(あの世はこの世と共存している)
あの世、つまり霊界についての概観を述べましょう。
霊界といっても、もちろん、いろいろありますが、大きな意味で言うならば、この地上世界を去った世界、すなわち、肉体が死したあと、魂とも言うべきものが赴く所ということになりましょう。
ただ、ここで大事なことは、「雲の上の世界とか、そういう所に霊界があるように思ってほしくない」ということです。「実は、私たちが生きている、この空間のなかに、霊界もまた存在するのだ」ということを知っていただきたいのです。
もちろん、霊界についての説明では、「何段階にも分かれていて、上下の差がある」と言われています。また、「高級霊界は、地上から何千メートルや何万メートルもの上空にある感じだ」と言われています。
しかし、それは、あくまでも、「比喩を使って、地上にいる人間に分かるような範囲で説明すれば、そのようになる」ということであって、霊界の霊界たるゆえんは、実は、「この物質世界と共存している」というところにあるのです。
したがって、「霊界は、遥かなる彼方にあるものではなく、私たちが住んでいる世界に同時にある」と考えていただきたいのです。
富士山が美しく見えるスポットとして知られている「三保の松原」の「羽衣伝説」は、天上界に住んでいる天女が舞い降りたという言い伝えですが、天女たちが住んでいる世界とこの私たちが住んでいる世界は共存しているという証なのです。
それは、ちょうど、この世界に、目に見えない電波が飛び交っていることと、よく似ています。
例えば、テレビの各チャンネルには、いろいろな映像が映ります。その映像相応の電波が、この地上を飛び交っているのです。
同じように、霊界も、言ってみれば、そういう電波の世界のようなものであり、波長、周波数が違うから、異なる世界をつくっているだけであって、実際は、まったく別な所にあるわけではないのです。
つまり、テレビのチャンネルのように、その波長を受信する装置があれば、あるときには地獄界という世界が映り、あるときには天上界が映り、あるときには高級霊界の景色が映ることになりましょう。
(あの世は多次元の世界で成り立っている)
この霊界に関して大事なことは、「次元」という概念です。
物理学の世界や数学の世界においては、「この地球を取り巻く環境のなかには、私たちが住んでいる、『縦・横・高さ』によって成り立っている三次元世界以外に、『縦・横・高さ』に『時間』を加えた、『縦・横・高さ・時間』の四本の座標軸から成る、四次元空間というものがある」ということが分かっています。
また、これ以上の世界として、五次元、六次元、七次元、八次元、九次元という世界が存在することも分かっています。
ただ、そういうものが科学的に理論としては分かっても、「それは、実際には、どのような世界なのか」ということが明確には分かっていないのです。
こういう現状に接するにつけ、さまざまな霊界研究を続けてきた結果、どうやら、この物理学の次元構造に該当する世界があることが明らかになってきました。
四次元といわれる世界は、人間が死後に赴く所、すなわち、「幽界」という世界であり、この幽界世界のなかには、その下部層に「地獄界」という世界があり、その上部層に、「狭義の幽界」(精霊界)があります。
さらに、その上には、「善人界」とも言うべき世界があります。これが五次元世界です。ここは、心根の良い人、善人たちが住んでいる世界です。
この上の六次元には、「光明界」という世界があります。ここには、神に近い人たちが住んでいて、このなかの優れた人たちは、地上の人々から神として祀られることもあります。ここは各界の専門家が集っている世界です。また、諸天善神といわれる人たちが住んでいる世界でもあります。
経済的繁栄を導く「大黒天」や政治的な指導をしている「毘沙門天」など、専門的な役割を持った霊人もいらっしゃいます。
この光明界の上の世界が、よく仏教的には「菩薩界」といわれている世界です。ここは、人助けを中心に生きている人たちの世界です。愛の行為の実践に生きている人たちと言ってもよいでしょう。
自分のことについては、もう煩うことが少なく、「多くの人々を救う。多くの人々を導く」ということを中心に生きている人たち、このような愛の塊の人たちが、この七次元の菩薩界にいます。
八次元には、「如来界」という世界があります。ここは、言ってみれば、世界的な宗教の教祖や大思想家、大政治家など、その時代の中心人物となって歴史をつくってきたような人たちが住んでいる世界です。
そして、人霊が住んでいる最上段階として、九次元に「宇宙界」というものがあります。この世界には大如来とも言うべき人たちが住んでいます。
---owari---
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