水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

分からないユーモア短編集 (44)知らぬが仏(ほとけ)

2020年09月05日 00時00分00秒 | #小説

 知らぬが仏(ほとけ)・・という格言めいた言葉がある。ということは、知ることによって仏さまの世界から遠ざかることになる訳だ。^^ 学習など、個人の意思ではなく強制されて知る場合はどうよっ? ということになるが、それは本人の意思ではないのだから仏さまのままだろう…というのが私の最終解答[ファイナル・アンサー]だ。^^
 とある小学校の一年生の教室である。
「他に分からないことはありますかっ!」
「はいっ! 先生!!」
「はい、 芋掘(いもほり)君! あいかわらず、元気がいいですねっ!!」
「はい。それだけが僕の取りえです!」
「はっきり、言いましたねっ。いいですよっ! 実にいいっ! で、分からないことはなんですかっ?」
「僕はいつも泥んこで遊び回ってるのに、みんながピッカピカの一年生って言うんです。よく分からないので…」
「先生も分からないですが、一年生はピッカピカだからじゃないでしょうか…」
「? よく分からないですが、分かりました…」
 こんな質問と解答の場合は、知らぬが仏というよりは、知らないただの人・・ということになる。^^ 
 
                               


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