5.「戦争とは、『情報戦』『経済戦』『実戦』の3つである」
続く第10の原理が「戦争とは、情報戦、経済戦、実戦の3つである」。武士道の伝統を持つ日本は、戦争と言えば、武器を持って戦う戦闘という先入観がある。その「実戦」の前に、相手を周囲から孤立させる「情報戦」、相手の経済力を弱める「経済戦」がある。孫子を生んだ中国人は「戦わずして勝つ」ことを目指す「情報戦」が得意である。
北野氏は、先の大戦での我が国の敗戦は、日本が孤立してアメリカ、イギリス、中国、ソ連と戦った点にあるとして、その起点は1932年11月、「満洲国問題」を検討する「国際連盟理事会」にあるという。
この理事会で中国側代表は、すでに「偽書」と判明している「田中メモリアル」の有名な一節を読み上げた。1927年に当時の田中義一首相が天皇陛下に上奏した、とする偽文書である。
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シナを征服せんと欲せば、先ず満蒙を征せざるべからず。世界を征服せんと欲せば、必ず先ずシナを征服せざるべからず。
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このプロパガンダが奏功して、翌1933年2月の国際連盟総会では満洲国建設の是非に関する採決が行われ、42カ国が反対、賛成は日本だけ。激怒した日本は国際連盟を脱退した。この後、日本は中国全土で「日貨排斥」という経済戦争を仕掛けられる。
現代中国の仕掛ける「南京大虐殺」「日本軍国主義」「靖国参拝」「魚釣諸島」など対日批判は「情報戦」であり、日本企業をターゲットにした暴動やキーマテリアルの対日禁輸は「経済戦」である。戦前も戦後も中国のやる事は変わらない。「戦争はもう始まっている」と北野氏は指摘する。
6.慰安婦問題は中国の対日情報戦の傑作
「慰安婦」問題も中国の仕業で、表だって動いている韓国は「中国の操り人形」だと、米国の著名なジャーナリスト、マイケル・ヨンが指摘している。
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グレンデール(JOG注: 慰安婦像が建てられた米国の市。日系市民を中心に像撤去の裁判を起こしている)で起きた裁判の訴状を見ると、グローバル・アライアンス(世界抗日戦争史実維護連合会)が姿を見せています。この組織は在米中国人を中心とし、中国政府との協力も密接です。慰安婦問題ではこの中国の動きこそが核心なのです。
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マイケル・ヨン氏は、米政府が8年もかけた日独の戦争犯罪に関する調査で、日本の戦争犯罪に関する14万2千ページの未公開・秘密公文書でも慰安婦の強制連行を裏付ける史料は一点も発見されなかった事を指摘している。
「慰安婦」問題は、次の目的にかなう情報戦の傑作である。
-韓国内の反日運動を盛り上げ、同時に日本国内でも執拗な韓国の執拗な攻撃に反韓ムードを盛り上げる。
米国で日本の「戦争犯罪」をアピールし、日米関係にひびを入れる。
すなわち「慰安婦」攻撃は、韓国を中国陣営に引き入れ、米国を日本から遠ざけ、日本を孤立させるための「情報戦」なのである。
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中国情報ピラミッドに日本国内で内通しているのが、朝日新聞などの偏向マスコミだ。この問題については、今までの弊誌記事をまとめた週刊メール入門講座「国民を欺く捏造報道」で紹介しているので、参照ください。
http://blog.jog-net.jp/201501/article_1.html
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7.「『日本』情報ピラミッドは存在しません」
こういう中国の「情報戦」にどう応戦するか。「慰安婦」問題については、河野談話の検証がなされ、日本軍が強制連行したという事実は一切、見つかっていない事が再確認された。自ら「慰安婦強制連行をした」という吉田清治の証言が嘘であったことを、朝日新聞もようやく認めた。
上記のマイケル・ヨン氏の紹介した米政府調査とあわせて、今後、日本政府や民間が粛々と事実を発信していけば、「慰安婦問題」はプロパガンダだったということが判明するだろう。
ただ、これは「慰安婦問題」という「中共情報ピラミッド」からの攻撃の一つをかわしたというだけで、防戦だけでは勝てない。北野氏も「『日本』情報ピラミッドは存在しません」と言っているが、情報戦においても「専守防衛体制」しか、持っていない点が、我が国の最大の弱点なのである。
日本情報ピラミッド、それもプロパガンダではなく、事実と良識に基づいて、国際社会が共感、納得できるような歴史観、世界観を発信する必要がある。こうした日本情報ピラミッドによって、日本人も世界の人々も、中共情報ピラミッドの嘘を見抜けるようにすることが、情報戦争に勝ち、中国の属国に転落する道を避ける戦略である。
8.「日本の自立」は、『私の自立』からはじまる
日本情報ピラミッドのひな形はすでにある。それは「日本はソ連や中共の全体主義の防波堤として戦ってきた」という史観である。これはアメリカ共和党陣営の中で脈々と伝えられている「第2次大戦でアメリカは戦う相手を間違えた」という史観に通ずる。
現在の「アメリカ情報ピラミッド」は民主党系のマスコミが握っているので主流にはなっていないが、第2次大戦中の資料の公開が進み、次第にこの史観が力を得ている。
すでに弊誌で何回か紹介したが、そのあらましを述べれば、
(1) ルーズベルト政権内にソ連スパイが多数潜入しており、ハル・ノートなどで日本に無理矢理、開戦させるように仕向けた。(日本側でも、尾崎秀實らソ連スパイが日本と蒋介石を戦わせるよう世論工作をしていた)。
(2) 日本敗北後も、米政府の中に、蒋介石の足を引っ張り、中国大陸が中国共産党の手に落ちるのを助けた人物がいた。
(3) ソ連・中共は朝鮮半島全域の共産化を狙って朝鮮戦争を引き起こしたが、防波堤だった日本を破ってしまった事により、アメリカは直接、戦わねばならなくなった。
この史観から見れば、現在も日米同盟が中国に対する「防波堤」となっていることが容易に見てとれる。この史観を、日本国民が自らの頭でしっかりと理解・納得していく事ができれば、現代日本を欺いている中共やアメリカの情報ピラミッドから自立できる。
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「日本の自立」は、『私の自立』からはじまる。
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北野氏は、これがこの本を書いた理由だと語っているが、まさに同感である。
(文責:伊勢雅臣)
日本の新聞、テレビなどのメディアも、この情報ピラミッドのプロパガンダに汚染されている。一人ひとりの気づきにより、新しい世界をつくり上げていかなければならないのです。
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