そうして世界がどんどん元気を失っていく中、日本はまだまだ安定しています。安倍首相は第一次政権(2006年9月28日~2007年9月26日)のときから、「自由と繁栄の弧(こ)」という考え方を打ち出しました。
日本から始まって、ベトナムを回って、シンガポールを通って、インド洋に出て、アラブ諸国に至るという、三日月みたいな弧があって、それらの国々はみんな経済がうまくいっていて繁栄している。その繁栄の奥には共通の「価値」があるということです。
その価値とは、たとえば「自由は尊い」「民主主義は尊い」「言論の自由は尊い」「家族仲良く暮らそう」「相手を侵略しない」「軍事力には金をかけない」などです。
残念ながら、安倍首相は体調不良でいったん退陣することを余儀なくされましたが、2012年12月26日に第二次安倍内閣を発足させると、「地球儀外交」で世界中を駆け巡って、再び世界に対して「価値の外交」を強く訴え始めました。
それまでの日本の歴代首相はどちらかと言えば、国際舞台では口をつぐんでいました。
その沈黙の国・日本の首相がはっきり発言するようになったのですから、みんなが耳を傾けました。
安倍首相の言う「地球儀外交」とは、前述した「自由と繁栄の弧」という考えに則(のっと)って、周辺諸国との二国間関係だけでなく、世界全体を見渡して、「自由」「民主主義」「基本的人権」「法の支配」といった基本的価値に立脚した、戦略的な外交を展開していこうというものです。
聞いてみればもっともなことばかりです。どんな国の人も、「そうであるべきだ」と納得できる内容です。だから、安倍首相を歓迎する国がどんどん増えています。
日本のマスコミや評論家や学者は、それを伝えていません。
なぜでしょう。
①不勉強だから
②今までの自分の主張と違うから
③安倍首相支持では金がもらえないから
④英語での発信は見ていないから・・・・・
だが、外国の人は違います。
その例がいくつも出てきました。
(安倍首相へのスタンディング・オベーション)
2015年4月29日には、安倍首相は日本の首相として初めて、アメリカの上下両院の合同会議でスピーチを行いました。スピーチは英語で約45分に及びました。
その中で安倍首相は、「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻んだ」と戦後70年にわたって平和国家として歩んできたことを強調し、日米同盟を「希望の同盟」と位置づけ、「アメリカと日本は力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこう」と訴えました。
そのスピーチに対し、アメリカの議員たちからは何度もスタンディング・オベーションが起きました。
日本の首相が堂々と日本の国家理念を語り、それに対してアメリカの議員が共感し、拍手を送ったのです。まさに画期的なできごとでした。
それから約1年後には伊勢志摩サミットが開催され、安倍首相は議長役を果たすこととなりました。
(日下公人著書「『日本大出動』トランプなんか怖くない(2016年6月発刊)」から転載)
---owari---
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