼け焦げているのではない。=日本時間:1日午後5時頃 フザー村 写真:筆者=
http://tanakaryusaku.jp/2014/08/0009827
1日、筆者は大規模虐殺があったとされるフザー村に入った。この日午前8時(注:日本時間8月1日午後2時)からハマスとイスラエルが「72時間停戦」に入ったのを利用したのである。
ガザ南西部のフザー村(人口約7千人)は、イスラエルとの国境にある農村だ。村人たちはいち早く一時帰宅していた。残された家族の安否確認や家財道具の搬出に帰ったのだ。
次から次へと遺体が見つかり、簡易担架に乗せられて運び出されていった。後頭部がすっぽり抜け落ちた男性の遺体が、不吉なものを予感させた。
東西にまっすぐ伸びる村の基幹道路を、西方つまりイスラエル国境に向かって進みきった所が、大きな瓦礫で塞がれていた。
路地の奥から村人たちの大声が聞こえてくる。殺気立っていた。パレスチナ人記者が筆者に向かって「村人が処刑されている」と英語で言った。
農家の浴室には6人の遺体が折り重なるようにして横たわっていた。浴室の壁には弾痕が無数にあり、血のりがべっとりと付着していた。
イスラエルが村に侵攻したのは13日前だ。その頃から虐殺が伝えられ始めていた。遺体は10日以上経っていることになる。夏の暑さも手伝って腐乱が進んでいた。異臭が鼻を突いた。
村は瓦礫野原と化していた。瓦礫の下に数えきれないほどの遺体が埋まっているはずだ。潰れた顔と、手と足を地上にのぞかせた男性の死体もあった。
「神がイスラエルを殺すだろう。イスラエルを破壊するよう神に祈ろう」。中年女性が絶叫した。
イスラエル領土内からの砲撃は間断なく続いた。イスラエル軍は「停戦中でもハマスの軍事用トンネルの破壊は続ける」と宣言していた。
一時帰宅から4時間経つか経たない頃だった。男性2人がイスラエルのスナイパーに撃たれた。
絶えず上空を舞っていた無人攻撃機の飛行音が、ヒステリックなほど騒々しくなった直後だ。
村人たちは再び大脱出を始めた。基幹道路は人の洪水のようだ。
その頃、中東の衛星放送『アル・アラビヤ』は、イスラエルが国連に「停戦破棄」を通告したことを速報で伝えていた。
戦争の現実を伝えるために、あえて凄惨な写真の公開に踏み切りました。
読者の皆様。田中はクレジットカードをこすりまくってガザに来ております。借金です。ご支援よろしくお願い致します。政治やマスコミが取り上げない人々の声を伝えるためには、現場に足を運ばなければならず、多大な費用がかかります。庶民にとって重大事であるにもかかわらず、新聞・テレビが報道しない出来事があまりに多すぎる昨今です。
真実に迫るための取材にお力をお貸し下さい。ご支援賜りますよう何卒お願い申しあげます。10円からでも100円からでも有難く頂戴致します。
追記 イスラエルから飛来する無人機(ドローン)についての田中さんの記述には驚いた。国連の避難所へのイスラエル軍の攻撃も、そうだったのかと腑におちた次第です。
「イスラエル軍は、ハマス(あるいはイスラム聖戦)がロケット弾を発射した場所を、アイアンウォール(防空網)と無人攻撃機(偵察機)によって正確に割り出している。『近くからロケットが発射されたため撃ち返した』とする弁明は笑止だ。国連の避難所への誤爆は、誤爆ではない。」
寸志ですが、わたしも郵便局から振り込みます。掲載写真と共にカンパ詳細は上記「田中龍作ジャーナル」をご覧ください。
<2014年8月2日>
日本人のフリージャーナリストは、何人もの義人がガザに入っています。危険な戦場で身をさらし、決死の覚悟でレポートを送り続ける彼らに脱帽します。活躍への敬意とともに、みなさんの無事を祈ります。
今回はフリージャーナリスト田中龍作さんのレポートを転載します。
見出しは「村人たちは浴室に押し込められ射殺された 虐殺のフザー村」田中龍作ジャーナル 2014年8月1日
原文にはあまりにも惨い写真が2葉添付されています。凄惨です。ショックを受けますが、田中さんのホームページでご確認ください。ここでは写真の解説のみ掲載します。
写真1 浴室の壁には血のりがべっとりと付き、夥しい数の弾痕があった。筆者が撮影できたのは、先の3遺体の搬出を待ってからだった。=1日午前11時頃 フザー村 写真:筆者=
写真2 夏の暑さも手伝い遺体は腐乱が進んでいた。焼け焦げているのではない。=日本時間:1日午後5時頃 フザー村 写真:筆者=
http://tanakaryusaku.jp/2014/08/0009827
1日、筆者は大規模虐殺があったとされるフザー村に入った。この日午前8時(注:日本時間8月1日午後2時)からハマスとイスラエルが「72時間停戦」に入ったのを利用したのである。
ガザ南西部のフザー村(人口約7千人)は、イスラエルとの国境にある農村だ。村人たちはいち早く一時帰宅していた。残された家族の安否確認や家財道具の搬出に帰ったのだ。
次から次へと遺体が見つかり、簡易担架に乗せられて運び出されていった。後頭部がすっぽり抜け落ちた男性の遺体が、不吉なものを予感させた。
東西にまっすぐ伸びる村の基幹道路を、西方つまりイスラエル国境に向かって進みきった所が、大きな瓦礫で塞がれていた。
路地の奥から村人たちの大声が聞こえてくる。殺気立っていた。パレスチナ人記者が筆者に向かって「村人が処刑されている」と英語で言った。
農家の浴室には6人の遺体が折り重なるようにして横たわっていた。浴室の壁には弾痕が無数にあり、血のりがべっとりと付着していた。
イスラエルが村に侵攻したのは13日前だ。その頃から虐殺が伝えられ始めていた。遺体は10日以上経っていることになる。夏の暑さも手伝って腐乱が進んでいた。異臭が鼻を突いた。
村は瓦礫野原と化していた。瓦礫の下に数えきれないほどの遺体が埋まっているはずだ。潰れた顔と、手と足を地上にのぞかせた男性の死体もあった。
「神がイスラエルを殺すだろう。イスラエルを破壊するよう神に祈ろう」。中年女性が絶叫した。
イスラエル領土内からの砲撃は間断なく続いた。イスラエル軍は「停戦中でもハマスの軍事用トンネルの破壊は続ける」と宣言していた。
一時帰宅から4時間経つか経たない頃だった。男性2人がイスラエルのスナイパーに撃たれた。
絶えず上空を舞っていた無人攻撃機の飛行音が、ヒステリックなほど騒々しくなった直後だ。
村人たちは再び大脱出を始めた。基幹道路は人の洪水のようだ。
その頃、中東の衛星放送『アル・アラビヤ』は、イスラエルが国連に「停戦破棄」を通告したことを速報で伝えていた。
戦争の現実を伝えるために、あえて凄惨な写真の公開に踏み切りました。
読者の皆様。田中はクレジットカードをこすりまくってガザに来ております。借金です。ご支援よろしくお願い致します。政治やマスコミが取り上げない人々の声を伝えるためには、現場に足を運ばなければならず、多大な費用がかかります。庶民にとって重大事であるにもかかわらず、新聞・テレビが報道しない出来事があまりに多すぎる昨今です。
真実に迫るための取材にお力をお貸し下さい。ご支援賜りますよう何卒お願い申しあげます。10円からでも100円からでも有難く頂戴致します。
追記 イスラエルから飛来する無人機(ドローン)についての田中さんの記述には驚いた。国連の避難所へのイスラエル軍の攻撃も、そうだったのかと腑におちた次第です。
「イスラエル軍は、ハマス(あるいはイスラム聖戦)がロケット弾を発射した場所を、アイアンウォール(防空網)と無人攻撃機(偵察機)によって正確に割り出している。『近くからロケットが発射されたため撃ち返した』とする弁明は笑止だ。国連の避難所への誤爆は、誤爆ではない。」
寸志ですが、わたしも郵便局から振り込みます。掲載写真と共にカンパ詳細は上記「田中龍作ジャーナル」をご覧ください。
<2014年8月2日>