水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

分からないユーモア短編集 (63)秋休み

2020年09月24日 00時00分00秒 | #小説

 どうも分からないのが学校の休みだ。とは言っても、なにも2時限目と3時限目の間の休みとか、病気や異常気象による臨時の休みを言っている訳ではない。では、何が分からないのか? という話になるが、それは秋休みがないということだ。^^ 春休み、夏休み、そして冬休みがあることは誰もが知っている。ところが行楽シーズンである秋の休みがないのである。別に秋を毛嫌(けぎら)いしてのことではないと思うが、秋は休めず実に物悲しい、辛(つら)い季節なのだ。^^ 今日はそんな内容を盛り込んだお話である。^^
 どこにでもあるような、とある家庭の子供部屋である。二つ並びの机に座(すわ)って勉強する兄と弟の会話である。兄は小学校の高学年、弟は低学年だ。
「そろそろ2学期だなっ! 早く夏休みの宿題、やっちまわないとなっ!」
「兄ちゃん! なぜ、秋休みはないのっ!?」
「…さあ? どうしてかなっ?」
「学校、始まったら先生に訊(き)いてみてよっ!」
「お前が訊きゃいいだろっ!」
「僕はクラス委員だから、そんなことは訊けないよっ!」
「クラス委員だと訊けないのかっ?」
「うんっ、訊けない。だって、立ち場がないだろっ?」
「立ち場がなきゃ、座(すわ)りゃいいじゃないかっ!」
「あっ! そうだね。座って先生に訊いてみるよっ!」
「そうしなっ!」
「うんっ!」
 なぜ学校の秋休みがないのか? という分からない質問は、教室の椅子に座って先生に訊(たず)ねてください。^^ 
 
                               


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする