ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

米軍のイラク空爆

2014-08-12 | Weblog
 3年ぶりにアメリカ軍はイラクに軍事介入しました。8月8日から毎日、空爆を繰り返しています。有人と無人の米戦闘機による攻撃です。
 WSJ(THE WALL STREET JOURNAL)の記事を転載しますが、イラク空軍の戦力は実質ゼロに等しいそうです。イラク北部でのISIS(イスラム国)勢力に対する攻撃は、米軍戦闘機とペシュメルガ(クルド人治安部隊)地上軍の共闘の成果に違いありません。連携する両軍によって、ISISのみならずイラク政府は一段と弱体化するのではないでしょうか。

 WSJ8月11日報道「クルド人部隊、イラク北部アフムルなど奪還―イスラム国に攻勢」
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303721104580084332021694138?mod=djem_Japandaily_t


 【バグダッド】イラク北部のクルド人治安部隊「ペシュメルガ」は10日、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に制圧されたクルド人自治区の重要拠点2カ所を奪還したと明らかにした。一方、米軍の同過激組織に対する空爆はこの日で3日目に入った。
 イスラム国は先週クルド人自治区に侵攻し、少数宗派に対する残虐行為を行ったことから、米国はそれを阻止するため3年ぶりにイラクへの軍事介入に踏み切った。米軍の支援を受けたクルド人部隊は、キルクーク北方のマフムルと、近郊のGwairを取り戻した。スンニ派過激組織は先週、クルド人自治区の首都アルビルに対する攻勢で、この2つの町を奪取していた。
 米国務省は同日、バグダッドの大使館とアルビルの領事館の職員の一部を退避させた。これら職員はイラク・バスラの領事館とヨルダンのアンマンに移送される。
 イラク政府軍が失地を回復できずにいる中で、ペシュメルガの反撃が戦果を挙げたことは、同部隊が6月にイラク政府軍を圧倒して首都バグダッドに迫ったイスラム国に対抗できるとの期待を取り戻させた。また今回の反攻は、米軍のイラクへの介入が同国の求心力の回復にとっていかに重要であるかも浮き彫りにした。
 ペシュメルガは、イラク政府軍よりも訓練され装備も整っているが、スンニ派過激組織はこれまで、退却したイラク政府軍から奪った武器で優勢を保っていた。戦況を逆転させたのが、イラク軍による空爆なのか(注:それはないようです)、米軍による空襲なのかははっきりしない。イラク北部ニネベのクルド人自治区首脳は、「ペシュメルガはイスラム国との激しい戦闘の末マフムルとGwairを解放し、イスラム国の戦闘員多数を殺害した」と語った。
 オバマ米大統領は、イラク北部に駐留している米外交官や軍当局者の保護と、イスラム国が背教とみなす少数宗派ヤジディ教徒に対する迫害阻止のために空爆を命じた。イラク政府などは、イスラム国が先週制圧した北部シンジャルの町から避難したヤジディ教徒最大1万5000人が、近くのシンジャル山に取り残されていると推定している。
 米軍は、ヤジディ教徒に対し食料や水を空中から投下しているが、イラク人権省の報道官によれば、すでに500人以上が殺害されたか、脱水症や飢餓で死亡したという。また同報道官によれば、イスラム国はヤジディ教徒の女性約300人を拉致したという。
 米政府当局者は10日、米軍の空爆によって、ヤジディ教徒が孤立しているシンジャル山周辺へのイスラム国の包囲網は弱まり、アルビル周辺へのイスラム国の攻勢も阻止されたもようだと述べた。米軍の空爆がスンニ派過激組織の戦略にどの程度の影響をもたらしたかはまだはっきりしないが、当初の兆候からはアルベルに侵攻するという同組織の野望をくじいたようだという。
<2014年8月12日>
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