春はなぜ眠いのでしょうか。
ようやく暖かくなる3月は、まだ昼夜の寒暖差が激しい季節です。三寒四温という言葉があるように、日々の気温差が激しいため、自律神経が対応できず、バランスが乱れて、眠気やダルさなどの症状が起こりやすいのです。
体には、心臓の動き、血圧、食べ物の消化、体温などを調節する自律神経があります。この自律神経には、活動中や緊張度が高いときに働く交感神経と、休息モードを担う副交感神経とがあり、両者がバランスをとりながら働いています。
冬は寒さの刺激で交感神経が刺激されるため、心身が活動的になりますが、暖かい季節になるにつれ副交感神経が優位になり、バランスが崩れ眠気が襲う傾向にあるのです。
自律神経は自分でコントロールすることができません。このため、交感神経と副交感神経のバランスが乱れると気持ちは元気なのに身体がダルい、眠い・・・などの不調が現れます。
それでは、自律神経についてもう少し詳しくご説明しましょう。
手を動かす、足を動かす、ということは意識すればできます。逆に、腸を動かそうと思ってもできませんし、エイッと血液を流すこともできません。
この“意識してもできないこと”はすべて自律神経がつかさどっています。内臓を動かす、血液を流す、栄養を吸収する、老廃物を回収する、などです。
自律神経とは、自分の意思とは関係なく、刺激や情報に反応して、体の機能をコントロールしている神経のことです。循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。
自律神経は、正反対のはたらきをする「交感神経」と「副交感神経」の2つからなり、この2つがバランスよくはたらくことで、健康状態を保っています。
体の活動時や昼間に活発となる交感神経と、安静時や夜に活発となる副交感神経があり、交感神経は活動モード時の神経で、副交感神経はリラックスモード時の神経です。
この2つのバランスをそこなうのが「自律神経の乱れ」です。不規則な生活や気温差のストレスによって自律神経の働きが乱れると、体の器官にさまざまな不調が現われます。
暖かい春になると、副交感神経が優位になり、リラックスモードが勝ち、ついつい眠気が襲ってくる、というわけです。
交感神経がはたらくのはおもに昼間。活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時にはたらきます。仕事・家事・育児・運動・勉強などをしている時です。
心拍数は増えて、筋肉がかたくなって、血管は細く収縮します。活動モードになっているので、すぐに反応できる体勢になっています。
仕事の指示をうけて臨機応変に動けるのも、家事をパッパッとこなせるのも、スポーツで相手の動きに瞬時に反応できるのも、交感神経がはたらいているおかげです。
逆に副交感神経がはたらくのはおもに夜。眠っている時の働きがピークですが、そのほかにも、食事中、お風呂にはいっている時、ゆったり気分でリラックスしている時に働きます。
心拍数は落ち着いて、筋肉もゆるんで、血管もふわりと広がります。胃や腸などの消化器系の動きがさかんになって、栄養の吸収や老廃物の排出が促進されます。つまりは、新陳代謝、疲労の回復、ケガなどの修復をおこなって、元気な体に戻す作業を行っています。
自律神経は、その時々でどちらかの神経が“優位に働いているか”ということで、完全にどちらかに切り替わっているわけではありません。
「寝ている時は交感神経10%、副交感神経90%」みたいな感じだと思ってください。
それでは、なぜ二つの自律神経があるのでしょうか。
その根拠を示す文献や情報を探しましたが、見当たりませんでした。すべて、二つあることが前提で説明されており、その必要性については言及されていません。
そんな質問は愚問だろうと言われそうですが、神仏には設計された根拠があるはずです。それを私は知りたかったのですが、現時点では、答えは見つかりませんでした。私は進化論でそのようになったとは思えないのです。
私はコンピューターのプログラムについて、浅学非才ではありますが、少しは考えられるので、人間のようなロボットを創る場合を想定しました。
体の臓器や器官を24時間自動コントロールする場合、それ専用のプログラム組むことは容易です。しかし、その信号伝達を担う自律神経を二つ持つことはしないのです。体が活発な状態を要求した場合に、活発モードのプログラムにジャンプして、体の活動量を上げればよいと思うのです。
就寝時のようなリラックスモード時には、リラックスモードのプログラムにジャンプして、体の活動量を下げて、体の修復作業を行えばよいと考えるのです。したがって、このように考えれば、二つの自律神経が必要な理由は見当たらないのです。
しかし、必ず何らかの理由があるはずです。
最近、知ったことなのですが、私たちの鼻の穴は二つあるのですが、通常は2~3時間おきに交互に鼻の穴が閉じて、交代して機能している。鼻の穴はそれぞれ左右の肺に対応しており、通常は片方ずつ肺を休ませているというのです。実はこれも自律神経の働きなのです。
自律神経についてよく調べると、交感神経は自動車でいえば、「アクセル」にあたり、副交感神経は「ブレーキ」にあたるというのです。副交感神経は「副」がついていますが、交感神経の「控え」でも「写し」でもありません。れっきとした独立した神経で、むしろ交感神経より重要だと述べられています。
副交感神経の活動が停止すると動物は生きていくことができませんが、温和で静かな環境であれば、交感神経の働きが停止しても動物は死ぬことはないそうです。
各臓器には、独立した交感神経と副交感神経の両方が伸びていて、両方の神経の制御を受けています。車で例えると、「アクセル」を吹かせたい場合、車はスピードを上げて進み、「ブレーキ」を踏んだ場合には、車はスムースに停止できるのです。
私が考えた一つの神経と脳のプログラムだけでは、自動車を加速できても、すばやく停止することはできないのです。「アクセル」と「ブレーキ」があることにより、状況に合わせてスピーディーに最良の状態をつくり出すことが可能となるのです。
この2系統を制御するプログラムは難しく、それを実行に移すメカニズムも大変複雑になると考えれば、人体はそれを難なくこなしていることに驚きを感じるのです。
もし自律神経がなかったら、私たちは食事をした後、胃酸を分泌して、3時間ぐらい胃腸を動かして、消化させなければならないのです。もう、これだけで疲れてしまいます。
神仏は食事の美味しさだけを人間に与え、栄養を摂るための消化吸収は体が自ら行っているのです。この人体の素晴らしい働きに対し、神仏に感謝いたします。
---owari---
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