水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

分からないユーモア短編集 (60)どうでもいい

2020年09月21日 00時00分00秒 | #小説

 よく分からないことが出来たとき、どうするか? それを考えてみると、徹底して突き詰(つ)める人と、まっ! どうでもいいか…と、軽く流す人の二(ふた)通りに分かれることが分かる。^^ 分からないこんなことを書いていること自体、時間を取るほどのことでもなく、まっ! どうでもいい訳だが…。^^
 花火大会が行われている、とある会場である。大勢の見物客で賑(にぎ)わう中、二人のどこにでもいるような二人の中年の男が話さなくてもいいのに話をしている[周囲のお客が静かに見物している・・ということもあります ^^]。
「やはり夏は、コレだねぇ~!」
「そりゃそうさっ! 花火抜きで夏はねえやなっ!」
「だなっ!」
 お隣りで花火見物をしている男の気分である。
『なにをゴチャゴチャとっ! どうでもいいだろっ! 黙って見てろっ!!』
 そうは思うが、言うほどのことでもないか…とも思え、男は煮え切らない気分で空を見上げた。するとそこへ、大会本部のマイクが響いた。
「おっ! 大会提供花火だっ!」
「だなっ!」
『そう言ってんだろっ!』
「これが毎年、楽しみなんだよ、俺はっ!」
「だなっ!」
『俺もだっ!!』
 そうこうしていると、大会提供花火が華(はな)やかに打ち上がった。
 このように、訳が分からないどうでもいいことは、どうでもいいなりに盛り上がるのである。^^ 
 
                               


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