私達が生活する三次元には、必ず! と言っていいほど、正しい解答、所謂(いわゆる)、正しい答(こたえ)がある訳だ。しかし、なぜそれが正しい答なのか? という疑問には誰も触れようとはしない。例えば、宇宙は膨張している・・などと、澄まし顔でそれが正しい解答のように話す学者がいるが、あんた! 本当に見たんかいっ! と突っ込まれれば、…そうなんですからっ! くらいにしか答えられないだろう、だいいち、宇宙が膨張している・・というんなら、その周囲はなんなの!? あんた、その目で見たんかいっ!! と突っ込みたくなるような疑問が湧く。このように、三次元科学では解答が出せない事実が、厳然(げんぜん)と存在し続けている。まっ! どうでもいい分からない疑問だ。^^
夏終盤のとある家庭である。子供部屋では、小学生五年の姉と弟が必死に夏休みの宿題をやっつけている。
「…どうも分からないなぁ? 牛と豚が50匹だろっ? ふ~ん、農家なんだな? だったら、農家で飼っている牛と豚が、と書きゃいいじゃないかっ! こういう問題はシラこいっ!」
と、弟が威張って不平を言っている。そこへ、隣(とな)りの机に坐(すわ)る姉が突っ込む。
「要するに、分からないのよねっ!」
「そんなことはないよ…」
一応、否定した弟だったが、解答が出せない・・という事実は拭(ぬぐ)えない。仕方なく、その問題はあと回しにして、別の科目の問題に進むことにした。
「… ふ~ん、川の上流で見られる石の写真の記号を書きましょう・・か? この写真は、日本のどの辺(あた)りかなっ?」
「なに言ってんのよっ! 牛と豚はどうなったのよっ!?」
「牛と豚? …ああ、牛と豚は、この川の上流の農家に飼われてんのさっ!」
「ったくっ! そんな訳ないでしょ!」
「放っといてよっ! 姉ちゃんは姉ちゃんの勉強、すりゃいいじゃないかっ!」
「まっ! そりゃ、そうだけど…」
このように、解答はなかなか出づらく、分からないのである。^^
完